赤ちゃんと猫は一緒の部屋で過ごしても大丈夫?

赤ちゃんと猫は一緒の部屋で過ごしても大丈夫?

猫と暮らすご家庭で、不安要素になるのが妊娠や出産です。赤ちゃんと猫、どちらも守るためにはどのように過ごせば良いのでしょうか?今回は赤ちゃんと猫の同居生活についてご紹介いたします。

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猫と赤ちゃんは同居できる?

ぬいぐるみを抱いて眠る猫

新たな命の誕生はとても喜ばしいことです。妊娠中も不安を抱えながらも幸せな未来を想像し、皆が赤ちゃんを心待ちにしています。猫と暮らしているご家庭では、猫と妊婦さんの同居、そして新たに誕生する新生児と猫の同居について不安に思うのではないでしょうか?

妊娠したら猫は飼えないの?

同居が可能であるという意見がある一方で、妊娠したら猫は手放さなければならないという意見もあります。「手放す」という言葉を簡単におっしゃる方もいらっしゃいますが、そう簡単なことではありません。それが仮にモノであれば、手放すなり一時的に収納しておくなりと対応策があります。しかし、猫も我々人間や、生まれ来る赤ちゃんと同じく命ある存在です。

どこかへ収納することも、最悪な形で手放してしまうことも現実的ではありません。そうだとするならば、今現在ともに暮らす猫と妊婦さん、そして赤ちゃんの皆を守り幸せに生活することは実現可能なのでしょうか?

飼えるけれど注意点がある

結論からいえば可能です。妊娠中も、出産後も今まで通り皆様で幸せな未来を歩き続けることができます。ただし、猫がいないご家庭以上に細心の注意を払い、妊娠中も出産後もお母さんと赤ちゃんを周りの人々がサポートすることが重要です。今回は猫のいるご家庭で新たな命が誕生する際に、気をつけてほしいことや猫にも大切な役割があることなどについて、紹介させていただきます。

妊娠中に注意すべきこと

妊婦さんと猫

妊娠中でも、基本的には今までと変わらずに愛猫と過ごすことができます。妊婦さんに対する猫の反応はそれぞれですが、中には体調を気遣ってくれる猫もいます。そして、初めての出産の場合は人一倍不安になるはずです。その不安な状況の中で猫を撫でていると、不思議と穏やかな気持ちになるかもしれません。

猫は人間のように言葉を話してはくれません。しかし猫が持つ癒し効果は、時に言葉以上の力を発揮することがあります。猫も陰ながら妊婦さんをサポートする心強い味方です。それでもやはり人間とは異なる動物です。妊婦さんが猫と過ごす場合、いくつか注意すべきことがあります。

濃厚接触は避ける

猫がいる空間に妊婦さんがいることや、猫が安定している状況で撫でることは問題ありません。意識していただきたいポイントは次のような事柄です。

  • 顔や手を舐めさせない
  • 猫と食事や食器を絶対に共有しない
  • 猫の機嫌が悪いタイミングでは触れない
  • 猫と触れ合った後は必ず手を洗う

今まで猫を我が子のように可愛がっていた方は、愛情表現である手や顔を舐められることや、機嫌が悪く時に猫パンチを食らうことも幸せと感じていたでしょう。また、猫が食べても問題のない人間の食べ物を食べさせる機会があるときに、箸を共有して食べさせたり口移しで食べさせるということを実行している方もいらっしゃいます。

通常とは異なる状態と認識して

前者のような接触は通常であれば問題ありません。多少の怪我も、適切に応急処置を行うことで事なきを得ることができていたと思います。よって、当たり前の日常であるが故に、意識になければ問題とすら認識しないことかもしれません。妊娠中は猫から受ける負傷を含め、主に口周辺を舐められることは避けたほうが良いでしょう。猫の口内には雑菌がいます。それが胎児に影響を及ぼさないように対策しなければなりません。万が一猫に舐められてしまった際は、速やかに手や顔を洗いましょう。可能であれば、撫でるだけに留めることが無難であると意識しておいてください。

手を洗うことを習慣化する

そして普段であれば少しの接触では手を洗わない場合も、妊娠中は猫を撫でた後は手を洗う習慣を身につけましょう。これは出産後も重要なポイントになるので、妊娠中から当たり前の日課にしておくとスムーズに対応することができるようになります。

食事や食器の共有は避ける

一方後者のように、食事や食器を共有することは通常であってもリスクがあります。たとえ我が子のように愛おしい存在であっても、口内環境が人間とは異なるということは理解しておきましょう。それが、命を授かっている身となるとより一層リスクが大きくなることを把握し、妊娠中及び授乳中は絶対に食器類を共有することをやめましょう。

猫のほうが今までの習慣で、飼い主さんのお箸を舐める行為を止められないようであれば、飼い主さんのお箸を新調するようにしてください。猫と共有していないものであれば種類は問いません。ご家庭で使われていないものがあればそれを代用する形でも構いませんし、100円ショップなどで代用品を購入しても構いません。猫と共有しないものを飼い主さん専用のお箸として使用しましょう。

猫との触れあいにはちょっと注意を

妊娠中に猫と触れ合うときはタイミングも大切です。機嫌が悪く怪我のリスクがあるタイミングは避けるようにしましょう。猫のお手入れも、妊娠中は代理の方にお願いするようにしましょう。

食事の用意は手袋を着用する

餌を前にした猫

妊娠中であっても、妊婦さん自身の体調に問題がなければ食事の用意をしてあげても大丈夫です。愛猫も可能な限り、普段と同じ人に食事を提供されるほうが安心できるでしょう。ただし、念のため使い捨ての手袋を着用したほうが安全です。特に食事済みの食器を片付けるときは意識的に手袋を使用する習慣を身につけましょう。

自動給餌器の活用も検討する

もしもつわりが酷く、食事の用意がままならない場合はその都度対応を考えましょう。周囲の方でサポートをお願いできる場合は手を貸していただき、困難な場合は自動給餌器の活用も検討してみましょう。出費としては痛手になりますが、出産後も活用できる場面は多いと思います。妊婦さんが安心できる方法をご家族の方ともよく話し合ってください。

においが軽減されれば辛うじて用意ができるという場合は、マスクが役立ちます。マスクは感染症を他人に移さないことが主な使用目的ですが、ある程度のにおいを軽減させてくれる役割も果たします。食事の用意に限らず妊婦さんには心強いアイテムになるでしょう。

トイレ掃除は別の方が担当することがベター

猫のトイレを掃除する人

排泄物には多くの菌が付着しています。この後で紹介するトキソプラズマも該当します。その排泄物の除去や、砂の入れ替えなどは可能であれば妊婦さん以外の方が担当することをおすすめします。また、食事の用意とも通じることですが、排泄物はフードの香りよりも負担になる場合があります。普段は気にならない些細なにおいであっても、つわりのある時期は苦痛に感じてしまうことがあるのです。

肉食動物である猫の排泄物は強烈な臭いを放つため注意が必要です。つわりに関しては個人差がありますが、ご家庭である妊婦さんがにおいによる苦痛で悩んでいるようであれば支えてあげてください。やむを得ず妊婦さん自身が猫のトイレ掃除を行う場合は、手袋・マスクは必ず着用しましょう。これはつわりの有無に関係なく必須アイテムです。そして、掃除後は速やかにしっかりと手を洗いましょう。

トキソプラズマに関する正しい知識を得る

病院に猫を連れてきた女性

猫と暮らす妊婦さんにとって、最も懸念されるのは人畜共通感染症の一つである「トキソプラズマ」ではないでしょうか?妊娠したら猫を手放すべきとする主張には、このトキソプラズマへの感染を恐れているケースが多いと思われます。一度もトキソプラズマに感染したことのない妊婦さんが妊娠中に感染した場合、影響が及ぶのは胎児です。具体的な影響は胎児の流産若しくは死産、新生児水頭症を引き起こす可能性が考えられます。

ここまでの説明では、とてもリスクが高く恐ろしいもののように感じられるでしょう。人間は聞いたことはあっても実態を知らないものに関しては過剰に恐れてしまう傾向があります。トキソプラズマという言葉も、どこかで一度は聞いたことがあるかもしれません。そして、猫が唯一の感染源と誤解されがちです。まるで猫とトキソプラズマはセットのように感じている方も多いのではないでしょうか?猫は感染経路の一例であり、トキソプラズマそのものも、実態を知るとそれほどリスクがあるものではありません。

自覚の無い感染経験者が2~6割

現代人の2~6割は既に自覚がないままトキソプラズマに感染した経験を持っています。なぜ感染に気づかずにやり過ごすことができたかというと、健康体であれば自分自身の免疫によって抑えることが可能だからです。ただし、極端に免疫力が弱い状態にある方や、免疫不全症候群いわゆるAIDSに感染している方はトキソプラズマに感染することで重要な状況に陥る場合があります。この特殊な状況を除き、通常であれば過剰に恐れるべき感染症ではないのです。

妊娠前の抗体の有無

つまり、妊娠以前にトキソプラズマに感染していれば抗体ができていることになり、問題を引き起こすことはありません。ちなみにトキソプラズマとは寄生虫の一種で、寄生虫の中でも最も最小である原虫に属します。この原虫は猫だけに寄生しているものではありません。トキソプラズマ原虫のリスクファクターは次のようなものが挙げられます。

  • 犬以外の哺乳類及び爬虫類、両生類、魚類
  • 生肉(特に豚肉)
  • 庭の土
  • ハエやゴキブリなど

犬は全く無関係というわけではないものの、他の動物と比較する保有しているケースが少ない傾向にあります。そして感染経路としては、生肉を調理することや、ガーデニングをすることのほうが猫と接触するよりもリスクが高いのです。よって猫を手放せば解決ではなく、より身近な状況における感染予防に力を入れるほうが現実的といえます。

 

妊娠前に感染歴のチェックを

これから妊娠の予定がある方は一度、トキソプラズマの感染歴を調べておくと安心できます。既に感染している陽性反応が出れば抗体ができているので問題ありません。まだ感染していない場合は、愛猫の感染歴を調べましょう。陰性であれば、猫からの感染のリスクはそれほど問題になりません。

先ほど紹介したような、別の要因に対する予防を徹底しましょう。逆に愛猫が陽性である場合は猫の健康管理に気を配り、排泄物の取り扱いに注意してください。排泄物は24時間以内に除去すれば概ね問題ありません。その他の生活では、これまでに紹介したような怪我や濃厚接触にを避けるようにしましょう。そして妊婦さんは必ず加熱調理をしたものを食べ、ガーデニングやゴミの処理を行う際は十分に気をつけるようにしましょう。

赤ちゃんと猫が同居する注意点とメリット

子どもと猫

妊娠中のお母さんは、いくつかポイントを押さえることで愛猫と普通の生活が送れることがお分かりいただけたと思います。赤ちゃんと猫も、ご家族の方が見守ることで一緒に過ごすことができます。ただし、ここでもいくつか注意点があります。その点に気を配ることができれば、赤ちゃんの成長を愛猫の存在が促してくれます。ここからは赤ちゃんと猫の過ごし方についてご紹介いたします。

赤ちゃんと猫の対面はどのタイミングがいい?

赤ちゃんと子猫

出産後に我が子を連れて帰宅してきたとき、愛猫にはどのタイミングで対面させたらよいのでしょうか?それは、帰宅してすぐに愛猫に挨拶することがベターです。初めて見る人間の赤ちゃんに対する反応は様々ですが、猫も家族の一員として、これから一緒に過ごしていく大切な家族を紹介してあげましょう。

猫の目線からいえば、突然自分の縄張りに入り込んでくることになります。それでも危険な存在ではないと認識してもらわなければなりません。接触については後ほど説明させていただきますが、とりあえずの顔合わせとしては、帰宅直後にしておくと愛猫も疎外感に苛まれることなく受け入れることができます。初対面のときは、猫に赤ちゃんを見せながら「今日から新しい家族になる〇〇ちゃんだよ。仲良くしてあげてね」と優しく声をかけてあげましょう。その声かけにリアクションが伴わなくても大丈夫です。

また、猫というと攻撃してしまうことを恐れてしまうかもしれませんが、猫はよく知らない存在や初めて見る相手には自分から攻撃をしかけることはありません。まずは相手の出方を窺う傾向にあるので、赤ちゃんとの対面も顔合わせ程度であれば問題ないのです。

新生児期の赤ちゃんとの同居は大丈夫?

赤ちゃんと猫

生後1ヶ月までの赤ちゃんは新生児期と呼ばれるます。この時期の赤ちゃんはまだ免疫力が未熟な状態です。猫との触れ合いも含め、不特定多数の人間との接触も控えるべきデリケートな時期です。里帰り出産が可能であれば、新生児期が過ぎるまでは猫と離れて生活するほうがより安全です。

しかし、実家にも動物がいる場合や里帰り出産そのものが困難である場合は猫と同居生活を送ることになります。猫がいる家庭に赤ちゃんを連れ帰ること自体は問題ありません。新生児期の間だけ猫をどこかへ預けることは、猫にとって負担を余儀なくされてしまいます。赤ちゃんとの濃厚接触を避ける環境を整えることを徹底すれば、愛猫と同居するこがてきるのです。新生児期の赤ちゃんと猫の同居において注意したいポイントは以下のような事柄になります。

赤ちゃんと猫が同居する際の注意点

  • 直接触れ合わない
  • 可能であれば部屋を分ける
  • 赤ちゃんを保護する蚊帳を活用する
  • 大人が目を離さずに観察する
  • 猫の爪を切っておく

まず、可能であれば新生児期の間は部屋を分けると安心できます。帰宅後の顔合わせは必要ですが、直接触れ合うことは避けておきましょう。別室で生活できる場合もそうでない場合も、赤ちゃん用の蚊帳を活用すると便利です。蚊帳は通気性はあるものの、エアコンの風を和らげる作用もあります。そして、何よりも猫が直接赤ちゃんに触れることを避けることができます。蚊帳といっても設営は簡単です。ベビーベッドでも使用することができます。

日増しに猫も赤ちゃんへの興味が湧いてくるでしょう。必ず大人の方が同伴する形で、様子見をさせてあげてください。猫は飼い主さんが大切にしている存在や、小さな赤ちゃんに対して攻撃することはほぼありません。しかし絶対的に断言することはできないので、目を離さずに観察するようにしてください。また猫の爪切りを予めしておき、ブラッシングもしておきましょう。

直接触れ合える時期が来てからの注意点

赤ちゃんと猫

赤ちゃんが誕生し、初めて出る母乳には免疫成分が含まれています。赤ちゃんはその母乳を飲むことで、お母さんから免疫を得ます。そして、その免疫が定着することで抵抗力が身につくのです。新生児期を経て乳児期に入ってからは、徐々に猫とも触れ合えるようになります。

この頃になると猫も赤ちゃんの存在に慣れ、少なくとも危険な存在ではないことが理解できています。とはいえ不規則に動く赤ちゃんの手足は、猫にとっては非常に興味深いものです。乳児と猫が接触する際は、必ず大人が見守るようにしましょう。

特に乳児用のおもちゃに猫が口をつけてしまわないように気をつけてください。猫は舐めることで、自分の所有物にしようとする習性があります。一方乳児も、ものの認識は口に入れることで行う特徴を持っています。なんでも口に入れてしまう時期は、誤飲だけではなく、愛猫が舐めてしまうこともリスクファクターとして細心の注意を払いましょう。猫と赤ちゃんが一緒遊ぶ場合もおもちゃの共有はせずに、猫には猫用のおもちゃで遊ばせる習慣を身につけさせましょう。

日常生活で気をつけること

赤ちゃんと子猫

おもちゃの共有も注意が必要ですが、猫の唾液が付着するリスクはそれ以外にもあります。特に哺乳瓶の管理には気をつけてください。かつて、海外で乳児が突然意識不明になり生死の境を彷徨うという事故が発生しました。その原因が後に、母親が少し目を離してしまった隙に猫が哺乳瓶を舐めてしまったことで感染症を引き起こしていたと分かりました。乳児は原因が特定されたことで助かりました。

しかしこの事故以来、猫は遠く離れた母親の実家に引き取られることとなり、子どもが猫と触れ合うことはなくなりました。これは、責任の所在を問えるものではありません。誰が悪いわけでもなく、この事故に関与した全ての方が被害者なのです。母親も故意に猫に哺乳瓶を舐めさせたわけではありません。そして、猫も大切な飼い主さんとその子どもを傷つけようとしたのではありません。ただ、ミルクのにおいに誘われてしまったのです。

猫は猫用ミルクに限らず、人間用のミルクや赤ちゃんのにおいのついた哺乳瓶に興味を示します。飼い主さんの手や顔を舐めて、独占したいと思うのと同様に、仲良くなった赤ちゃんも自分自身にとっての特別な存在にしたいという意識の表れなのです。猫にはこのような特徴があることを踏まえ、痛ましい事故から悲しい結末に至らないように次のようなことに注意しましょう。

猫と赤ちゃんを事故から守るためにすること

赤ちゃんと猫
  • 哺乳瓶やおもちゃの管理の徹底
  • 猫が舐めても良いものを必ず与えておくこと
  • 猫用のおもちゃの管理を徹底する
  • 猫に触れた手で我が子の世話をしない
  • 室内を清潔にしておくこと
  • 猫の排泄物に子どもが触れないようにする
  • 猫の身なりを清潔に保つ
  • 目を離さない

猫に対して禁止事項ばかり要求しては、愛猫に負担がかかってしまいます。愛猫が触れても良いものを必ず用意してあげましょう。紛らわしいものには、必ず印を付けましょう。赤ちゃん用のおもちゃの管理と同様に、猫用のグッズの管理も徹底することを忘れないでください。赤ちゃんと猫、双方が様々な物を口に入れてしまう特徴を持っていることを常に意識しましょう。

猫と触れあう際にはここに注意

また、赤ちゃんのお世話をする際は必ず手洗いをし、清潔な服装で行うことを習慣づけましょう。赤ちゃんのお世話の様子を猫が見守ることは問題ありません。そして、「優しいね」「いい子だね」と言葉でよく褒めてあげましょう。このとき最も注意すべきことは絶対に猫に触れないことです。本来であれば優しく撫でながら褒めてあげたいところですが、ここでは我慢しましょう。触れられない代わりの声かけと認識すると良いでしょう。

乳児にきょうだいがいる場合、理解力が発達した10歳に満たない子どもであれば、猫と乳児の触れ合いの監督はさせないようにお願いします。きょうだいに、お兄さんやお姉さん意識が芽生えると、監督役や面倒を見る役目を担いたいと申し出てくることがあります。そのときは全面否定はせずに、必ず目の届く場所に身を置くようにしましょう。

部屋を清潔に保つ

また、育児をしながら室内を清潔に保つことは大変です。それでも可能な範囲で掃除機をかけ、余裕があれば床の水拭きをしておくと安全に生活することができます。ただし、神経質になる必要はありません。近年、過剰に除菌をするが故のアレルギー疾患も増えている傾向にあります。最低限の掃除と、猫の排泄物に子どもが触れてしまわないことには意識を向け、その他は過敏になりすぎないことが大切です。

アレルギーは予防が大切

猫がいるご家庭では、赤ちゃんのアレルギー疾患への懸念があるでしょう。これは、猫の手入れを怠らないことで予防することが可能です。そもそも猫アレルギーの原因は、猫の唾液や抜け落ちた被毛、被毛に付着したフケなどが主なものになります。猫そのものは、毛繕いによって身なりを清潔に保って生活しています。しかし、毛繕いの過程では唾液が付着してしまいます。

また、セルフグルーミングのみではフケの除去までは完璧にこなすことができません。よって、赤ちゃんがいる場合は、猫の手入れを意識的に行うようにしてください。そして、その手入れは赤ちゃんから離れた場所で行い、終了後は清潔な服に着替えるようにしましょう。このひと手間で猫アレルギーから守ることができるのです。

赤ちゃんが猫と生活するメリット

赤ちゃんと猫

先の項目までは、リスクファクターやその予防法について紹介してきました。赤ちゃんと猫の同居には気を配らなければならないことも多く、一見すると大変なように思えるでしょう。慣れない育児をしながらの共存における現実は、楽しいことばかりではないのかもしれません。

しかし、猫がいるご家庭に赤ちゃんが誕生することは決してネガティブことだけではありません。衛生面や安全面が整った環境で共存することで、子どもの心の発達に良い影響を与えてくれるのです。ここからは、赤ちゃんが猫とともに暮らすメリットについていくつかご紹介いたします。

かけがえのない存在になる

猫と人間は種こそ違えど、お互いに良い関係を築くことができます。それは猫と暮らしていると自然と感じられることでしょう。これは赤ちゃんと猫においても同様のことがいえます。まるできょうだいのような関係を築いていけるのです。

多くの猫は、赤ちゃんを守るべき存在として認識します。泣いている赤ちゃんをあやしてくれたり、添い寝をしてくれるなど頼もしい存在になります。ひとりっ子である場合も猫と暮らすことで、良い遊び相手になるでしょう。また、猫語でお喋りをする子どもと猫の動画も存在するように、コミユニケーションをとる楽しさも身につくこともあります。また、物心が着いたときには猫との生活が当たり前だったという経験が、動物に対する興味や思いやりを育んでくれるでしょう。

赤ちゃんの頃は猫が守ってくれていて、その後は子どもが猫を守る存在へと変化していきます。互いに思いやるという大切なことを、猫からの学ぶことができるのです。猫は赤ちゃんにとって、きょうだいのようであり、人生で初めての親友のような関係を築いていくのです。

丈夫な子どもへと成長する

これまでの項目で、トキソプラズマ原虫による感染症や怪我による感染症のリスク、濃厚接触による危険性などについて紹介してきました。そして最も懸念されるアレルギーについても、日常生活の中で気をつけていれば予防できると紹介しました。

実をいうと最近の研究では、赤ちゃんの頃から猫や犬などの動物とともに暮らし、接触することで、むしろアレルギーになりにくいということが明らかになりつつあります。これは、幼い頃から危険性の少ない細菌との接触しておくことで免疫力がアップするということが背景にあります。

また、猫のアレルゲンについても微量であれば抵抗力が身につくことも期待されています。もちろん全てのお子様に当てはまるわけではありません。注意するにこしたことはありませんが、過度に心配することはないでしょう。

赤ちゃんがいる家庭で重宝するグッズ

加湿器と猫

赤ちゃんと猫が安全に共存するうえで、重宝するグッズをいくつかご紹介いたします。

  • 空気清浄機や加湿器
  • 粘着ローラー
  • ノンアルコール除菌シート
  • ペット用の除菌シート
  • 使い捨ての手袋やマスク

赤ちゃんが眠る寝室には空気清浄機を設置することをおすすめします。乾燥が気になる冬場には加湿器も役立つます。ただし、これらの清掃を怠ると逆に病原菌を振りまく危険装置になりかねません。特に加湿器の掃除は説明書をよく読んで正しく清掃するようにしてください。

粘着ローラーは、抜け落ちた被毛を速やかに除去することができるので便利です。掃除機のように大きな音も出ないため、赤ちゃんが眠っている最中にも躊躇うことなく使うことができます。赤ちゃんの身の周りのものを除菌する場合は、必ずノンアルコールであることを確認するようにしましょう。

猫のトイレ周辺は、ペット用の除菌シートで拭き取ると消臭効果もあり清潔に保つこともできます。また、妊娠中ほど注意する必要はないものの、授乳中は猫のトイレ掃除をする際に使い捨ての手袋を使用することをおすすめします。母体の健康維持のためにも、掃除をするときや、猫の手入れをするときはマスクを着用することもおすすめです。

これらの便利グッズを活用しながら衛生面の管理をしていきましょう。そして、猫の脱走に注意しながら日に一度は窓を開けて換気するようにしてください。

猫への配慮も大切!!

抱きつく猫

いわば先住猫という立場になる愛猫への配慮も、良好な関係を築くためには重要です。猫は環境の変化に敏感です。喜ばしい出来事であるはずのある赤ちゃんの誕生も、猫にとっては複雑な心境で迎えることになります。少しでも穏やかな気持ちで過ごし、赤ちゃんを受け入れられるようにサポートしてあげましょう。ここからは、新たな家族が誕生したときの猫の心境や接し方についてご紹介いたします。

愛猫と過ごす時間を大切にする

猫は元々単独で生活をしていた動物です。だから新たな家族が誕生したり、加わったとしても寂しさを感じることはないと思ったら大間違えです。今まで自分だけに注がれていた愛情がシフトしてしまったと誤解してしまうのです。

幼い頃から人間と暮らす猫にとっては、犬ほどの群れ社会を築くことはなくても心の繋がりは強く持っています。環境が変化しても、飼い主さんと時間をかけて築き上げてきた関係は決して変わらないと認識してもらえるように努めましょう。赤ちゃんが眠っている間や、ほんの僅かな隙間の時間だけで構いません。愛猫が求めることに応えてあげてください。

猫は環境の変化を苦手とする反面、適応能力が優れています。つまり今までと変わらぬ愛情を注ぎ続けることで、状況を理解して慣れてくれるのです。この愛猫と過ごす時間は、赤ちゃんの解決策と予防策の両面の役割を果たします。

猫が安心できる環境は変えない

新たな家族が誕生することで、家具の配置を変化させることや室内を模様替えを行うことがあるでしょう。その際に、可能な限り愛猫にとってのお気に入りの場所は変えずに残しておいてください。室内で暮らす猫にとってその場所は大切なテリトリーになります。テリトリーを奪わないことで、猫も安心することができます。

赤ちゃんが泣いてしまったら愛猫から離れる

猫はとても聴覚が優れています。よって、赤ちゃんの泣き声は猫の耳に負担をかけてしまうのです。まだ泣き声になれていない段階では、赤ちゃんが泣きだしたら抱っこして愛猫から遠ざかりましょう。猫のほうも徐々に泣き声に慣れていきます。過敏になりすぎる必要はありませんが、少しの間だけは気を配るようにしましょう。

猫も赤ちゃん返りをする

顎を撫でられる猫

赤ちゃん返りとは「ある程度色々なことができるようになった子どもが、まるで赤ちゃんに戻ったような振る舞いをすること」をいいます。これは、主に下にきょうだいが誕生したときに見られる現象です。ニュアンスとしてはネガティブな事柄を示すような印象を受けるでしょう。

しかし、成長する過程ではとても大切なステップになります。というのも、赤ちゃん返りを経験することで「たとえ今は何ができるという段階ではなくても誰かに必要とされ、認めてもらえる存在である」ということに子ども自身が気づくのです。だから、実年齢よりも下の年齢の子どものような振る舞いをしていても叱ったり否定することは好ましくありません。

少々心配になるかもしれませんが、そのときは少しだけ下の年齢の子どものように接してあげることが大切なのです。実は、赤ちゃん返りは人間だけではなく猫にも起こる現象です。猫の場合も、きっかけはご家庭に赤ちゃんが誕生したり、新たに子猫がやってきたときです。猫が赤ちゃん返りをすると次のような行動が見られます。

赤ちゃん返りの行動

  • 前足ふみふみをする
  • 鳴き方に変化が見られる
  • イタズラや粗相をする
  • 毛布に吸いつく
  • 新たな家族に対して攻撃的になるなど

これらの行動は、主に子猫が母猫に対してとる行動です。まさに赤ちゃん返りという表現がしっくりきます。

鳴き方の変化については、通常の「ニャー」よりも長く「ニャオー」や「ンニャー」など聞き慣れない鳴き声を出します。猫同士のコミュニケーションは主にボディランゲージを使用します。発情期における鳴き合いを除き、鳴き声を発するのは親子の猫が中心です。この鳴き声はまさに母猫を求めているときの声になります。つまり、普段母猫のように慕っている飼い主さんを強く求めているサインになるのです。

飼い主さんにとって最も困る行動は、我が子に対して攻撃的になってしまうことでしょう。これは、今まで自分だけに向けられていた愛情が別の対象へと移ってしまったと感じ、強い不安を抱えている状態です。そして、そのきっかけとなった相手を排除しようと考えてしまうのです。愛猫が突然赤ちゃん返りをしてしまったらどのように対応すれば良いのでしょうか?それは、先ほど紹介した子どもの例と同様です。

猫の赤ちゃん返りへの対処法

此方を見る猫

まずは寂しくて強い不安を抱えている事実を受け入れてあげましょう。我が子が攻撃対象になってしまうと、つい感情的になってしまうかもしれません。それでも強く叱ることは避けましょう。「今は少し忙しいけれど、あなたのことを忘れてしまったわけではないのよ」という気持ちを伝えることで、自ずと攻撃行動は見られなくなります。

赤ちゃんのお世話をしながらも、愛猫に対して積極的に声をかけ、おもちゃで遊ばせながら褒めてあげましょう。そして、赤ちゃんを優しく見守るようにお願いしましょう。「あなたが守ってくれると助かる」という気持ちを言葉にしながら伝え続けることで、その場の雰囲気を猫も察することができます。

時間はかかるかもしれませんが、猫にも重要な任務を任せてあげることで「頼られている」「必要とされている」という感覚を持ってくれるようになります。猫が赤ちゃん返りをしてしまっても悲観的に捉えずに、それほど飼い主さんのことを信頼し、心を許してくれているのだと受け止めるようにしましょう。

まとめ

べべ

一昔前までは、妊婦さんや赤ちゃんにとって猫は危険な存在と誤解されてきました。そしてその誤解は、残念ながら未だに解消されているわけではありません。全くリスクが伴わないとは断言できないものの、いくつかのポイントを押さえれば誰も傷つくことなく幸せな未来を歩き続けることができます。

猫と暮らしている方も、安心して新たな命を育んでください。猫には不思議な癒しパワーが備わっています。撫でることで幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが増えると言われており、その作用は妊婦さんを支えてくれるでしょう。そして、出産後も悩み迷いながら育児をする中で、愛猫の存在が力をくれると思います。

赤ちゃんと猫がともに豊かな心を育みながら、仲良く過ごしてくれることを願わずにはいられません。そして、そばで妊婦さんや出産後のお母さんを支えるご家族の皆様もあたたかく見守ってくださることを願います。出産後の母親は、一時的に育児に没頭し周囲が見えなくなってしまうことがあります。これは、自然な現象です。この時期は安心してお子様に寄り添えるようにサポートをしてあげてください。

育児のサポートが困難なであっても、愛猫のお世話を手伝ってくれるだけでも助かるはずです。お母さんと赤ちゃん、他にもお子様がいらっしゃる場合はそのお子様、そして愛猫も皆大切な家族です。一歩一歩、たくさんの経験を通して成長していくことは幸せであり、人間の神秘なのかもしれません。

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