猫に焼き魚は大丈夫?
結論からいうと、人間が食べている焼き魚を、そのまま猫に与えるのはNGです。
猫というと、「魚が好き」というイメージが強い生き物です。市販のキャットフードなど見てみると、「サーモン味」や「マグロ味」といった魚をベースにした商品も数多くあるため、猫は魚の味を好む傾向にあるといえるでしょう。
ですが、人間が食べている焼き魚を、そのまま猫に与えるのはNGなのです。ただし、魚自体は猫のからだにとってよい栄養をたくさん含んでいるため、調理の仕方や与え方に気を付けるのであれば、与えても問題ありません。
猫に焼き魚を与えるときの注意点
猫に焼き魚を与えたいときには、必ず以下の項目を意識して守るようにしましょう。与え方を誤ってしまうと、猫のからだに大きなダメージを与えることになりかねません。
そのため、焼き魚を与えるときはキャットフードを与えるとき以上に、細かく注意を払う必要があります。それでは、具体的な注意点や与え方について順番に見ていきましょう。
しっかりと加熱をする
焼き魚を猫に与えるときは必ず、中までしっかり火が通っているかどうかを確認した上で与えましょう。中途半端な加熱で生っぽい状態だと、万が一魚の中に寄生虫がいた場合、食中毒を起こす危険性があります。
なかでも激しい痛みを引き起こすことで知られているアニサキスは、猫にとっても害を及ぼす存在です。アニサキスが猫の体内に寄生すると胃を痛めつけてしまい、猫にとって大きなダメージとなるため、十分に注意する必要があります。
しかも、恐ろしいことにアニサキスの幼虫は、軽く温めただけでは死滅しないといわれています。そのため、アニサキスを含めた寄生虫を全て死滅さえるためにも、しっかりと(60℃以上で1分以上)火を通した焼き魚を与えてください。
味付きのものは与えない
人間が焼き魚を食べるときは塩を降ったり、醤油付きの大根おろしと一緒に食べたりします。しかし、この醤油や塩といった調味料は、猫にとっては味が濃すぎるのです。
そのため、猫に焼き魚を与える場合は調味料を一切使わず、ただ焼いただけの魚を与えるようにしてください。
スーパーやコンビニなどで購入した焼き魚などには、すでに味付けがされていることが多いため、このような商品は猫に与えないようにしましょう。
また、人間が食べる焼き魚の一部を猫に分けてあげたいときは、まず味付けをしないで魚を焼き、猫に与える分だけ別にとってから、人間用に味付けするといった段取りで準備するのがおすすめです。
骨をとってあげてから与える
焼き魚には骨がついています。人間が焼き魚を食べるときは、お箸で器用に骨を取り除くことが可能ですが、猫の手や口では骨をとるといった器用な行動ができません。
万が一、魚の骨を猫が飲んでしまった場合、喉や胃、食道に刺さって体内を傷つける恐れがあります。そのため、必ず小骨を含めた全ての骨を取り除いた上で、猫に与えるようにしましょう。
また、猫に与える分の焼き魚は綺麗に骨を取り除いていたけど、飼い主さんの隙をついて人間が食べる分の焼き魚を猫が食べてしまい、その結果、骨が刺さったという例も多く見受けられます。
そのような事故を防ぐためにも、骨を取り除く前の魚は、猫の手が届かないような場所に保管しておきましょう。
青魚は与え過ぎない方がよい
サバやアジ、イワシといった青魚の場合、たとえ猫用に調理した焼き魚であっても、極力与えないことをおすすめします。というのも、青魚にはDHAやEPAといった不飽和脂肪酸という成分がたくさん含まれています。
猫がこの不飽和脂肪酸をたくさん摂取し過ぎてしてしまうと、お腹や胸の脂肪がしこりのようになり炎症を起こす「イエローファット(黄色脂肪症)」という病気を引き起こす可能性があるのです。
そのため、猫に焼き魚を食べさせる時は、青魚を多量に、または頻繁に与えないようにしましょう。
まとめ
焼き魚には、猫が多く必要とするタンパク質がたくさん含まれています。そのため、与え方や与える魚の種類に注意すれば、猫の健康を保つ上で役立てることが可能です。
焼き方に注意したり、骨をとってあげたりといった手間は発生しますが、猫のからだを守るために必要なことなので怠らずに行いましょう。