猫のしっぽの役割
バランスを保つ
猫は不安定な場所であってもバランスを崩すことはありません。しっぽでバランスを取っているのです。バランスを崩しそうな時には、しっぽを素早く振り、骨盤の位置を調整し、体勢を安定させます。
寒さから身を守る
猫は寒いのが苦手。寒いと感じたら体を小さく丸めてしっぽで体を巻き込むようにします。しっぽで寒さを和らげるのです。
マーキング
しっぽでマーキングをします。臭腺という自分の臭いを発する器官がしっぽにもあるためです。しっぽをこすりつけにおいを付けていくのです。
遊び道具として
子猫の場合はしっぽを遊び道具と勘違いしていることがあります。認知能力がまだ発達していない子猫にとって、自分の体の一部であるしっぽであっても、動くものを目にすればおもちゃにしてしまうのです。
ただし注意したいのは成猫の場合です。正猫は自分のしっぽをちゃんと認識しています。もし成猫が自分のしっぽを追いかけていたり、噛みついてみたりするのはストレスが原因の可能性も考えられるのです。これが徐々に自傷行為にエスカレートしていく可能性があるので、様子をしっかりと見て対応いくことが必要です。
感情表現としての猫のしっぽの動き
猫は無表情でも、しっぽの動きに感情が表われます。その時の状況に応じて少しでも猫の心理を読み取ってあげることができたら、もっと素敵な関係が築くことができるのではないでしょうか。
しっぽをピンと立てている状態
- 嬉しいとき
- 甘えているとき
猫がしっぽをピンと立てた状態で飼い主にすり寄ってきた場合は、母親に対して甘えているような気持ちを表現しているといわれています。
しっぽを立て左右に振る
- 不快
- 興味はあるが不安
- ご機嫌斜め
- 闘争心
- 攻撃的
左右に大きく激しく振っている(動きが大きいほど感情の度合いも高まる)
- 怒り
- イライラしている
- 威嚇
犬であれば喜んでいる事になりますが、猫のしっぽの場合は異なりますので要注意ですね。
ゆっくり振っている
- リラックスしている
- 考え事をしている
しっぽの毛を逆立てて膨らみ山型に持ち上がっている。
- 威嚇をしている(身体を大きく見せようとしている)
しっぽをおなかの下に巻き込む
- 弱気な状態(身体を小さく見せようとしている)
シッポをダランと下げている
- 元気がない
- 叱られてしょんぼりしている
- 具合が悪い
このような状態の時は病気であることも考えられます。しっかりと様子観察し、早めの対応を心掛けましょう。
(抱っこをされている時)しっぽのみをバタバタと大きく動かす
- 不快
- 離してほしい
(抱っこをされている時)しっぽを伸ばして大きく動かす
- リラックスしている
- 嬉しい
(抱っこをされている時)しっぽがお腹に密着している
- 緊張している
(慣れない人に抱っこをされている時)しっぽがピンと下がっている
- 全身が緊張している
(寝ている時)しっぽの先だけピクピク動く
- 家族や飼い主の声が聞こえて反応している
(何かを見ている時)しっぽの先だけゆっくりと動かす
- ぼーっとしている
- 考え事をしている状態
しっぽの短い猫の場合
しっぽが短い猫の場合は少し分かりづらいですね。しっぽを振る速度に注目してみましょう。そのスピードによって感情が異なることが分かります。ゆっくり振っているときはリラックスしているときが多く、早いときは不快だったりイライラしていたりするのです。
とてもデリケートな猫のしっぽ
猫のしっぽは痛みを感じやすくストレスにつながる
猫のしっぽは尾椎という骨でできており、しっぽは尾骨神経に動かされています。この尾骨神経というのは、骨盤付近で骨盤神経や下腹神経、陰部神経など、重要な神経と部分的につながっています。そのため、しっぽに外部から強い力が加わると、同時に他の神経にも影響を与えてしまうのです。しっぽを強く引っ張ったり、踏んづけたりすると歩行障害や排泄、排尿障害になってしまう可能性もあります。
しっぽの付け根はリラックスのツボ
猫によってはしっぽの付け根の辺りを軽くなでたり、指先でトントンとすると目を細めたり、しっぽをピンと立て、お尻を高く持ち上げたりすることがあります。これは気持ち良いと感じているのです。しっぽの付け根には多くの神経が集まっていることもあり、リラックスのツボでもあるのです。
※なかにはしっぽの付け根を触られることを嫌う猫ちゃんもいますので、その場合はやめておきましょう。
まとめ
猫のしっぽについて掘り下げてみると様々なことが分かりますね。猫のしっぽの役割や感情表現などを理解し、日々の生活に活かすことができたら、更によりよい関係が築いていけるのではないでしょうか。