猫にバリカンは必要?
犬にバリカンを使ってトリミングをするというは一般的なことになっていますが、猫にバリカンが必要なのでしょうか。長毛の猫を飼っている人には、バリカンはあると便利だと言えるでしょう。トリマーさんや慣れた人なら、猫の毛をカットするのにハサミを使うこともありますが、一般的な飼い主にとっては、バリカンの方が使いやすい場合もあります。
猫にバリカンを使うのは次のような時です。
おしりの毛のカット
猫のおしりの毛をカットしておくと、排泄した後に、おしりの周りの被毛が汚れるのを防ぐことができます。特に長毛の猫の場合、排泄するたびに便がおしりの毛につくと、衛生的にもよくありませんし、毛玉ができる原因にもなります。
また、汚れるたびに洗っていると飼い主さんの手間が多いですし、猫にもストレスになります。
おしりの毛をカットする時にバリカンを使えば、ハサミよりも安全で、きれいにカットすることができます。
足の裏のカット
猫の足の裏、指の間には毛が生えており、この毛が伸びると、フローリングなどで滑ってしまう原因となります。また、長く伸びてくるとそれだけで歩きにくく、爪や指に引っかかるなどして猫の動きを妨げたり、足を痛めたりすることにもなりかねません。さらに足の裏も汚れやすくなります。
長毛の猫は足の裏の毛が長く伸びやすいので、定期的にカットしてあげた方が良いでしょう。ハサミよりもバリカンでカットした方が、肉球を傷つける可能性が低いと言えます。
毛玉を切る時
長毛の猫は、お腹などの柔らかい被毛や、足の付け根などの被毛がからまり、毛玉になりやすくなっています。毛玉ができるとその部分の皮膚が引っ張られて痛いので、毛玉を取り除いてあげる必要があります。
ゆるい毛玉はブラシでほぐせますが、絡まって固くなった毛玉は、カットするしかない場合も多いでしょう。その際にバリカンを使うと、猫の肌を傷つけずにカットできますし、広範囲をカットすることができます。
また、バリカンを使うことで、毛玉ができるほどの長さに毛が伸びる前に、長さを揃えて、短くしておくこともできます。
トリミングする時
長毛の猫の場合、飼い主さんの希望で猫の被毛をカットする時にも、バリカンを使った方が安全に早くできるでしょう。ただし、サマーカットやライオンカットなど、肌が見えるようなカットや、猫の全身の毛をカットするようなことは、猫にとって良いことではありません。
まず、毛をなくして猫の肌を露出させることは、かえって体温調節をしにくくし、体調を崩すことにつながります。また、体の表面が被毛で守られないので、直射日光で肌や皮膚を痛める原因にもなります。さらには、短く刈られた後に、被毛がきれいに生えなくなったという場合もあるようです。
そして、トリミングの素人である飼い主さんが猫の全身の毛をカットすることは、安全面でも不安ですし、猫にとってストレスになると考えられます。
飼い主さんがバリカンで行うトリミングでは、気になる部分の被毛の長さを整えるだけにする、といった使い方をすることをおすすめします。
猫用バリカンの選び方
ペット専用バリカンを選ぶ
バリカンを猫に使う時には、ペット専用のものを使った方が良いでしょう。理由は、猫の毛は人間の毛髪よりも柔らかく細いので、専用のバリカンの方がうまくカットできるからです。
静音設計のバリカンを選ぶ
猫が驚いたり怖がったりしないように、音が小さめの静音設計のものを選ぶと良いでしょう。大きな音がするだけでも猫にとってストレスになり、バリカンを嫌がることもあるので、静かなものを選んでください。
バリカンの刃幅と刃ミリを選ぶ
バリカンの初心者は、刃幅があまり広くないものを選ぶと良いでしょう。おすすめは、3cmほどの幅のものです。慣れてきたら、4cmから5cmほどの幅があるバリカンを使っても良いでしょう。
さらに、初心者で慣れていない人は、バリカンの刃ミリ数が1mmから2mm程度のものから使うと良いでしょう。1mm、2mmというのは、刃が出ている長さのことで、カットできる長さのことです。仕上がりの長さではないですよ。
刃が長く出ていれば出ているほど、扱うのが難しく、危険になります。
充電式のバリカンを選ぶ
コードがついているものは、思うところに届かなかったり動かしにくかったりするので、充電式のコードレスバリカンを選ぶと良いでしょう。コードレスバリカンは、扱いやすいだけでなく、取り出しやすいという利点もあります。
コード式のものは、コンセントにさして、猫を近くに連れてきてから…と準備いるうちに猫が嫌がって逃げてしまうこともあります。
猫がリラックスしている時に、すでに充電済みのバリカンをすぐ取り出してサッとカットできれば、飼い主さんも猫もストレスがたまりません。
アタッチメントが多いバリカンを選ぶ
長毛種で、部分的に長さを変えてカットしたい、という時には、アタッチメントが豊富なバリカンを選びましょう。
アタッチメントをつけると、決まった長さに揃えてカットすることができます。例えば4種類のアタッチメントであれば、3mm、6mm、9mm、12mmという刻みで販売されていることが多いです。
アタッチメントの数字は、カットした被毛がその長さになるというものなので、刃ミリ数と間違えないようにしてくださいね。
猫にバリカンを使う方法
1. バリカンの準備をしておく
まずバリカンをすぐに使えるように準備してから、猫を連れてきます。猫を抱っこしながら準備していると、猫が怖がったり嫌がったりして、結局カットできないということにもつながります。できるだけ猫に負担を感じさせないようにしましょう。
2. 猫がリラックスしている時に行う
猫がうとうとしていたり、くつろいだりしている時に、バリカンを使いましょう。抱っこして撫でている時にリラックスしていれば、その時でも良いでしょう。いかに猫に嫌がられず、ストレスを与えずにするかということが、バリカンをうまく使うコツです。
3. バリカンでカットする部分を決めておく
バリカンを使う時間をできるだけ短くするためにも、今日は足の裏をカットする、お腹の毛玉を取る、など、目標を決めてからカットしましょう。普段、猫を触っている時に、足の付け根やお腹などをチェックしておくと良いでしょう。バリカンを使う前にブラッシングして、カットするべき毛玉をチェックしておくのもいいですね。
4. 毛の流れに沿って使う
皮膚を傷つけないようにしながら、被毛の流れに沿ってバリカンを使います。足の付け根やおしり周りは大きく刈れないので、少しずつバリカンを動かしてカットします。足の裏の被毛は、肉球からはみ出している部分だけをカットします。
5. 猫が嫌がったらやめる
バリカンを使っている時、猫が嫌がり暴れたり逃げたりした時には、無理にカットしないようにしましょう。猫を傷つけないためと、今後もバリカンを使うためにも、猫を怖がらせないことが大切です。
6. 使い終わったら掃除をする
バリカンを使ったら、水洗いできるものは洗い、ハケなどで掃除をするものは掃除をして、必要ならば油をさして、お手入れしておきましょう。次に使う時にスムーズに使えるようにするため、猫の皮膚を傷つけないようにするため、バリカンを長く使うためにも、毎回のメンテナンスが大切です。
充電式のものは充電をして、次にカットする時にすぐ使えるように準備しておきましょう。
猫用バリカンおすすめ7選
1. VOOPH ペット用 バリカン
低騒音で低振動、高精度で刈り高さ調整可能な充電式のペット用バリカンセットです。
刃の部分はステンレスとセラミック製で切れ味が優れています。
使用時のノイズは30デシベルで、振動も少なく、猫があまり怖がりません。刃幅は4.5cmで広めで、ノルウェージャンフォレストキャットなど大型の長毛猫にもおすすめです。充電時間3時間で、120分使用できます。
2. PETCUTE ペット電動バリカン
刃の性能が良く、毛玉も楽にカットできると評判のパワフルなバリカンです。毛量が多い猫でも毛が絡まったりせず、安全に使えるため、バリカンの初心者にもおすすめです。替え刃もついているので、切れ味を長持ちさせられます。
3. BestTrendy ペットバリカン
女性でも持ちやすいコンパクトな大きさのバリカンです。使用時の音も小さく、猫を怖がらせません。コードありでもコードレスでも使えます。カット終了後も水洗いの必要がなく、付属のブラシで簡単に掃除ができます。
4. EVELTEK ペット用 バリカン
バリカン本体の刃の切り替えが5段階で可能、アタッチメントも4個つきで細かい長さの調整が可能なペット用バリカンです。
静音で低振動な設計なので、猫を怖がらせずにカットすることができます。
5. Mifine プロ用 ペットバリカン
充電式・コンセント式のどちらでも使えるペット用のバリカンです。1回の充電で70分間使用できます。普通サイズ・小さいサイズのカット刃がついていますので、全身と部分とに使い分けてカットすることができます。
6. ドギーマン ホームバーバー
刃も本体も丸洗いできるので、お手入れが簡単なバリカンです。静音設計モーターを使用した、トリミングが初めての人にもおすすめの充電式バリカンです。刃こぼれしにくいステンレスを使用しています。
7. Esher ペット用バリカン クリッパー
商品情報
チタン合金の上にセラミックの二重構造で、切れ味が長切れ且つ安全!
刃先部分は皮膚を傷つけない形状になっているだけでなく、使用時のノイズが50デシベルの静音設計。猫が怯えにくくなっています。コード有りでもコードレスでも使えるので、トリミングできるチャンスなのに充電できてない!なんてこともありません。放熱が速くて猫が熱く感じないのも嬉しいですね。
まとめ
長毛の猫のおしり周りやお腹、足の裏の毛の手入れ、毛玉取りなどに、バリカンはとても便利です。トリミングのお店に連れていくことなく、家庭でいつでもお手入れできるのは、猫にストレスを与えないという点がとても良いと言えるでしょう。最近では家庭向けのバリカンでも高性能なものがたくさん出ているので、使いやすいものを選べると良いですね。
ただし、バリカンは刃物ですから、猫の皮膚を傷つけないよう、またカットしすぎることの無いように、慎重に取り扱わなければなりません。猫が快適に過ごせるように、使い勝手の良いバリカンを見つけて、うまく毛をカットしてあげてくださいね。