猫はなぜ寝てばかりなの?5つの理由

猫はなぜ寝てばかりなの?5つの理由

猫はいつ起きているの?と疑問に思うほどよく寝ていませんか?あまりによく眠るので、病気ではないかと心配になる飼い主さんもいらっしゃるでしょう。今回は猫がよく寝ている理由についてご紹介いたします。

猫がたくさん眠る理由

眠る猫

猫は1日の3分の2は眠って過ごします。猫という名前も、よく寝る子の「寝子(ねこ)」が由来であるとされています。平均で成猫の場合は12~16時間、子猫の場合は20時間ほどは眠ります。では、なぜこれほど多くの時間を眠りに費やしているのでしょう。それには次のような理由があるのです。

1.肉食動物だから

肉を食べる猫

猫はれっきとした肉食動物です。飼い猫から生肉を頬張る姿は想像できないので、意外に思われるかもしれません。それでも猫は、他のネコ科動物同様に肉食動物に属します。肉食動物は捕食対象を狩り、その肉を食べることで腹を満たします。つまり狩りが失敗に終われば食事にはありつけないのです。よって睡眠に重きを置き、狩りに備えてエネルギーを蓄えているのです。

2.野生の名残りから

睨む猫

猫も様々な品種改良はされているものの、まだまだ野性味が強い動物です。家庭内で暮らす猫は、安全な環境と食事の提供が約束されているはずです。しかし野生の名残りから、いつでも狩りが可能なように、危険が迫れば戦闘モードに入れるようにと準備をしているのです。

先ほどの肉食動物であるという理由も、この野生の名残りが関係しています。これはいわば本能です。決して家庭に馴染めていないわけでも、飼い主さんを信頼していないというわけでもありません。

3.人間との生活スタイルの違い

狙いを定める猫

人間は基本的に昼に活動し、夜は眠るという生活スタイルが主流でしょう。猫はこの生活スタイルが、そもそも人間とは異なります。では、猫は一体どのような生活スタイルなのでしょうか。猫というと「夜行性」というイメージが強いと思います。しかし、これは厳密には違います。

猫は「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」というスタイルで生活しています。この薄明薄暮性は、早朝や夕暮れ時などの薄暗い時間帯に活発になることをいいます。夜間に活動的になる夜行性のと違いはここにあります。よって、猫は人間が活動する昼間には眠っていることが多いのです。

4.年齢によるもの

無防備に眠る子猫

冒頭でも紹介したように、猫の睡眠には年齢による違いがあります。まず、成長期である子猫は1日20時間程度眠ります。たくさん眠ることで成長が促されるため、とても大切なことなのです。そして成猫になると1日12~16時間程度に睡眠時間が減少し、高齢期になると再びよく眠るようになります。

初めて猫と暮らすと、その睡眠時間の多さに驚き心配になることがあるかもしれません。特に子猫の場合は病気を疑ってしまうこともあるでしょう。でも、よく食べてよく遊ぶようならさほど神経質にならなくても大丈夫です。

5.病気のサイン

眠る猫

猫がたくさん眠る理由の多くは心配のないものです。しかし、病気のサインである可能性はゼロではありません。病気による心配な眠りについては次の項で詳しく説明いたします。もしも普段とは明らかに様子が異なる場合や、眠っていると思いきや、ぐったりしている様子がうかがえる場合は病気を疑うようにしてください。

ただの眠りすぎじゃないかも!?病気のサイン

診察される猫

猫はとても忍耐強い動物です。これも野生の名残りのひとつで、猫は敵に弱い部分を見せないように隠す努力をするのです。何かしらの病気が隠れている場合も、なかなか気づきにくいものなのです。そこで次のような症状が見られたら、普通の眠りとは違うかもしれないと疑ってみましょう。

  • 元気がない
  • 食欲がない(ご飯の音にも反応が乏しい)
  • 遊ばない(特に子猫の場合)
  • 飼い主さんの呼びかけに対する反応が薄い
  • 明らかにぐったりとしている

これらは、ほんの些細な症状です。ですが愛猫が発する大切なサインです。

子猫の場合

特に子猫の場合はとても好奇心旺盛な時期なので、起きている時間帯は活発に過ごします。遊ぶことも大好きです。それが全く遊ぶことなく、食欲もない場合は少々不自然な行動であると認識してください。

成猫の場合

また成猫の場合も、たとえ眠っていても呼びかけや物音に反応が見られることが多いのに対して、反応が薄かったり見られない場合も気をつけてください。今まで食いしん坊で、ご飯の音を聞くと眠っていても飛んでくるような猫が、あまり反応しなくなることも不自然です。

そして食事もせず、トイレにも行かず、ほぼ眠って過ごす場合は要注意です。明らかにぐったりとしていて様子がおかしいと感じたら迷わず病院に行きましょう。

猫の睡眠事情

伸びながら眠る猫

猫は平均的な睡眠時間からみても、非常に多くの時間を眠りに割いています。人間の目線から見ると少し羨ましい気がしますよね。でも、実は我々が思うほど猫は眠っていないのです。というのも、猫の睡眠サイクルは大半がレム睡眠(浅い眠り)で、深い眠りであるノンレム睡眠は、12時間眠ったとしても2時間程度になります。

つまり猫の眠りは、人間でいうとウトウトした状態を繰り返しているようなものです。これも本能によるもので、常に警戒しているのです。とはいっても最近の猫たちは野生を忘れつつあります。ぐっすりと眠っていたり、急所であるはずのお腹を見せて眠るいわゆるヘソ天を披露してたりします。これは、心の底から飼い主さんを信頼している証です。

だからといって無闇にお腹を触ってはいけません。驚いて、警戒してしまうこともあります。完全に心を許して眠っているへそ天姿を目撃したら、そっと見守ってあげてください。

人間に近い生活を送る猫たち

人と読書する猫

猫と人とでは、生活スタイルが異なると紹介しました。もちろん概ねそのような生活を送り、本来ならそれほど接点はありません。でも、現代を生きる猫たちは賢く生きています。そう、人間の生活に沿った生活をするのです。完全室内飼育である猫にとって、人間とはすれ違いの多い生活は不利になります。

人間が起きている時間でなければ食事ができず、トイレも不清潔になってしまいます。だから自ずと人間に合わせているのです。人間が眠る夜間にはしっかりと眠り、人間が活動する時間に生きるうえで大切な食事や排泄、飼い主さんとの関わりを楽しむのです。猫は確かにマイペースですが、適応能力が高い一面も持ち合わせているのです。

ここで、ひとつ心配になりませんか?従来の薄明薄暮性の生活スタイルから、人間の生活に合わせることによる弊害について。これに至ってはさほど心配はいりません。猫は全て人間に合わせるのではなく、日中に眠ることでサイクルを調節しているのです。

まとめ

むぎ

猫の眠りには深い意味があり、睡眠時間が長い割には熟眠できていないという意外な事実がありました。すっかり野生を忘れてしまった猫もいるようですが、適度に野生を思い出すことは良い刺激になります。

たとえば猫にとって遊びとは、狩りの練習です。一緒に遊ぶ際は、猫が狩りをしている気分が味わえるような遊びをしてみてください。このように時々野性味のある生活をすることで、睡眠も適度に本能を引き出すことができ、より健康的な猫生を楽しむことができるでしょう。

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