猫のかぎしっぽとは
猫のかぎしっぽには軽度のものから重度のものまであります。しっぽの先だけが折れ曲がっている軽度のかぎしっぽは海外で「Kinked Tail(キンクドテール)」という呼び名で親しまれています。これはしっぽの尾椎という骨が1つ変形したために、途中で折れ曲がっています。
重度のかぎしっぽは「Bob Tail(ボブテイル)」と呼ばれます。大体6〜7cmの短いしっぽで、くるっと丸まっていることもあります。我が家の猫も1匹、このタイプのかぎしっぽをしています。猫種ではジャパニーズボブテイルやアメリカンボブテイルがこのしっぽです。
マンクスという、イギリスのマン島原産の猫種に見られる「stumpies(スタンピーズ)」も、ボブテイルに似た短いしっぽです。マンクスには「rumpy(ランピー)」と呼ばれるしっぽがない猫もいます。
猫がかぎしっぽになる原因
猫のかぎしっぽには、先天性と後天性のものがあります。先天性の場合は遺伝でかぎしっぽになります。かぎしっぽになる遺伝子は、少なくとも3つあるようで、1つはジャパニーズボブテイルなどが持つボブテイルを形成する「HES7」という遺伝子。もう1つはマンクスの短いしっぽを形成する「T-Box」という遺伝子です。3つめはまだ発見されていないようですが、存在することが予測されています。
これらの遺伝子があることで猫のしっぽは曲がった状態になることがあるのです。ですがこれらの遺伝子があるからといって、必ずかぎしっぽになるという訳ではないようで、発現の仕方にはばらつきがあるということです。なお、通常のしっぽを持つ猫に「HES7」の遺伝子を持つ猫はいないそうです。
後天的な場合は、子猫のまだ骨が柔らかい時に何かしらの力が加わり、曲がってしまいかぎしっぽになることがあるそうです。子猫の場合は曲がってしまっても問題がないことが多いですが、成猫の場合はしっぽが曲がると様々な障害が出てくることがあります。猫のしっぽには多くの神経が通っていて、下手に衝撃が加わるとそれらの神経が傷つけられてしまうからです。愛猫のしっぽを踏んだり、ドアに挟んだりしないよう、充分に注意しましょう。ひっぱるのも厳禁です。
かぎしっぽの猫が日本に多いワケ
前述したマン島にいるマンクスは別として、日本にはかぎしっぽの猫が多いと言われています。それはなぜでしょうか?この謎を解くには、江戸時代まで遡らなければいけません。
当時、猫が長生きすると妖怪になって人に害を及ぼす「猫又」伝説が信じられていました。今で言う都市伝説のようなものだったのでしょう。飼い猫が猫又になることを恐れた人々は、猫又になると言われている長いしっぽを持つ猫を恐れました。そのため、短いかぎしっぽの猫をなるべく増やそうとしたと考えられています。
日本の中でも特に長崎にかぎしっぽの猫が多く見られますが、これはかぎしっぽを形成する遺伝子を持つ猫がインドネシアから連れてこられた可能性が高いからだそうです。そこに猫又伝説が加わって、さらにかぎしっぽの猫が増えていったようです。海外ではかぎしっぽの猫は珍しいので幸運を運ぶ幸せのチャームとして愛されています♪
かぎしっぽの猫の3つの特徴
我が家の猫を観察した限りですが、かぎしっぽの特徴についてまとめてみました。
動きが素早い!?
かぎしっぽが短いからでしょうか?ちょっとでもしっぽに触れると、サッと動きます。最近では慣れたようですが、少し前まではちょっとでも触れようものなら秒速でサッと動いていました(笑)。猫のしっぽは重要な場所なので、あまり触るのは良くありませんが、ついつい可愛くて触れてみたくなってしまいますね。強く握るなどはしないよう注意です!
感情が分かりにくい…
猫は驚いた時や威嚇する時など、しっぽがぼわっと広がり、俗に言うたぬきしっぽになりますが、かぎしっぽの場合はとても分かりにくいです。元々短くてぽってりしているので、たぬきしっぽになっているのだかどうだか…?でもよく見ると分かる時があります。観察重要です!
ピンとするととても可愛い♪
猫のしっぽは親しみを表す時にピンと立ちますが、かぎしっぽがピンとなると何だか余計可愛らしいです。何となく「一生懸命立ててます!」感がして、その姿を見るとキュンとしてしまいます♡
まとめ
猫のかぎしっぽについてお分かり頂けたでしょうか?スラッとスレンダーでストレートなしっぽも良いけれど、曲がって味のあるかぎしっぽも本当に可愛いですね!!色々な猫のしっぽを観察してみるのもオツなものです♪