猫用の防災グッズがないと困る理由
地震をはじめ、自然災害から避難する際に必要なのが防災グッズです。防災グッズは、人間用だけでなく、一緒に避難する猫の分も用意しておきましょう。ここでは、猫用の防災グッズがなぜ必要なのか、理由を詳しく解説しています。
災害時はペット用品の補充が難しい
災害時は、電気・ガス・水道などのライフラインが全てストップしてしまいます。人間が買い物をするスーパーだけでなくペットショップなども稼働しません。また、動物病院も稼働しておらず、薬などが手に入る可能性が低くなります。
緊急補給物資がありますが、基本的には人間が優先され、ペット用品は後回しになります。そのため、犬や猫にとって薬を含めた必要な物品は思ったように手に入らない可能性が高いので注意してください。
猫との避難が難しくなるリスクがある
猫用の防災グッズが準備できていないと猫との避難が難しくなるリスクがあります。自宅での避難ができない場合、避難所や知人の家へ猫を連れて避難をします。
しかし、必要な猫用の防災グッズを持たずに猫と一緒に避難すると、避難先で自分自身や猫の安全性が保てずに他人とのトラブルに発展してしまう可能性があるのです。そのため、猫を連れての避難が困難になり猫を置いて避難することを検討しなくていいように、猫用の防災グッズは必要です。
猫の感染症を防ぐためにも必要
避難所には多くの方がペットを連れて避難してきます。なかには、感染症を防ぐ予防接種をしていない飼い猫もおり、自分の飼い猫が接触をするのはあまりおすすめできません。特に、災害が起きてすぐは犬や猫も混乱し、人間が予期せぬ行動をとります。
動物同士の喧嘩に発展して怪我をしたり感染症になったりするリスクが高まります。不用意に他のペットに近づくことを防ぐためにも、猫用の防災グッズを購入し、猫の行動を上手にコントロールしてあげるのも大切です。
猫の防災グッズで必要なものリスト
猫用防災グッズは、必要なものをきちんと把握して準備するのが大切です。ここでは、猫の防災グッズに必要なものをご紹介します。優先順位の高いものから順に詳しくご紹介しているので、一つずつ確認しながらリュックに準備してください。
フード・水・薬は最優先で備蓄する
愛猫の命を守るためにも、優先的に準備しておきたいのがフード・水・薬です。ペット用品は、人間が必要な物品以上に手に入りづらくなります。一般的に人用の場合、貯蓄食料の目安は7日分ですが、ペット用品は入手が困難になるため多めに備蓄しておくのがおすすめです。特定のメーカーのフード・療法食が必要な場合は、1ヶ月分程度の予備を含めつつ、日頃からローリングストックしておきましょう。
衛生面を保つトイレグッズは必須
- スコップ
- 猫砂
- ポータブルトイレ
- ペットシーツ
- 防臭機能のあるゴミ袋
衛生面を保つためにもトイレグッズは必須アイテムです。犬に比べて糞尿の匂いが強い猫は、避難所で糞尿トラブルに見舞われやすくなります。さらに、デリケートな猫は普段使用していないトイレ・猫砂で用を足さなくなってしまう可能性があります。そのため、猫用防災グッズの中には、猫砂やトイレをしっかり準備しておくのがおすすめです。猫砂は、人間が持って運べる1〜2Lを目安に準備してください。
猫の医療情報に関する書類や写真を準備する
- ワクチン証明書
- マイクロチップの番号がわかる書類
- 猫の全身が写っている写真
- 飼い主であることを証明できる写真(飼い主と一緒に写った写真など)
- 投薬中の薬情報
- 病気を患っている場合は検査結果がわかる書類
猫が迷子になってしまったり他の人に間違えて連れていかれたりしてしまうのを防ぐために、猫の医療情報に関する書類や写真を準備してください。災害時に猫がびっくりして逃げてしまった際も、マイクロチップの番号や写真があればスムーズに捜索を開始できます。
また、ワクチン接種の証明書は、他のペットとのトラブル対策にも繋がります。投薬中の薬情報や検査結果は、避難先で動物病院が選べない場合でもスムーズに薬をもらったり検査してもらったりするために大切です。
避難所で役立つグッズもまとめておく
- 移動用キャリー
- 油性ペン
- ガムテープ
- ポータブルケージ
- ハーネス
- リード
猫用防災グッズの中には、避難所でも役立つアイテムもまとめておくのがおすすめです。猫と一緒に避難するための移動用キャリー・避難所で安心して過ごせるようなポータブルケージなどに加え、迷子にならないためのハーネスやリードなどが挙げられます。また、ガムテープは何かを固定するためだけでなくメモも書けるので、ぜひ油性ペンと一緒に準備してください。基本的にはどれも一つ用意しておけば安心です。
猫がお気に入りのグッズも準備
避難所での生活は、デリケートな猫にとって非常にストレスになります。猫にとってストレスは体調不良にも繋がりかねないので、飼い主が上手に発散させてあげなければいけません。少しでもストレス発散になるように、お気に入りのおもちゃやおやつなどを入れておくのがおすすめです。
おやつは未開封のもので構いませんが、おもちゃは新品だと匂いがせず、猫が不安がってしまいます。普段からたくさん遊んでいる匂いのついたおもちゃを一つ入れておくのがポイントです。
猫用の食器を準備する
猫がフードを食べたり水を飲んだりするためには食器が必要です。ペット用の食器を準備しておくと防災グッズがかさんでしまいます。そのため、折りたたみできるものや使い捨てできる100均のアイテムで代用するのもおすすめです。お皿が変わるとフードを食べなくなってしまう猫の場合は、日頃から慣れさせておいてください。
猫の防災グッズを準備する時のポイント
ここでは、猫の防災グッズを準備する時のポイント・コツを解説します。普段から使い慣れているものを選ぶべき理由や多頭飼いの場合に必要な量などについて詳しく解説しているので、ぜひ愛猫に照らし合わせながら防災グッズを準備してください。
普段から使い慣れているものを選ぶ
防災グッズを準備する際は、普段から使い慣れているものから選ぶのがポイントです。猫はデリケートで、日頃から新しいものに馴染むまで時間がかかる動物です。飼い主にとっても使い慣れない物は、防災グッズとしていざ使用する際に手間がかかったり上手く扱えなかったりします。
そのため、猫の防災グッズとして準備するものは、普段から使い慣れているものを選んでください。必要な場合は、ポータブルトイレやポータブルケージを普段から使用して、猫や飼い主が慣れておくのが大切です。また、フードやおやつはローリングストックと呼ばれる、食べたものを買い足す備蓄方法がおすすめです。
多頭飼いは猫の頭数に合う量で用意する
猫を多頭飼いしている場合は、飼育頭数に合わせた量を用意してください。フードも猫砂も、猫の頭数が増えれば必要な量が増えます。また、フードは猫ごとに食べているものが異なる場合もあるので、それぞれの猫に合ったものを必要な分だけ準備してください。医療情報もそれぞれの猫に関するものを準備しましょう。
持ち運べる重さかどうか確認する
猫用の防災グッズを準備する際は、持ち運べる重さであるかを確認するのも大切です。猫と一緒に避難所に移動する際は、猫が入ったキャリーバッグと荷物を同時に持たなければいけません。災害の内容にもよりますが、普段より足元が悪くなるため、飼い主・猫ともに動きやすく怪我をしない重さであることが重要です。一通りリュックに猫用の防災グッズを収納した後に、試しに動きやすさを確認すると万が一の時でも安心です。
すぐに持ち出せる場所に置く
猫の防災グッズに限らず、防災グッズはすぐに持ち出せる場所に置いておくのがおすすめです。災害時は速やかな避難が必要であり、クローゼットの奥などに防災グッズを仕舞い込んでしまうと、避難に時間がかかってしまいます。また。地震などの場合はものが倒れて取り出せなくなる可能性もあります。玄関や廊下などあまりものがなく、必ず通る場所に置いておくとすぐに持ち出せます。
猫におすすめの防災グッズ10選!
ここでは、猫におすすめの防災グッズをご紹介します。セット品もあり、購入しておくだけで基本的な猫の防災グッズを揃えられるものもあります。また、普段から使用できる便利なアイテムもあるので、ぜひご覧ください。
いっしょに避にゃん
〈おすすめポイント〉
- とにかく軽い
- 組み立て簡単
- トイレとバッグがセット
- ペットのためのプロフィールシール付き
〈商品の特徴〉
災害時に使えるプラスチックダウンボール製のケージです。重量は3kgと軽く、折りたたみ式でコンパクトになるため持ち運びやすくなっています。また、組み立ては工具いらずで広げるだけと簡単で、手間取ってしまうこともありません。トイレも付属しており、ケージ内には収納するスペースが十分にあります。ペット用のプロフィールシール付きで名前などを記入できるのも魅力です。
CHINSUKIDA 犬 猫 キャリー
〈おすすめポイント〉
- 拡張機能付き
- コンパクトにたためる
- ふわふわの中敷付き
〈商品の特徴〉
ペット用リュックで、普段使いから避難時の簡易ケージとしても使える商品です。両側にあるファスナーで空間を拡張できるため、避難時でも猫が窮屈な思いをしません。また、中敷はふわふわとした柔らかい素材で猫が過ごしやすくなっています。折りたたみ式でコンパクトにできるので、収納性にも敬意耐性にも優れています。チェストストラップで飼い主の体にしっかり固定できるのも嬉しい日ポイントです。
petsfit 携行猫用トイレ
〈おすすめポイント〉
- 防水性に優れている
- 持ち運びやすい
- お掃除簡単
〈商品の特徴〉
本商品は、コンパクトに折りたためるポータブルタイプの猫用トイレです。1kg以下の重量でとてもコンパクトにたためるため、持ち運びしやすくなっています。また、組み立てた状態でも上部に取っ手がついており、猫砂をこぼさずに運べます。本体とトイレ部分の取り外しが可能なので、お手入れも簡単です。深さも34cmあり、猫砂の飛び散りを防げます。
[Penne] 折りたたみ式 ペットボウル
〈おすすめポイント〉
- カラビナ付き
- 折りたたみ式でコンパクト
〈商品の特徴〉
ペット用の折りたたみ式のお皿です。普段は折りたたんで平な状態で持ち運びをし、必要な時だけお皿として組み立ててから使えます。カラビナ付きなので、防災グッズを収納しているバッグにも取り付けやすくなっています。また、水洗いだけでも綺麗になる素材で、洗剤などが手に入らない避難時でも便利です。2個セットで、水と餌に分けて使えるお皿を探している方におすすめです。
WinSun ペットキャリーバッグ
〈おすすめポイント〉
- 拡張機能付き
- 名札入れあり
- 収納力も抜群
〈商品の特徴〉
本商品は、拡張機能付きのリュックタイプのペット用キャリーバッグです。リュックの前側についているファスナーを開けると、キャリーバッグ内の広さを拡張できます。前面・背面には収納ポケットがあり、リードやハーネスなどを収納できます。また、水かけ装置がついており、ペットボトルの給水機を固定できるのも嬉しいポイントです。名札ポケット付きなので、愛猫の情報を入れておくのにとても便利です。
nanappy 猫用 ポータブルトイレ
〈おすすめポイント〉
- 軽量コンパクトで持ち運びやすい
- スコップ付き
- 防水撥水素材で掃除しやすい
〈商品の特徴〉
軽量でコンパクトな猫用ポータブルトイレです。サッと広げて猫砂やペットシーツを敷くだけで簡単に使えます。撥水・防水素材を採用しているため、汚れてしまっても拭き取るだけで綺麗に掃除できます。屋根などはついていないので、簡易的な猫用ポータブルトイレを求める方におすすめです。猫砂を使用する際は、付属されているスコップで糞を拾えます。
ネコのための防災セット+避難時持ち物チェックリスト付き
〈おすすめポイント〉
- 必要な防災グッズ7点セット
- ナップザック付き
- 持ち物チェックリスト付き
〈商品の特徴〉
ポータブルトイレを中心に、猫用防災グッズとして欠かせないアイテム7点をナップザックにまとめた商品です。折りたたみ式のトイレ・トイレ用のスコップ・防臭機能付きのゴミ袋・お皿×2・ネットがセットになっています。お皿はフード袋のクリップになったり計量カップになったりします。また、持ち物チェックリスト付きなので確認しながら猫用の防災グッズを揃えられるのでおすすめです。
猫壱(necoichi) ポータブルケージとトイレのセット
〈おすすめポイント〉
- ケージとトイレのセット
- カーテン付き
- 大きめサイズ
- 軽量でコンパクト
〈商品の特徴〉
折りたたみのケージとトイレがセットになった商品です。どちらも軽量で小さく折りたためるので、付属の収納袋に入れて簡単に持ち運べます。内側の素材が防水で、汚れても拭き取るだで簡単に掃除できます。また、大きめサイズなので、猫を多頭飼いしている方にもおすすめです。視線を遮るカーテン付きで人目が気になる猫にも適しています。ネームタグがあるので飼い主と離れてしまっても安心です。
愛猫のための「防災・避難」、「旅行・お出かけ」セット【スタンダード】
〈おすすめポイント〉
- 飲み水も入っている
- 消臭スプレーや袋など公衆衛生対策できるグッズも入っている
- ひとつで一通りの防災グッズが揃えられる
〈商品の特徴〉
折りたたみケージ・ポータブルトイレ・猫砂・スコップ・消臭スプレー・防臭機能付き袋・ウエットティッシュ・ハーネス・首輪・光るネームタグなど、猫用防災グッズで揃えておきたいアイテムが一通りセットになっています。全てのアイテムが大きなバッグに収まるので、持ち運びも便利です。本商品は、猫用防災グッズと一つずつ購入する手間を省きたい方におすすめです。
monomania 猫用 防災グッズ 7点セット
〈おすすめポイント〉
- トイレハーネスを含めた7点セット
- ナップザック付き
〈商品の特徴〉
ポータブルトイレ・ゴミ袋・スコップ・お皿×2・ハーネスがセットになった猫用防災グッズです。ナップザックに入っているので、本商品を背負うだけですぐに避難を開始できます。ゴミ袋は黒色で中身が見えなくなっているのも嬉しいポイントです。ポータブルトイレのサイズが大きめなので、大型の猫を飼育している方におすすめです。
猫用防災グッズ以外にも必要な事前の備え
ここでは、猫用防災グッズ以外にも必要な事前の備えについて解説します。避難をスムーズにするために必要な準備や二次災害を起こさないための対策について詳しく解説しているので、防災グッズと合わせてチェックしてください。
避難所の位置やハザードマップを確認する
自宅で避難できない際には、避難所や安全な場所をあらかじめ確認しておいてください。避難所に避難する場合は、その避難所に猫を連れて行くことが可能かどうか確認しなければいけません。
また、避難所に避難できない場合、災害が起きた際にどの範囲まで被害が及ぶか示した「ハザードマップ」をチェックしておくと安全な場所を見つけやすくなります。自宅周辺でどのような災害が起こるリスクがあるのか事前に調べておくと防災グッズの準備はもちろん、避難経路も決めやすいので、ぜひ確認してください。
猫のケガを防ぐ室内の安全対策を行う
災害が発生した際に猫が落下物や転倒物で怪我をしないように対策をするのも大切です。棚やテレビなどの家具・家電に加え、キャットタワーやケージなど猫に関連するものも転倒防止対策をしてください。
また、留守中に二次災害で火事が発生しないようにガスの元栓を閉めてから外出するなど、日毎から気をつける必要があります。いつ愛猫が災害に巻き込まれても怪我をしてしまわないよう、安全確保がしやすい部屋づくりをしていきましょう。
キャリーでの移動や他の人・動物に慣らす
猫をキャリーでの移動や他の人・動物に慣らしておくのも事前の備えとして大切です。避難するのにキャリーが必要なのはもちろん、避難所での生活は基本的にキャリーやケージで過ごします。避難所で放し飼いはできないので、キャリーに慣らしておくのは非常に大切な準備です。
また、家族以外の人や動物が苦手な場合は、人や動物を傷つける危険性があり災害時の避難が難しくなるリスクが高まるので、日頃からさまざまな刺激を与えて慣れさせてください。
猫に必要な予防医療を行っておく
予防接種や避妊・去勢手術なども猫を守るために大切な事前準備です。予防医療をおこなうことによって公衆衛生対策ができます。さらに、感染症などを懸念する避難所などにも受け入れてもらいやすくなる要因です。予防接種・ノミ予防・避妊や去勢手術などは、普段おこなっていても損のない対策です。災害時のための準備ではなく、猫のために予防医療をおこなってください。
万が一に備えて迷子札やマイクロチップの準備をしておく
普段どんなに賢くお利口な猫でも、災害時はパニックになってしまい逃げてしまう可能性があります。万が一猫が逃げ出してしまった際に、すぐに探してあげられるように迷子札やマイクロチップの準備をしておくのがおすすめです。迷子札は猫を見つけてくれた人が飼い主に直接連絡できるように最低限の情報を記載したもので、マイクロチップとは猫の体に埋め込む、情報の詰まった機械を指します。
まとめ
災害時に安全に猫と一緒に避難するなら「猫用防災グッズ」を準備するのがおすすめです。ペット用品は人間の物品に比べて災害時に手に入りづらく、猫の命を脅かしてしまいます。また、きちんと準備ができていないと、避難所に入れてもらえなかったり周りの人に迷惑をかけたりなど、猫と一緒に避難するのが困難になります。
猫用防災グッズは、「持ち運べる重さである」「水や餌など優先順位を理解する」などポイントを押さえながら選ぶのが大切です。また、ハザードマップを確認する・猫の予防医療をおこなう・キャリーなどに慣れさせるなど、事前に準備できる内容をしっかりとチェックしておきましょう。本記事を参考にしながら、災害時でも猫と一緒に落ち着いた行動が取れるように「猫用防災グッズ」を選んでください。