1.顔つきが穏やか
もともと野良猫であった子を迎え入れたり、保護猫を受け入れたりした際に、猫ちゃんの顔つきに変化が見られることがあります。「生きるか死ぬか」というくらいに辛い環境で育った猫ちゃんは、その顔つきや身体のこわばりに緊張感があります。
温かいおうちに迎え入れてもらって、飼い主さんの愛情を知った猫ちゃんは、その顔つきが穏やかになることが多くあります。それは、明日生きていられるかどうかという、野生の緊張感から解き放たれたことによるものと考えられます。
2.「ウールサッキング」をしない
「ウールサッキング」とは?
「ウールサッキング」とは、ウール(羊毛)を始めビニールや布などをしゃぶってしまう行動を指します。しゃぶるだけでなく、吸っているうちに食べてしまうこともあるため、猫の問題行動の1つとされています。
猫の「常同障害」
状況に関係のない行動を過剰にし続けてしまうことを「常同行動」と言います。この「常同行動」が行き過ぎてしまって、体のある一部を毛が抜けるまで舐め続けてしまったり、かきむしってしまったりするなど、自身を傷付けるレベルでの常同行動を「常同障害」と言います。この常同障害の1つに物を執拗に吸ったり噛み続けたり、食べてしまうというウールサッキングも含まれます。
常同障害になりやすい猫とは
常同障害を引き起こしやすい猫の特徴は、
- 離乳時期より早く母猫から引き離された
- 不安傾向が強い
- いつも緊張状態にある
- 震えたり耳を横に倒したりすることが多い
などが挙げられます。ウールサッキングに関しては、シャム系をはじめとするアジア系の品種の猫に多く見られる傾向があります。性別でいうと、メスよりもオスの方が常同障害になりやすいという意見もあります。
3.一人で居られる
甘えが過ぎると分離不安という病気に
猫の中にも甘えん坊気質の子がいます。頻繁に甘えてくる仕草はとても可愛らしいものなのですが、甘えん坊過ぎるのは何かのトラウマである可能性があります。猫は本来、他者に媚びずに生きていく動物です。成猫になってからも飼い主さんに過剰に甘えるということは、子猫の気持ちからずっと卒業できずにいるということです。
また、子猫時代の経験から「一生懸命に甘えないと生きていけない」と思っている可能性もあります。成猫になってからの甘えん坊は、度が過ぎると分離不安という心の病気に発展しかねない問題でもあります。
飼い主さんの愛情に信頼を持っているかどうか
愛情を十分に受けて育った猫ちゃんは、飼い主さんからの愛情に信頼を持っています。猫ちゃんが飼い主さんに対して「一人でいても大丈夫」という信頼があれば、飼い主さんが留守にしていようが何かの作業に集中していようが、平常心でいることができます。
母猫から早期に引き離されてしまったり、愛情不足で育ってしまったりした猫ちゃんにはこの自信がないため、飼い主さんに対して執拗に甘えたり、自己主張をしたりしてアピールする傾向があります。
まとめ
今日のねこちゃんより:チッちゃんクッちゃん♂ / 雑種(ミックス) / 2kg
猫の性格は持って生まれた性質によるものもありますが、どのように育ったかという後天的な要素も大きく影響を及ぼします。愛情いっぱいに育った猫ちゃんは、飼い主さんが自分に向ける愛情に対して信頼を寄せています。
そのため、必要以上に緊張感を持ったり執拗に甘えてアピールをしたりするということは、あまりありません。執拗に甘えたり常同障害という形で表に出たりするということは、愛情不足によるストレスの結果によるものも多くあります。
過度なスキンシップをしなくても、猫ちゃんが一人でゆったりと過ごせることこそ、満たされている証拠でもあるのです。