猫の目にある膜
猫が目を閉じる時や左右に目を動かすときに白い膜を見ることがあります。時々猫が寝ているときには、白い膜が閉じて白目をむいているように見えることもありますね。
この膜は瞬膜というものです。この瞬膜はまぶたが上下に動くのとは異なり、目頭及び目尻から中央に閉じるように動きます。普通、猫が目をあけているときは、瞬膜は目頭や目尻に少し見える程度ですが、眼球を動かすときに一緒に動くことがあるのです。
また、寝ているときはまぶただけでなく、この瞬膜も閉じています。そして、目覚めた直後、まぶたを開けてもこの猫の目の瞬膜だけがしばらく閉じたままになり、見えた状態になっていることがあるのです。
このように、猫の目に膜がかかっていても、健康な猫ならしばらくすると瞬膜は見えなくなります。
猫の目の瞬膜とは
ヒトのような霊長類の一部には瞬膜はありませんが、目に瞬膜を持つのは猫だけでなく、両生類や魚類の一部、鳥類や爬虫(はちゅう)類など、多くの生き物に発達した瞬膜があります。瞬膜はまぶたと異なるもので、水平方向に動いて眼球を保護する膜です。
瞬膜は第三眼けんと呼ばれることもあります。瞬膜という名は、まばたきをする時に目の内側から瞬間的に出てくるので、そう名付けられたそうです。
鳥たちは空を飛ぶときの乾燥から眼球を守るため、魚は水の中で眼球を守るために瞬膜があります。猫の目の瞬膜は、獲物の反撃や草などの障害物から大きな角膜を守るためにあると言われています。
両生類や鳥類は眼球を守るために瞬膜を閉じたままにすることも出来ますが、猫の目の瞬膜は筋線維があまり発達していないので、瞬膜を閉じたままにできないのが普通なのだそうです。
猫の目の瞬膜でわかる病気のシグナル
普通は閉じたままにできないのが猫の目の瞬膜ですから、猫の目に瞬膜が常時見えるということは、猫に何らかの異常が生じているということです。
まずは猫の目を見て、瞬膜が閉じているのは片目だけなのか、両目なのかをチェックしましょう。片目だけならば、目の病気や目のケガ、あるいは異物が入っている可能性が高いです。
猫の両目の瞬膜が閉じているならば、猫の体全身に及ぶ病気である可能性が高くなります。栄養状態が悪くなると眼球の周りの脂肪が減り、その結果眼球がへこみ瞬膜が閉じます。
脱水症状の時も同じ原理で瞬膜が閉じたままになります。また、何らかの原因で眼球の後ろの組織がけいれんをおこした時も眼球全体がへこみ、猫の目の瞬膜が閉じたままになります。
猫の目の瞬膜が閉じたままになっている時
では、具体的に猫の目の瞬膜が閉じたままになっている時に考えられる病気をあげていきましょう。
結膜炎
ほこりなどの異物が目に入った時や、細菌やウイルスの感染によって目におこる病気です。猫は白目が見えないので気が付きにくく、重症化すると瞬膜が出たままになるようです。目の充血、目の周りの腫れやかゆみ、目ヤニなどが出ることも。抗生物質の点眼薬と内服薬で治ります。
角膜炎
猫は犬に比べて角膜炎になることは少ないそうですが、角膜炎でも瞬膜が出たままになることがあります。原因は、ほこりや異物、事故やけんかなどで傷がついた角膜を放置し炎症を起こすことでなる場合と、栄養障害や細菌、ウイルス感染、内臓の病気などによるものがあります。
目を痛がり、涙を流し、光もまぶしがります。軽い場合は点眼薬や注射、内服薬で治りますが、悪化すると手術が必要なことも。
チェリーアイ(第三眼けん腺脱出)
猫の目にある瞬膜の裏側にある腺が炎症をおこして赤く腫れあがった状態をいいます。外に盛り上がった瞬膜がサクランボに似ていることからチェリーアイと呼ばれています。
何らかの外傷によって瞬膜が腫れ上がる場合と、ペルシャなどに多くみられますが、生まれつき腺組織と骨の付着が弱いためにおきる先天性の場合があります。軽いものは点眼薬で治るようですが、手術が必要なことが多いようです。
ホルネル症候群
脳の視床下部と眼球をつなぐ、けい部交感神経経路の周辺の異常でおきる病気です。ホーナー症候群と呼ぶこともあります。瞳が小さくなり、眼球が落ちくぼみ、瞬膜が飛び出してきます。椎間板ヘルニア、腫瘍や中耳の病気などで起きる事もあるようですが、多くは原因が不明だそうです。
消化不良
消化の悪いものを食べたり、体力が落ちたりしている時などにおきます。消化不良から下痢になり、下痢がひどくなると脱水症状をおこします。これにより眼球がへこみ、瞬膜が閉じたままになります。
風邪
風邪で食欲不振、発熱などの症状が続くと体力が低下し体重が減少します。体重が落ちると脂肪が減って瞬膜が閉じやすくなります。
猫の目の瞬膜に関するまとめ
猫の目には瞬膜という膜があります。この瞬膜はヒトにはありませんが、多くの動物が持っていて眼球を保護しています。通常、猫の目の瞬膜はしばらくすると見えなくなりますが、病気になると閉じたままになり、猫の目を膜が覆っているように見えます。
元気に遊んでいる猫でも目に膜が見えたままになっているときは、注意して経過を見て、なるべく早く動物病院に連れて行ってあげるのが良いようです。
40代 女性 なつき
驚いて、すぐに動物病院に連れていきました。
目薬をさしていただき、目薬を家にももって帰り1日に2回抗生物質の入った目薬をさしました。
涙が止まらなかった猫ちゃんですがだんだん、涙がおさまり、瞬膜も縮んでいって数日後には、元のきれいな目に戻りました。
一応、獣医師に診察をしていただくとほぼ、完治していました。猫ちゃん同士の喧嘩が、原因でしたので、それからは激しい喧嘩をさせないように気を付けていました、今は高齢になり、静かに仲良く暮らしています。