術後の猫にするべき配慮と対応5つ

術後の猫にするべき配慮と対応5つ

術後の愛猫は元気がなく、痛々しい様子で心配になるでしょう。そんなときどのような配慮が必要なのでしょうか?今回は猫の術後のケアについてご紹介いたします。

SupervisorImage

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の術後の過ごし方

問診を受ける猫

家猫にとって外科手術は、案外身近なものです。避妊・去勢手術は難しい手術ではありませんが、飼い主さんとしては心配になるでしょう。

手術自体もそうですが、帰宅後の痛々しい姿を見ると不安になると思います。そこで今回は、術後の愛猫が落ち着いて安静に過ごせるサポート方法を5つご紹介いたします。

1.隠れてしまってもそっと見守って

隠れる猫

帰宅後すぐには活発に動くことができません。愛猫本人もまだ積極的に動くことがないので、暴れ出すのではという心配はさほどないでしょう。

逆に、狭い場所に隠れて出てこなくなってしまうことがあります。これは野生の本能による行動なので問題はありません。じっと身を潜めて回復を待っているのです。

愛猫が潜伏している場所が清潔であれば、そっと見守ってあげてください。時々声をかけてあげると安心して休めるでしょう。

2.無理に食事をさせなくても大丈夫

食事を待つ猫

内視鏡を用いた手術の場合、当日の夕方には帰宅できるケースも増えてきています。当日は麻酔の影響もあり、食事は翌日からということが多いでしょう。(主治医の先生の指示に従ってください)

水を飲み始めるタイミングも主治医の先生の許可を得てからですが、最初は少しずつ舐めるところから開始します。

水は、むせたり吐いてしまうことがなければ少しずつ飲めるようになります。ところが、食事はスムーズに食べてくれるとは限りません。術後しばらくの間は食欲がなく、気がかりになるでしょう。

傷の痛みによる影響や、精神的なダメージから思うように食べられなくなってしまうことがあるのです。水分が取れているのであれば、無理をせず待ってあげましょう。ペースト状のおやつを混ぜてあげると少しずつ食べてくれる場合もあります。

3.傷の保護方法は愛猫の好みに合わせる

術後着を着る猫

最近では抜糸を必要としないこともありますが、一定期間傷を保護しなければなりません。その際に、定番のエリザベスカラーか術後着か悩むところでしょう。

ここで大切なことは、愛猫が嫌がらずに自然な生活を送れることです。猫は煩わしいと感じると大きく抵抗し、結果的に傷を舐めてしまうことに繋がりかねません。

カラーも術後着も種類は豊富です。体の大きさや、生活スタイルに合わせて選んでみてください。

4.高い場所に登らないように注意する

座る猫

術後は傷への負担の軽減や、状況把握がしやすくなるように高所への移動を制限することをおすすめします。

さらに、手術を受けるにあたり爪を短くカットしているため、通常の感覚とは異なりよじ登る動作が困難になっています。

最もすぐには活動的になれないので、それほど心配は無いのですが、術後3日くらいを目安に気にかけてあげてください。

5.騒がしくしない

眠る猫

猫はデリケートな動物なので、手術による精神的なダメージはそれなりに大きいのが現状です。身体的なダメージは、傷が癒える過程で回復していきます。しかし、精神面の回復には個体差があり、時間がかかることもあります。

とはいえ、時間をかけながらゆっくりと回復していきます。

術後しばらくは人を招かず、多頭飼育の場合は可能であれば部屋を分けるようにしましょう。静かに過ごせるように、あまり大きな音を立てないように気をつけてください。

術後の体調不良

眠る猫

術後には次のような体調不良が見られます。大半は一時的なものですが、持続するようであれば手術を受けた病院に相談してください。

震え

麻酔後は体温が下がることがあり寒さから震えることがあります。また、手術の範囲にもよりますが痛みからブルブルと小刻みに震えることがあります。1日程度で落ち着くので、様子を見てください。

食欲不振

術後2日程度は食欲がないことが多いでしょう。個体差はあるものの徐々に食べられるようになります。

怯えるようになった

これは精神的なダメージによるもので、少し時間がかかることがあります。そばにいてあげる時間を作って、優しく声をかけてあげてください。抱っこを求めてきたら抱きしめてあげましょう。

まとめ

リラックスする猫

術後は心配事が多いかもしれませんが、少しずつ確実に回復していきます。飼い主さんの優しい声かけや、そっと寄り添うことが安心感に繋がるでしょう。

万が一、明らかに様子がおかしいと感じたら、遠慮せずに動物病院に相談するようにしてください。

スポンサーリンク