猫の視力
- 猫の視力:0.1〜0.3ぐらい
- 近い物を見れる距離:15cmぐらい
- 遠くまで見れる距離:20mぐらい
- 一番視力が生かせる距離:2~7.5m先
猫の視力は人間の視力の10分の1程度
猫は優秀なハンターです。動体視力にとても優れていて、すばっしこく動くねずみや、虫を一瞬で仕留めることからも、そのことはよく分かります。これだけ見れば、猫はとても視力が良いと思われがちですが、実際には、それ程視力は良いとは言えません。
むしろ人間の視力の10分の1程度と言われているので、0.1〜0.3くらいしかありません。見える範囲は15cmから20m程度。2~7.5mが最もよく見える範囲ですが、解像度が悪いので、少しぼやけて見えていると思われます。
猫の視力で見るのが得意な物
- 猫の視力は動く物を見るのが得意
- 猫の視力は距離や高さを測るのが得意
猫は視力はあまり良くないので、遠くは見えませんが、その代わり、猫は視野が広く距離感や高さを測るのは得意と言えるでしょう。
猫の動体視力
- 猫の動体視力は人間の4倍
- 動いている物であれば30m先の物も見える
猫は動体視力は抜群です。猫の動体視力はどのようなものなのでしょうか。そもそも動体視力とは「動く物体を視界で認識する能力」のことを言いますが、猫はこちらが非常に優れていると言われています。
動いているものなら、小さな虫でも30m先までなら、見つけることが出来ると言われています。これは人間の動体視力のおよそ4倍に当たります。猫は1秒間に「4mm」というほんの少しの動きでも感知することができるのです。
それにより、視力が低くても獲物やおもちゃが少し動いただけだも気づくことができるんです。それにより、素早く動くおもちゃでも見失うことなく目で追いつづけることができます。
猫の視力の弱点
しかし、動体視力が優れてすぎているために苦手なこともあります。それは「動きが遅い物体」です。素早いものを目で追うことは得意なのですが、反対に「ゆっくりと動くもの」が非常に苦手だと言われています。
動体視力が優れているために逆にゆっくりなものには「止まっている」と勘違いさせてしまうこともあるようです。
例えば、猫は暗い部屋の中でも、動いているものなら、即座に反応しますが、同じものをそっと目の前に置いても、動いていなければ気付かないのです。
猫の視力で見えるもの
猫の視力は暗い所がよく見える
猫は夜行性なので、明るいところよりも、暗いところの方が良く見えます。暗闇での見え方は、およそ人間の6倍だと言われています。要するに、猫は人間の6分の1の明るさでもよく見えている、と言うことになります。夜行性の猫にとっては、色彩よりも明暗の方が大事なのです。
猫が見える色
- 赤は見えない
- 灰色や黒
- ピンク
- 茶系
- グリーン
猫の場合は、緑と青を認識しているようです。猫や他の生き物の目の中にある網膜には色を認識するための錐状体細胞というものがあり、赤青緑の三原色が組合わさることで様々な色を見ることができると言われています。
しかし、猫には「赤色」の錐状体細胞がないので赤系統の色は見えていないと言われています。諸説ありますが、ぼんやりとした灰色や黒、或はピンクや茶系の色、またはグリーンに見えているのではないかと言われています。
ですが、本当のことは猫に聞いてみないと分かりません。
人間をはじめとする霊長類は、赤と緑と青(光の3原色)を認識する錐状体と言うものがあり、様々な組み合わせで色を認識しますが、動物にはその機能が備わっていません。人間の視神経が約120万本に対して、犬や猫は約12万~20万本しかありません。まるで精度が違います。
犬は「明るさ」しか認識出来ていないのではないかと言われて来ましたが、実際には青と黄色は見分けられています。因みに赤は認識しません。人間は様々な色を判別することができますが、猫はどんな色が見えているのでしょうか。これからの研究に期待したいですね。
猫の目の構造と特徴
猫の視力が悪いのはレンズが発達しているから
猫の視力が人間と違ってかなり悪いのは、目のレンズ部分である「水晶体」や「角膜」が発達して、僅かな光でも、なるべく多く取り込もうとしているからです。
猫は身体のわりに、目が大きいのも猫の特徴です。それは夜行性のため、少しでも多くの光を取り込むためだと考えられています。それ故に、光を絞る瞳孔も大きくなり、この瞳孔を動かす筋肉も、猫は発達していると言われています。完全な暗闇では、猫も何も見えませんが、代わりに嗅覚、聴力を頼りに行動することが出来ます。
猫の目の構造
また、暗闇で猫に遭遇すると、光に反射したように、目が光っていますよね。これは、猫の目には網膜の下に「タペタム」と言う反射板が付いているからです。猫に限らず、このタペタムは、多くの夜行性動物に備わっています。
このタペタムにより、網膜の視神経を刺激しながら入ってきた光を、もう一度反射させて取り込むことで、僅かな光の量を倍にして、暗いところでも鮮明に見えるような仕組みになっています。ただ、そのために近視の傾向にあるのです。
猫の目の色
猫の目の色のバリエーション
猫の目の色は、大きく分けると4種類に分類されます(稀にオッドアイと言って左右の目の色が違う猫もいますが)。グリーン、ヘーゼル、アンバー(琥珀色)、カッパー。しかし、生まれたばかりの猫は、生後2か月くらいまでは、メラニン不足のため、もれなくキトンブルーと言う色をしています。
グリーン
グリーンは洋猫に多く見られ、和猫には見られません。メラニン色素が薄く、光の反射でグリーンに見えます。
ヘーゼル
ヘーゼルは茶系とグリーンが混ざり合うグラデーション色のことです。グリーンに比べると、メラニン色素はやや多めです。洋猫と和猫の混合種に多く見られます。
アンバー(琥珀色)
アンバー(琥珀色)はヘーゼルと混同されがちですが、複雑色のアンバーはヘーゼルと違って強い黄色です。
カッパー
カッパーは和猫に最も多く見られます。銅色という意味で、茶系の色をしています。赤っぽく見えることもあります。それだけではなく、メラニン色素も一番多いと言われています。
キトンブルー
子猫の時にだけ見られる目の色です。生後2カ月までこの色ですが成長と共に色が変化していきます。
猫の視力に関するまとめ
きらきらと輝く宝石のように美しい猫の目。実際に「猫目石(猫眼石)」と呼ばれる宝石がある程です。世間一般では「キャッツアイ(Cat's Eye)」と言った方が分かりやすいかもしれませんが、厳密に言えば「キャッツアイ」と言うのは、「宝石に光の効果で出来る模様」のことで、それが猫の目のようなので「キャッツアイ効果」と呼ばれています。ですので、「猫目石」を「キャッツアイ」と呼ぶのは正確ではなく、本来は「クリソベリル・キャッツアイ」と呼ぶほうが正しいのです。
きらきら光る宝石のような猫の目。動体視力はとても優れていますが、静体視力は発達していないことが分かりました。猫の気を引きたかったら最低30cmくらいの距離を取り、動いてアピールすることをおすすめします。ただし、あまりしつこいと違った意味で見てもらえなくなるので十分にご注意下さい。
女性 コッコ
視界も、中心にピントは合うけれど、端の方はぼやけている、という話もあります。
色が見えなかったり視界が狭かったりすると、人間の感覚では不便に感じてしまいますが、実際猫はそれほど困ることはない、とか。
と言うのも、視力以外の音を聞き分ける力や、ヒゲによって周囲の動きを察知する能力が備わっているからです。
元々は薄暗い時に狩りを行う動物ですから、色に頼っていては獲物を捕獲できないというのもあるのでしょう。
色以外の感覚を発達させることで、ネズミなどの小動物の動きを感知できるよう、進化しているのだと思います。
視界に関しても、猫は頭を動かさずに走ることができるので、
ピントを獲物に合わせたまま走る、というスゴ技を持っているそうです。
ですから、端の方がぼやけていても、あまり問題はないのですね!
猫の事を知れば知る程、その身体能力の高さに、いつも驚かされます☆
参考になる記事を、ありがとうございました!
20代 女性 UMI
ちなみに小さい虫や、鳥を見つけた時に短く「ケケケ」や「カカカ」と鳴くあの独特な鳴き声はクラッキングと呼ばれるものだそうです。獲物を見つけたのに、獲物を捕らえることが出来ないもどかしさを表す鳴き声でそのまま追いかけることができるなら狩りに移行するようですが、できない場合は諦めがつくまでなき続ける子もいるようです。おもしろいですよね。うちの子はよく窓の外にいる鳥に向かって「カカカ」と鳴いています。狩りができなくてもどかしいんでしょうね。
女性 ケロキ
動物がどのように見えているのかは気になります。猫が近眼だとは思いませんでした。動いているものを見る力はすごいですが、止まっていると見えないのは不思議だと思いました。我が家の猫は時々壁を見つめていて、よく見ると小さな虫を目で追いかけていました。
暗闇での行動ができるのもすごい能力ですよね。愛猫は、暗い部屋に私が入り電気をつける前に物影に隠れ、照明がつくと、私の足をめがけて飛び掛かってくるという遊びをします。暗くても見えるので何の問題もないというよりは、暗い方がいきいきとしているようにも感じます。
遊ぶときも猫の目の特性を考えると楽しく遊べるかもしれないと思いました。
20代 女性 ゆず
女性 yuki
しかし、視力が悪いからこ嗅覚が発達していると言われていますので、納得しました。私たち飼い主の顔はぼんやりとしか見えていないとしても、ニオイでしっかりと嗅ぎ分け「こいつは飼い主ニャ!」なんて理解しているのでしょうか?
とても面白いですよね。1度でいいから猫から見える世界を見てみたいと思う飼い主は、私だけではないはず。
元々視力はよくない動物なので、白内障などにかかってしまうと相当周りが見えませんよね。白内障は予防のしようがないと昔獣医さんに聞いたことがあります。しかし、白内障にかかった猫と一緒に健康な目の猫を飼育してしまうと、万が一喧嘩をした際に外傷によって健康な猫まで白内障になってしまう為、気を付けなければならないと聞きました。
先天性のものならばなおさら防ぎようはありませんが、後天性のものは予防とまではいかなくても、喧嘩をしないように注意することくらいは出来そうなので、多頭飼育の我が家では気を付けてみておこうと思います。
30代 女性 オッドアイ
猫の視力について「そもそも猫は、生活のうえで殆ど視力に頼っていない」と聞いたことがあります。視覚以外の感覚器官が長けているからですね。三次元空間を理解する能力にも長けており、実際に視覚では見えていない高い場所へも、上手に飛び乗ることができます。人間は、視覚、聴覚、嗅覚、味触覚という五感のうち、80%を視覚に頼って生活しています。それに対して、猫は20%程しか視覚に頼っていないそうです。一度でいいので、愛猫が見ている世界を経験してみたいですね。
男性 ジャビット・デンセン
50代以上 男性 キジトラ
緑の錐状体は緑の感度がピークですが、赤の波長にも感度を持っていますので、赤い光も見えています。
一方、青の錐状体は緑にも感度を持ちますが赤は感じません。つまり緑は緑の錐状体と青の錐状体が働いており、赤は緑の錐状体のみが働きます。この違いから赤と緑を別の色と感じることが可能です。
細胞の条件としては人の赤緑色覚異常と同じですが、何色に見えるかは、2色色覚が前提の猫は3色色覚が前提の人とは違うはずです。錐状体の重なりによる色彩の脳内表現が更に大きく発達している可能性もありちゃんと赤に見えているのかも。