猫がラップを食べた時の対処法
猫がラップを食べてしまった時には、基本的にはできるだけ早く動物病院に連れていくことが一番の対処法です。ラップを飲み込んでしまった時には、主に次のような方法でラップを取り出します。
猫の口からラップを取り出す
猫の口を開けて中をのぞいた時、ラップが見えるようであれば、ピンセットなどを使って取り出します。気をつけることは、猫の口内や喉などを傷つけないようにすることです。乱暴に引っ張ったりしないようにしましょう。猫をしっかりと固定してもらって慎重に行う必要があります。また、飲み込んだラップがちぎれて残らないようにしなければなりません。
大きなラップを飲み込んでしまった場合には、喉の壁にラップが張り付いてしまうこともありますので、ちぎれないように取るようにしなければなりません。
ラップが猫の体から自然に排出されるのを待つ
食べてしまったラップがごく少量である場合で、すでに飲み込んでしまい口を開けても見えない時には、自然にラップが便と共に排出されるのを待つという方法もあります。ただし、これはどのくらいの量のラップを飲み込んだかがわかっていることが重要になります。
ラップが体外に出されないまま放置していると体内に残ってしまったり、内臓にはりついたままになったりして命にかかわることもあります。
ラップを猫に吐かせる
猫が吐き気をもよおす催吐剤を与えて、食べてしまったものを吐かせると同時にラップも吐き出させます。催吐処置は危険を伴いますので、動物病院で行うべきことです。飼い主さんが勝手に与えることのないようにしましょう。
手術によって猫の体内のラップを取り出す
内視鏡を使う場合と、開腹手術が必要になる場合があります。手術によって直接、猫の体内からラップを取り出すことになります。大きな塊を飲み込んでしまって、ラップが猫の体外には自然に排出されず、他の方法でも取り出せずに、命に関わるような場合に、手術が必要になることもあります。
猫がラップを食べた時の症状は?
- 食欲不振
- 元気がない
- ぐったりしている
- 口をぱくぱくさせている
- 吐こうとするがでてこない
- 呼吸が苦しそう
猫がラップなど異物を飲み込んでしまった時には、上記のような症状がみられます。特に、呼吸が苦しそうであったり、ぐったりしていたり、口をぱくぱくさせている時には、命の危険がある可能性が高いので、すぐに動物病院で診てもらってください。
ラップを食べてしまったことが明らかであれば、猫がけろっとしているとか、元気があって問題なさそうだったとしても、動物病院に連れて行ってラップを食べたことを伝え、診察してもらうべきです。体外に排出されないラップが残っていると、消化管閉塞を起こしたり、腸に穴が開いたり、敗血症になったりすることもあり、命に関わります。
猫が早めに診察を受けて処置していれば助かる状況でも、放置していたことで命を落とすこともあるので、獣医さんにラップを食べたことを伝えて診察してもらいましょう。
猫がラップを食べる理由は?
なぜ猫はラップを食べてしまうのでしょうか?次の理由が考えられます。
習性
猫はかじったり舐めたりすることで、対象物を確認しようとします。ラップをにおったり、舐めたりしても特にメリットが感じられなければラップに興味を持つことがなく終わります。もし猫がラップを舐めたり噛んだりした時の感触に興味を持てば、その後もかじったり遊んだりするようになることがあります。ラップを見つけて、遊んだり噛んだりしているうちに、飲み込んでしまうこともあります。
猫の体に問題がある
猫が普段の餌でミネラルが欠乏していたり、寄生虫に感染していたり、または消化器に障害があったりすると、異物を食べてしまうことがあります。猫が本来は食べないものを食べてしまうことがあり、毛糸やカーペット、ビニールなどがあげられますが、ラップもその中の一つだと言えます。体調が良くないことのほかに、刺激が少なく退屈でストレスがたまっている場合にも、食べものではないものをかじってしまう場合があります。
猫がラップで遊ぶ癖がついたため
飼い主さんが猫と一緒にラップで遊んだことがある、または猫がラップで遊んだ経験があると、その後も猫がラップで遊んでしまうことがあります。また、ラップをたまたまかじった時に飼い主さんが怒ったり、ラップを取り上げたりすると、その事がきっかけになって猫がラップに執着してしまう可能性もあります。
猫がラップを食べないようにするには?
普段から、ラップは猫が触ることのできないように保管しておきましょう。台所にラップが出ている場合には、引き出しや蓋つきのケース内など、猫が出せないところに片付けるようにしておいてください。食卓の上にラップをした食べ物がある時にも、猫がいたずらをしているうちに、ラップを食べてしまうことがあります。ラップをしたおかずなどは冷蔵庫に入れて、猫がいたずらできないようにしましょう。
また、猫がラップを好んで食べてしまう場合には、毛玉を吐き出すために餌以外のものをかじりたがっている場合もあるので、猫草を置いてみるのも一つの対処法です。猫草を置いて、猫がそちらに興味を持ってくれたとしても、ラップは猫が触れないように気をつけてくださいね。
それから、猫と一緒に遊ぶ時間を増やすようにしましょう。猫が何かストレスを感じてラップをかじっている可能性もありますし、おもちゃのほうに興味を持ってくれることもあります。
まとめ
猫がラップを食べたことに気づいた場合、まず猫の口をあけて、ラップが見えて取れそうであれば、取り除きましょう。もし取り除けなさそうであれば、無理をしないで、動物病院へ猫を連れて行くようにしましょう。
猫がラップを食べた可能性がある場合、飼い主さん自身が対処できることは、口の中を見てみるか、便として出てくるのかを待つか、ということになります。食べてしまったラップが便と一緒に出てくるのを待っている間に、猫の体内に何か異常が起きる可能性もあります。異物を飲み込んでから、できる限り早い時間で病院に行くと、異物を発見できたり、体に負担をそれほどかけずに取り除けたりする場合が多いとされています。
猫がラップを食べてしまったら、できるだけ早めに動物病院に連れて行って、診てもらってくださいね。
ピンセットなどを口に入れると猫が驚きパニックになり暴れてしまうかもしれません。暴れた際に、歯などにピンセットが引っかかると非常に危険です。また、引っ張っても簡単に取れない場合は、絶対に無理に取らないようにしましょう。舌の根元にラップが巻き付いてしまっている場合も可能性としてあります。無理をすると舌が切れてしまうことがあります。少し引っ張って取れる場合はチャレンジしてもよいですが、口をかなり開けて喉近くから引っ張り出さなければとれない場合は家庭での応急処置の範囲を超えています。動物病院に連絡して早急に連れて行きましょう。