ある保護猫との出会い
難病の女性を献身的にサポートする優秀な猫と犬のチームがいます。
マーラ・キャンベルさんは関節組織に障害が起きるエーラス・ダンロス症候群という難病を持っており、思うように体を動かすことができません。さらに、体の機能に様々な不調が現れる自律神経失調症も抱えています。
そんなマーラさんがある日保護施設から迎えた子猫のシェイは、見た目はただの元気な子猫。しかし実は、とても優れた能力を持っていました。
心拍数の変化を感知する猫
マーラさんは持病のため、心拍数が上がって脱力感を覚えたり失神したりすることがあり、さらに運動機能にも問題があるため転倒して怪我をしやすい状態にあります。
シェイは誰からも訓練を受けたことがないにも関わらず、マーラさんの心拍数が上がったことを感知して、マーラさんに注意を促すことができたのです。
そこでマーラさんは、褒めて伸ばすポジティブトレーニングを行い、シェイの能力をさらに向上させました。
専門家によると、犬や猫の中には嗅覚が特に優れた個体もおり、彼らは血糖値や心拍数など人間の体内で起こるわずかな化学的変化も感知できるそうです。さらに、コロナ感染や癌などを飼い主に知らせることもあります。
理想の使役犬を迎える
その後マーラさんは、しばらく前から欲しいと思っていた使役犬をようやく見つけました。
マックスという非常に賢い大型の保護犬で、ボーダーコリーとゴールデンレトリバー、オーストラリアンシェパードの血が入っているとみられる黒い雑種です。
マックスはすでに使役犬になるためのトレーニングを受けていましたが、幸運にも先住猫のシェイが実地のトレーニングを引き受けてくれました。
シェイが心拍数の警報を発するたびにマックスは注意を向けていることを確認し、注意がこちらに向いていないと彼に平手打ちして特訓したそうです。
こうしてマックスは2週間もしないうちに、心拍数が変化すると適切に警報を発することができるようになりました。
猫と犬の優秀コンビ
マックスは今や複数の仕事をこなす使役犬となり、心拍数の変化を感知する以外にも、マーラさんの移動のサポートをしたり筋痙攣などの症状を感知したりしてくれます。
マックスが事前に何らかの症状を知らせてくれるため、マーラさんは転ぶことなく車いすから安全に立ち上がることができ、非常に助かっているそうです。
マーラさんによると、使役動物と一緒にいると彼らの様子がおかしい時は注意を払うようになり、何を伝えようとしているのか理解しようとするようになるといいます。
おそらく、動物に寄り添うマーラさんの優しい気持ちがあったからこそ、こんなにも可愛く優秀な犬猫コンビに出会えたのかもしれませんね。