1.寝返りをさせる
猫が寝たきりになると、生活する色々な場面で人間の手でお世話をしてあげることが必要になります。
1.寝返りをさせる
猫が寝たきりになって同じ体勢でずっといると、床ずれを起こしてしまうことがあります。一般的に床ずれは、皮膚に圧迫が持続することでその部分の血流が悪くなり、皮膚の表面はもちろん、皮下組織や筋肉などに酸素や栄養が行きわたらなくなってしまい、壊死してしまう症状です。
普通の傷とは違い、寝たきりの猫では一度傷ができてしまうと治るまでに時間がかかります。また、猫の小さい体では命にかかわってくることもあるので、傷にならないための予防がとても大切です。
寝たきりの猫の床ずれを予防する方法は、「一定時間ごとに寝返りをさせてあげること」と、「床ずれになりにくいベッドやクッションに寝かせてあげること」です。
床ずれ防止のためには、2~3時間おきに下になって圧迫されている部分を上にして寝返りをさせてあげてください。もちろん、猫の様子を見て、もっと頻繁に体の位置を変えてあげても大丈夫です。寝たきりの猫も動けずにじっとしていることはとても辛いものです。
2.マッサージをしてあげる
寝たきりの猫を寝返りさせる時は、決して猫の手足だけを引っ張ることなく、体ごと持ち上げてゆっくりとしてあげてください。寝たきりの猫にマッサージをして、血行が良くなるように促すことも良いでしょう。マッサージは、猫の病状や体調に気をつけて行ってください。
3.居心地のいいベッドにする
また、寝たきりになった猫を寝かせる場合、普通の猫ベッドや毛布の上に寝かせると、床ずれになる可能性が高くなります。体の圧力を分散させるような、低反発のマットや、エアマットなどが床ずれ予防に良いとされています。人間が寝たきりになったときの介護でもエアマットを使っています。
寝たきりの猫が寝るベッドは、猫の好みや、体の安定度、猫の症状によってそれぞれ最適なものがありますので、獣医さんと相談して、猫が最も心地よく過ごせるようにしてあげてください。
4.食事の介助をする
猫が寝たきりになった場合でも、食事は上体を起こして真っ直ぐにしてあげて、与えてください。頭が起きていても、体がねじれたままでは食べにくいですし、喉にフードが詰まったり、気管の方に誤嚥してしまう可能性もあります。
寝たきりの猫が伏せた状態で上体を起こして、餌を食べさせてあげましょう。また、両脇を手やタオルで支えてあげるなどして、体勢をまっすぐ保てるようにしてあげる方法もあります。
5.ご飯の種類を変える
猫が寝たきりになっても自力でお皿や手から食べられる場合はそのまま与えてください。食べる力がない時には、ウェットフードを手にすくって猫の上顎につけるという方法や、リキッド状のフードを強制給餌するといった方法もありますが、必ず獣医さんの指導のもと行ってください。
寝たきりの猫が、食事も取れなくなると、体力はどんどん落ちていきます。猫が食べられる間は、少量でも食べさせてあげましょう。
6.トイレのお世話をする
寝たきりになるとトイレまで行くことが出来ないので、飼い主さんがお世話をしてあげる必要があります。猫用おむつをするという方法と、排泄のたびに、トイレの介助をしてあげるという方法があります。
寝たきりになった猫のトイレの介護は毎日のことで、1日に何回も必要なお世話です。猫の容体や症状によってどの方法が適切かは違いますので、獣医さんと相談して決めましょう。
もし猫が寝たきりでも排泄が自力で出来るようなら、トイレの介助をしてあげましょう。食事の時のように、トイレで体を支えてあげてください。トイレの気配は、飼い主さんが気づける場合もありますので、普段からよく観察しておいてあげると良いでしょう。
1日中、猫を見てあげることが難しい場合、おむつと自力排泄を併用する方法もありますが、出来る限り自力ですることを優先してあげましょう。飼い主さんが猫のお腹を圧迫して排泄させる方法もありますが、状態によっては危険なこともあるので獣医さんと相談し、正しく指導を受けてから行ってください。
7.おむつをつける場合
寝たきりになった猫におむつをする場合は、猫用のものをつけてあげます。
猫によっては嫌がる場合も多く考えられますので、寝たきりの猫に慣れさせるまでに時間がかかると思っておくほうが良いでしょう。猫の負担にならない程度で、さらに衛生的に問題ない範囲で、おむつはこまめに変えてあげましょう。
猫が寝たきりになった時に注意する事
猫が寝たきりになったら安全な環境で過ごせるようにする
猫が寝たきりになった時には、当然自分では動けないため、猫の安全に配慮してあげなくてはなりません。寝たきりの猫が普段から過ごしている場所には、まわりに倒れそうな家具など危険なものを置かないようにしましょう。
寝たきりの猫の容体が変わったときのためにも、寝たきりの猫の気配に気づけるように、出来るだけ猫のそばにいて見てあげられるようにしましょう。
猫が寝たきりになったら体や環境を清潔に保つ
寝たきりになってしまうと、猫は自分でグルーミングも出来なくなってしまいます。飼い主さんが、寝たきりの猫にブラッシングしてあげたり、排泄後に陰部を拭いてあげたりするなどして、猫の体を清潔にしてあげる必要があります。
猫が寝たきりでいるベッドやシーツなども汚れやすいので、定期的に交換してあげましょう。寝たきりの猫がいる環境を清潔にしておくことで、体の弱った猫が感染症にかかったり、さらに病状が悪化したりすることを防ぎましょう。
猫が寝たきりになったら不安にさせないように暮らす
寝たきりになった猫は、毎日の暮らしの中で不安を感じていることでしょう。飼い主さんが今までと変わらない愛情を注いで、声をかけ、撫でてあげることが大切だと言えます。
寝たきりの猫の体調が良ければ、やさしくマッサージしてあげることも良いでしょう。猫の最期が近いとされる場合でも、猫ができるだけ苦痛を感じず、飼い主さんの愛情を受けて生きていけるようにしてあげたいものです。
猫が寝たきりになった時のまとめ
病気や怪我、老衰などで、飼っている猫が寝たきりになることは少なくありません。
寝たきりの猫には、食事やトイレの介助など、時間や手間がかかるようなことが増えて、飼い主さんの生活も今までと同じとはいかないかも知れません。
介護が必要になっても、今までと同じ大切な猫であることには変わりがないものです。
寝たきりになってしまった後の治療については、猫にとって何が良いのか、獣医さんから情報をもらえても、最終的に判断するのは飼い主さんしかいません。
獣医さんや家族と連絡を取り合い、アドバイスをもらって、飼い主さんひとりで寝たきりの猫を抱え込むことのないようにしましょう。
飼い主さんは、飼い猫との暮らしを後悔のないように、寝たきりの猫と少しでも快適に幸せに過ごしていけるようにしてください。
40代 女性 しおり
実家の猫ちゃんの介護のときに重宝したのが、関節のこわばりを予防するクッションでした。
中には特殊チップが入っていて、どんな体勢にも対応します。
頭を高くしたら呼吸が楽になったりとか、工夫して少しでも楽に過ごせるようにしました。
そのクッションは大切においていて、代々高齢猫の介護に活用しています。