野生動物保護のため、豪州都市で「リードを付けてない飼い猫」の外出禁止令が可決!違反者には罰金刑

リードをつけていない猫の外出を禁止する法案が可決

先頃、西オーストラリア州フリマントル市議会で、リードをつけていない飼い猫の外出を禁止する法案が満場一致で可決されました。

この猫管理法改正案により、飼い猫は道路や低木林などすべての公共区域への立ち入りが禁止されます。

同法案を提出したアディン・ラング市議によると、これにより猫による野生動物の殺傷を防止できるとともに、猫の交通事故や猫同士の喧嘩による怪我を防ぐことができるとのこと。

フリマントルではすでにゴルフ場やビーチ、公園などを含む12の区域で飼い猫の立ち入りが禁止されており、違反した飼い主には約100ポンド(約15000円)の罰金が課されます。

猫を完全室内飼いする理由とは

先日、西オーストラリアの野良猫管理団体WA Feral Cat Working Groupのトム・ハットン会長は同市議会に対し、猫を室内飼いする理由として都市部の野生動物を保護し飼い猫を健康的に長生きさせることを挙げました。

ハットン氏によると、都市部の猫は野生の成猫と比べて30倍も多くの野生動物を殺傷するそうです。

さらに、完全室内飼いの猫の平均寿命は13歳であるのに対し、自由に屋外を出歩く飼い猫の平均寿命はわずか3歳。その原因は偶発的な災難や交通事故、喧嘩や病気とされています。

フリマントル市では同法案の草稿を作成後、最低6週間の公開協議を実施する予定です。

多くの自治体が猫の外出禁止を導入

オーストラリアでは他の自治体でも同様の条例を求める声が上がっており、グレーターベンディゴ市や南クイーンズランドの自治体に続き、北クイーンズランドの議会も動物を保護するため猫の外出禁止条例を定めるよう求められています。

ビクトリア州ベンディゴの市議会では11月中旬、一部の猫を24時間室内で飼育することを定める条例が満場一致で可決されました。

さらに過去には、2020年7月にアデレイド・ヒルズで猫の外出を午後8時から午前7時までの夜間のみ禁止する条例が施行されています。

オーストラリアでは希少な動物が大量に猫に殺傷され、絶滅が危惧されるほど個体数が減少しているといいます。こうした状況もあり、飼い猫の外出禁止の流れは今後もさらに広がるかもしれません。