クローン猫はオリジナルとそっくりになるのか。実際の事例から検証する

クローン猫はオリジナルとそっくりになるのか。実際の事例から検証する

大切で愛する飼い猫とずっと一緒にいたい、猫を飼っている人ならそんな気持ちに誰しもなったことがあるでしょう。もし飼い猫が死んでしまっても、そのクローン猫を作ることで、再び同じ猫と暮らすという方法がありますが、クローンの猫は、元のオリジナルの猫と本当にそっくりになるのでしょうか。

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愛猫ともう一度!願いを叶えるクローン猫

こちらを見つめるそっくりな柄の2匹の猫

飼っていた猫が死んでしまっても、クローン猫を作ることで再び同じ猫と暮らすことができる、クローン猫はそのような飼い主の願いを叶えると考えられています。

もちろん死んでしまった猫と同じ猫が作れるわけではありませんが、遺伝子情報を受け継ぐことで、ほぼ同じ遺伝子情報を持った猫ができるとされています。

大切にしていた猫が死んでしまっても、再び会うことができるという事実に、大金を払ってもクローン猫を欲しがる人たちも多いようです。

それでは、クローン猫は、本当に元の猫とそっくりな猫になるのでしょうか?遺伝子情報が同じであれば、見た目や行動も、前の猫とそっくりで、また同じ猫と暮らしているように思えるのでしょうか?

クローン猫作り方!必要なものはDNAのみ?

診察台の上にいる長毛の猫

クローン猫の作り方はどのようなものでしょうか。

まず必要なものは、オリジナルの猫の体細胞です。クローンを作りたい猫の組織から体細胞を取り出し、遺伝情報を含む核を取り出します。

次に別の猫の卵細胞を取り出し、核をドナー猫の核と入れ替えます。できた卵細胞に分裂を促して、うまく分裂して胚と呼ばれる状態になったら、代理母となる猫に移植します。

移植がうまくいき、代理母猫の体内でうまく胚が育っていけば、オリジナルの猫とほぼ同じ遺伝子情報を持った子猫が生まれてくるということになります。

クローンを行なっている研究機関に払う費用は、猫一匹のクローンを作るにあたって、350万円から1000万円となっています。

飼い主がすることは、オリジナルの猫の組織(体細胞)を研究機関または動物病医院などで採取してもらうのみ、となります。

オリジナルの猫から、DNAが取れる組織を採取するだけ、と聞くと簡単そうに聞こえるかも知れません。

しかし、実際には卵子を提供する猫や、クローン猫を出産する母猫となってくれる猫が必要です。それは研究機関などで飼っている猫を使って行われますが、母猫という大切な猫の命がかかっています。

代理母となる猫は研究機関や企業で飼育されていて、体調を厳重に管理されています。クローン猫を作り出すということは、代理母となる猫の命、健康や自由、幸せについての倫理的な問題があると言えます。

外見も性格もオリジナルとは別の猫になる可能性が高い

寄り添う黒白猫とオレンジ縞の猫

クローン猫と聞くと、オリジナルの猫とまったく瓜二つになる、と考えるのが自然かも知れません。

しかし、クローン猫はオリジナルの猫とは違う、別の猫であることはまぎれもない事実で、当然ですが同じ猫ではありません。

また、現在のクローンの技術では、必ず同じ毛色の猫を作り出せるとは限りません。例えば三毛猫のクローンを作ろうとして細胞を取って作成しても、三毛とは違う模様の猫が生まれる場合もあるということです。

また、見た目が同じクローン猫がうまく作られたとしても、オリジナルの猫の記憶を受け継いでいる訳ではありません。

さらに、性格は生まれ持ったものもありますが、後天的に身につけるものも多いものです。

オリジナルの猫と全く同じ環境で同じ経験をさせるということは不可能ですから、オリジナルの猫と全く同じ性格を持つ猫を作り出すことも不可能ということになります。

クローン猫を欲しがる人が、オリジナルの猫の見た目だけでなく、性格や行動までもオリジナルの猫と同じものを求めたとしても、その夢は叶いません。

同じ猫ではない以上、いくらDNAが同じでも同じ猫は手に入れられません。オリジナルの猫の遺伝子情報を持った別の猫だ、という認識が必要なわけです。

実際に存在したクローン猫

寄り添って座る2匹のデボンレックス

実際に存在したクローン猫についてご紹介します。クローン猫についてさらに詳しい記事はこちらも御覧ください。

世界初のクローン猫「CC」

CCとはCopyCatのことで、2001年12月22日に世界で初めてクローン技術で生まれた猫です。

レインボーという名前の三毛猫から採取したDNAから、たくさんの受精胚を作り、ようやく作り出すのに成功したクローン猫だということです。

生まれてきたCCは、三毛猫であるレインボーとは違い、背中が縞模様でお腹が白い毛色をしていました。遺伝子学ではオリジナル猫と同じものを持っていても、毛色の発生学的には同じではなかったということになります。

世界で2番目のクローン猫「リトルニッキー」

リトルニッキーは、2004年10月に初めて商用ペットとして作成されたクローン猫で、世界で2番目のクローン猫です。

リトルニッキーは、ニッキーという名の19歳のメインクーンのDNAから作られました。

リトルニッキーは、オリジナルであるニッキーと見た目や毛色がそっくりで、性格も似ていたと言われています。

クローン作成の費用は当時の金額で50,000ドルかかったということです。

中国で誕生した「ニンニク」

2019年の7月に大蒜(ニンニク)という名のクローン猫が中国で誕生しました。これは中国で初めて誕生したペットの猫のクローンだということです。

ニンニクはブリティッシュショートヘアという種類の子猫で、飼い猫をなくした顧客の依頼で作られました。

元の飼い猫であるオリジナルの猫もブリティッシュショートヘアで、名前はニンニクでした。クローン猫を見た飼い主によると、見た目については「元の猫とクローン猫は90%以上似ている」ということです。

クローンのようなぬいぐるみ「カドル代行サービス」を利用する人も

ブランケットをかけた猫とあみぐるみ

クローン猫を望む飼い主さんは、亡くなってしまった猫に会いたい、という気持ちがとても強いことでしょう。

クローン猫を作るには、費用や倫理的な面から作るのが難しいと感じる人のために、オリジナルの猫とそっくりなぬいぐるみを作れるサービスをご紹介します。

これは、作って欲しい猫の写真を送ることで、そっくりなぬいぐるみを作ってくれるというものです。

猫が亡くなってしまったことを受け入れ、その姿を懐かしむ、という意味では、そっくりなぬいぐるみを見て癒されるのも1つの方法です。

まとめ

向かい合うオレンジ長毛の猫とグレー縞の猫

クローン猫は、オリジナル猫と必ずしもそっくりになるわけではないと言えるでしょう。

毛色に関しては遺伝子が同じでも同じになるとは限らないこと、性格に関しても育つ環境によって違ってくることと、当然オリジナルの猫の記憶はないので、オリジナルの猫とそっくりにはなりません。

飼い主さんの、元の猫に対する愛情の深さ、ずっと一緒にいたいという気持ちは、猫好きにはとてもよく理解できるものです。

しかし、クローン猫はオリジナルの猫とは全く別の個体であるということを理解しておくと、安易にクローン猫を欲しがる気持ちにならずに済むかも知れません。

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