猫のうんちの回数
一般的に、健康な成猫が1日にうんちをする回数の目安は1回程度です。もちろん個体差があり、回数や1回に出る便の量も猫によって様々です。平均して1日に1回のうんちをする猫が最も多く、2日に1回の猫も比較的多い傾向にあります。多いケースでは1日に2回排便する猫もいます。
うんちはその猫の健康をあらわすバロメーターの1つになるため、猫がうんちをする回数をしっかりとチェックすることが大切です。うんちの状態に問題がなく、1日2~3回程度なら特に心配することはないでしょう。
猫のうんちの回数が少ない原因と対処法
猫のうんちの回数が少ない原因は便秘だけとは限りません。食欲不振が続き、猫が食事を取っていなければ便ができない状態のため、排便もなくなります。排便のポーズをとっているのに、便が出せないようであれば、便秘の可能性が高いと言えるでしょう。
特に便秘に注意すべき猫は、肥満の猫や老猫、病気で体力が落ちているような猫などが挙げられます。
猫に便秘の症状がみられる場合には、消化器サポート機能のあるフードに変更するなど、食生活を見直す、部屋の様々な場所に水を置いて水分補給を積極的に行わせる、トイレの数を増やすなどの対処法とともに、便の色がいつもと違う場合には病気の可能性を疑い病院で診察を受けることをおすすめします。
猫のうんちの回数が多い原因と対処法
猫のうんちの回数が増えるのは、食事や病気などにより、大腸で便が緩くなっていることが原因として多く挙げられます。食事の変化で軟便や下痢が起こったときは、アレルギーによる消化不良を疑いましょう。
また下痢に留まらず、嘔吐や皮膚のかゆみなどが出てきた場合には、その食事を与えてはいけません。その他にも、環境の変化に伴うストレスや抗生物質の副作用でも下痢をします。
寄生虫感染やウイルスによる場合もあるので、うんちの回数が多くなったら早めに動物病院を受診するようにしましょう。
うんちの状態からわかる健康チェック
猫のうんちの状態や回数は、食べているものや腸内環境により個体差があります。まずは全ての猫が一律に同じうんちの状態ではないということを覚えておきましょう。しかし、正常なうんちの状態には、ある程度の共通している点があるため、以下にいくつかまとめました。
- 1日に1〜2回程度の排便がある
- 人間(大人)の人差し指くらいの長さ
- 水分を含んでいて、つやがある
- すくっても崩れない程度の硬さ
- コロッとしている
- 猫砂があまり付着しない
- 色は濃い目の黄土色(食べているフードにより変化する)
- 異物が混ざっていない
- 臭いがしても異臭ではない
猫がうんちをしたら片付ける前に「色」「硬さ」「臭い」「異物の有無」などを観察し、健康チェックに役立てましょう。あくまでも一般的な猫の、正常なうんちの回数や状態ですので、飼い猫が健康なうんちをしている状態を、普段から把握しておくことが大切です。
また猫は体調が悪いことを隠そうとする生き物だと言われています。大切な猫の体調不良にいち早く気づけるよう、健康ではないときの猫のうんちの状態についても知っておきましょう。
色が違う
猫のうんちの色は、消化のときに分泌される胆汁に含まれる「ビリルビン」という物質の濃度によって変化します。消化不良を起こしたときは「緑がかった黄色」、何らかの原因で脂肪が十分に分解されていないときは「灰色っぽい黄色」、動物性たんぱく質を取りすぎると「濃褐色」になります。
胃や小腸、大腸などの消化器系で出血が起きているような場合には、うんちに血が混じっていたり全体的に黒っぽいタール状のうんちが出たりします。猫に血便が認められたときには早急に病院を受診し、症状が悪化して貧血を併発しないよう気をつけましょう。
臭いが強い
猫のうんちの臭いも、健康状態がわかるバロメーターとなります。いつもより臭いが強いと感じる場合には、栄養バランスが崩れている可能性を考えるとよいかもしれません。
脂分の多いフードや動物性たんぱく質、人間の食べ物などを与えていないか、穀物を食べすぎて消化不良を起こしていないかなど、臭いが強くなる原因を探してみましょう。
やわらかい
猫のうんちが普段よりもやわらかく、トイレ用のスコップなどですくうと形が崩れてしまうことがあります。やわらかいうんちは猫砂もつきやすく、放置すると下痢の症状が出るようになってしまうことが多いので早めに対策をとる必要があります。
考えられる原因としては、腸の中に細菌やウイルスが増えている、感染症や中毒を起こしているなどが挙げられます。またフードの内容や与え方が悪かったり、環境などでストレスを感じていたりすることが関係しているとも言われています。
硬い
猫のうんちがコロコロとして乾いたような状態だったり、2~3日以上出ていなかったりするときには便秘を疑いましょう。猫が便秘になると「トイレに行く回数が増える」「トイレ周辺をうろうろする」「お腹が張る」など、うんちを出そうとしても出すことができず苦しそうな様子をみせます。
特に高齢の猫や病気で体力が落ちている猫は足腰が弱くなっているため、排便時に踏ん張ることができず便秘になりやすい傾向があります。お腹をさわると嫌がるようであれば、腸閉塞などの病気を引き起こしている可能性もあるのですぐに病院を受診しましょう。
猫のうんちの回数を確認しやすいトイレ
猫のうんちはトイレを見ればすぐに分かるので、おしっこに比べて回数をチェックすることは簡単です。一目で確認ができるよう回数をチェックしやすいトイレや猫砂を活用するとよいでしょう。
猫用トイレ
おすすめの猫用トイレは「花王 ニャンとも清潔トイレセット」です。排泄物で猫砂が汚れてきたときに気づきやすく、おしっことうんちの回数も把握しやすいのが特徴です。脱臭抗菌のチップとシートを使っているので、1週間取替えなしでも臭いづらくなっています。
また「リッチェル コロル ネコトイレ」は猫が出入りしやすいオープンタイプの深型トイレで、水洗いするだけでお手入れが済むところがおすすめです。
花王 ニャンとも清潔トイレセット
リッチェル コロル ネコトイレ
猫用トイレ砂
猫砂のおすすめは、鉱物製の「ニオイをとる砂」や、主原料におからを使用しお茶特有の抗菌作用でトイレを清潔に保つ「アイリスオーヤマ お茶の猫砂」です。同じトイレ砂でも固まるタイプを猫用トイレに敷いておくことで、おしっこやうんちの量を砂の塊の数や大きさで回数を記録することができます。
ニオイをとる砂
アイリスオーヤマ お茶の猫砂
まとめ
普段から飼い猫のうんちの状態や回数をチェックしていると、少しの変化にもすぐに気づけるようになります。うんちの回数や色、硬さや臭いなどが正常ではないと感じたら、原因に合わせて早めの対策を取ったり、動物病院を受診したりすることが大切です。
日頃から腸の動きを活発にする運動やマッサージ、水分を多く取らせる工夫をし、猫が便秘にならない環境づくりができるとよいですね。