猫のトイレの平均回数
猫がおしっこする回数の平均
猫がおしっこをする平均回数は、生後4カ月くらいまでの子猫は3~4回、成猫は1日2~3回です。
トイレに行く頻度や尿の量には個体差があり、飲む水の量や食事に含まれる水分、食事の質による消化率などでも異なります。また、成長期の場合はトイレの間隔が長くなる傾向があり、冬は夏に比べて水分の摂取量が減るので色が多少濃くなるとも言われています。
猫がうんちする回数の平均
うんちの回数は1日1回程度が平均とされています。おしっこと同様個体差があるので、1日おきであっても定期的に排便があり元気であれば、しばらく様子を見てもよいかもしれません。
ただしトイレに何度も行くのに数日間うんちが出ない、猫が排便時に苦しそうにしているなどの様子が見られたら診察を受けた方がよいでしょう。
猫のトイレの回数が少ないときに注意すること
猫がおしっこする回数が少ないとき
猫のおしっこの回数や量が極端に減ったり、トイレでおしっこをしなくなったりしたら、「泌尿器症候群(下部尿路疾患)」である可能性が高いです。「泌尿器症候群」は膀胱炎、尿道炎、尿石症などの総称で、特に尿石症で排尿困難になっている場合、 発見が遅れると「腎不全」や「尿毒症」に発展し命の危険があります。
オスは尿道が細いため結石が詰まりやすく、重症化しやすいと言われています。また、飲水量が少ないとおしっこが減り泌尿器症候群にかかりやすいとされているので、水分を摂らなくなりがちな寒い時期や、動きが鈍く水を飲む回数が少ない太った猫はより注意が必要です。
1日に1度もおしっこが出ない、血尿が出る、などの症状が見られたら、早急に動物病院を受診しましょう。
猫がうんちする回数が少ないとき
一般的に、3日間うんちが出なければ便秘であるとされています。便秘の原因には飲水量の不足、肛門周囲や直腸の腫瘍、脊椎の損傷、脱水を引き起こす疾患などがあるので、うんちの回数が減った場合は注意が必要です。数日間排便されない場合は「巨大結腸症」の疑いがあります。
これは結腸が肥大し宿便がたまっていく病気で、内科的治療で済む場合もあれば外科的手術で開腹しなければならないこともある怖いものです。猫が頻繁にトイレでいきんでいるのに何も出ない、肛門周辺に粘液物が出る、ゼリー状の下痢便が出る、お腹が大きく膨らんでいるなどの様子が見られたら診察を受けてください。
診察の結果、飲水量が不足しているだけの場合は、猫がいつでも水が飲めるように環境を整える、餌のドライフードをウェットフードに替えるなどの工夫で改善ができます。
猫のトイレの回数が多いときに注意すること
猫がおしっこする回数が多いとき
猫がトイレでおしっこをする回数が増えたら、「糖尿病」や「慢性腎不全」などの病気を患っている恐れがあります。これらの病気にかかると、内臓機能の低下によって体が水分を吸収できなくなり、おしっことして排出される量が多くなるために飲水量も増えます。
機能が低下した内臓を元に戻すことは難しく、悪化すると死につながる病気もあるので気をつけなければなりません。猫がたくさん水を飲んでいると、飼い主が「元気な証拠」と勘違いしてしまうこともあります。
しかしおしっこの頻度が高い、多量で色が薄い、食欲旺盛なのに体重が減少しているなどの症状はこれらの病気の可能性が高いので注意しましょう。
猫がうんちする回数が多いとき
うんちの回数が増える理由には、フードの変更、病気などが考えられます。肥満猫用のダイエットフードは繊維質が多く含まれているため、便の回数や量が増えることもあるでしょう。頻度が高くなっただけでなく軟便や下痢が続くようであれば、アレルギーによる消化不良や病気の可能性があります。
特に「猫伝染性腹膜炎」や「甲状腺機能亢進症」は、ウイルスやホルモン異常によって慢性的な下痢が続き、命を脅かす危険な病気です。猫がトイレでうんちをする回数が増えたら、まずは動物病院を受診して獣医の指示を仰ぎましょう。
老猫だとトイレの回数が変わる?
老猫になると、トイレの回数が変わることが多いようです。年齢を重ねると体の機能が衰え、トイレに行く回数が増える、トイレにいる時間が長くなる、粗相をするなどの様子の変化が見られます。
高齢の猫は腎臓機能の低下によって「腎不全」になりやすく、「糖尿病」や「甲状腺機能亢進症」などの病気にかかりやすいとされています。これらの状態や病気になるとおしっこの回数が増え、食欲があるにも関わらず痩せていきます。
また、食欲の低下によっておしっこの頻度が減ったり便秘になったりすることもあります。病気が進行して深刻な事態にならないよう、こまめにトイレの頻度を確認するようにしましょう。
猫のトイレの回数をチェックするには
猫のトイレの回数をチェックするには、こまめにトイレ掃除をすることが大切です。「回数」だけでなく、「量」や「色」、「臭い」や「うんちの硬さ」、「異物の有無」を普段から把握するようにしましょう。トイレは砂の塊の数や大きさでおしっこやうんちの回数を確認できる、固まるタイプの猫砂がおすすめです。
その他に、多頭飼いをしている方や外出が多い飼い主の方向けに、猫の顔を自動認証して猫のおしっこの回数や、量、タイミングなどをアプリで知らせてくれるトイレもあります。
子猫の場合はトイレ以外の場所でおしっこやうんちをしてしまうことがあるので、早めにトイレのしつけを始めるようにしてください。老猫が体を動かすのを辛そうにしている場合は、トイレを寝床に近い場所に置くなど、ペット用のオムツを利用するのもよいでしょう。
まとめ
猫のトイレの回数には個体差がありますが、少なすぎたり多すぎたりする場合は病気の可能性が高く危険です。おしっこやうんちの量が変わったり猫の様子に不安に感じたりしたときは、早めに動物病院を受診して獣医からアドバイスをもらいましょう。
日頃からトイレの頻度や量、状態を確認することで、愛猫の健康管理に努められるとよいですね。