猫のエリザベスカラーは苦しくない?その必要性と嫌がるときの対処法

猫のエリザベスカラーは苦しくない?その必要性と嫌がるときの対処法

エリザベスカラーは痛々しく、本当に愛猫のためになるのかと葛藤することがあるでしょう。そこで今回は、カラーにまつわる素朴な疑問とその必要性、ちょっとした生活の工夫についてご紹介いたします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

エリザベスカラーの素朴な疑問

カラーを巻く猫

エリザベスカラーは、手術後や負傷時に傷を保護する目的で装着します。なるべく外さないようにと言われますが、実際には嫌がる猫も多く、本当に必要なのかとさえ思ってしまうものです。

そこで、エリザベスカラーに対する素朴な疑問にお答えしながら、その必要性について考えてみたいと思います。

苦しくないの?

不服そうな猫

窮屈そうに見えますが、サイズが適切であれば苦しくはありません。首輪と同様に、人間の指が1~2本入る余裕があれば大丈夫です。

どんなカラーを選べばいい?

カラーに慣れた猫

一口にエリザベスカラーといっても、種類が豊富で何を選べば良いか悩むところでしょう。獣医さんが勧めるものがやはり安全でしょう。

飼い主さんが購入する際は次のようなポイントを参考にしてみてください。

  • 視野が確保できるもの
  • 軽くて動きやすい
  • 首の部分が柔らかいもの

フラフラしてしまうのはなぜ?

歩く猫

安定した歩行には「ヒゲ」の能力が欠かせません。ヒゲには平衡感覚を保つ、危険を察知する、空気の流れを読むなどの重要な役割があります。

カラーを巻くことでヒゲが遮られ、一時的に歩行が不安定になります。ただし、徐々に慣れてくるので焦らずに見守りましょう。

カラーが重かったり、サイズが大きい場合も ふらふらすることがありますのでサイズ選びは重要です。

日常生活への支障は?

怪訝そうな猫

ヒゲを遮断された状態も不便なことですが、他にも支障は出てきます。ご飯を食べる、水を飲む、トイレに行くなどあらゆる場面で不便を感じます。

また、高い場所へ登ることも困難になります。本人は登れると思い込んでしまうため、しばらくの間は高い場所に飛び乗らないようにしなければなりません。

それでも必要な理由とは?

落ち込む猫

カラーを必要とする一番の理由は治療したい場所を舐めたり、咬んだりしてさらに傷つけ新たな治療が必要になったり、治療期間が延びてしまうことを予防することです。猫は怪我をすると本能的に舐めてしまいます。舐めることで傷を癒そうとするのです。

しかし、それが逆効果となり悪化や化膿の原因になってしまいます。よって、多少の不便があってもカラーを使用することが安全なのです。

嫌がるときの対処法と工夫

眠る猫

生活の些細な部分を補助してあげることで、カラーを使用しながらでも通常に近い生活を送ることができます。それでもカラーが難しいという場合には他にも手段があるのでご紹介いたします。

カラー生活で大切な配慮とは?

食事する猫

カラーを使用している間は、なるべく家具の少ない広いスペースで過ごすと障害物に衝突することが回避できます。

そして、食事に使用する皿は高さのあるものや、台を活用すると食べやすく、水も飲みやすくなります。トイレはカバーがあれば外し、できるだけ広く使えるように工夫しましょう。

さらに飼い主さんによる体のケアも重要です。毛繕いができないので、こまめにブラッシングをしたり、人肌程度の蒸しタオルで拭き取ってあげてください。

術後着の着用も視野に入れる

術後着を着る猫

どうしてもカラーが難しい場合は、傷口が隠れるなら術後着や皮膚保護服も検討してみてください。ヒゲの自由が利くので、日常生活への支障は軽減されます。

その反面、傷口が隠れない場合は服を着ても意味がないですし、傷口が隠れても知らぬ間に服の上から舐めてしまうというリスクがあります。

まとめ

本を読む猫

エリザベスカラーは不便なものですが、傷口の保護という観点からやはり大切なアイテムです。過ごしやすくなる工夫をしてサポートしてあげてください。

傷が少し落ち着いてきたら、飼い主さんが見守れる範囲内で一時的に外してあげても大丈夫です。そうすることでストレスを軽減することができます。外したカラーは水洗いをして清潔にしましょう。

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