猫のアレルギーフードの選び方
1.加水分解されているタンパク質を使用したフードを選ぶ
猫が食物アレルギー反応をおこすアレルゲンの多くが、タンパク質が原因だといわれています。特に猫は肉食動物であるため、キャットフードには多くのタンパク質が含まれています。
通常であればタンパク質は猫の胃腸で消化され、アミノ酸に分解し小腸で吸収されていきます。しかし、ある一定のタンパク質をうまく分解することができない猫や胃腸が敏感な体質の猫は、アレルギー症状を発症します。
猫は肉食動物であるため、キャットフードには鶏肉や牛肉、魚肉など多くの肉類が入っています。そこに含まれているタンパク質がアレルゲンの可能性があり、猫の食物アレルギーの原因の一番は、肉類ともいわれています。
しかしタンパク質は猫にとって必要な栄養素でもあるため、加水分解したタンパク質を使用したアレルギーフードに切り替えると症状が治まることがあります。
2.穀物不使用のフードを選ぶ
多くのキャットフードの中には、小麦やトウモロコシなどの穀物が入っています。猫は肉食動物なため、元々穀物をうまく消化や吸収する体の構造ではないため、アレルギー症状をおこす原因になります。
アレルゲンとなる穀物を除外してつくられた、猫のアレルギーフードに変更します。
3.今まで食べたことがない肉類(タンパク質)を使用したフードを選ぶ
食物アレルギーによる症状は、猫が今まで1回でも口にしたことがある食べ物に対して反応しているといわれています。
ふだんキャットフードに含まれていない、ダックなどの肉類でつくられたアレルギーフードを試してみます。
猫にアレルギーフードを続けて食べさせる前に検査を受ける
下痢や嘔吐、皮膚の痒みなど、猫に食物アレルギーの疑いがある場合、それらの症状が本当に食物アレルギーによるものなのか調べる必要があります。
人と同じように、猫の場合も血液検査にて特定のアレルゲンを特定することができますが、検査代が高額なため実際のところは受けるケースが少ないです。
そのため、一般的な検査は猫が今まで食べていたフードやオヤツ類を一切与えず、アレルゲンの可能性のあるものを含んでいないアレルギーフードだけを一定期間食べさせて、症状が起こらないかどうか調べる除去食試験です。
通常の除去食試験は1か月〜2か月程度行います。
猫にアレルギーフードを与えてから、消化器症状や皮膚症状などが見られない場合は、今まで食べていた食事に含まれている何らかの成分がアレルゲンの可能性が高いことがいえます。
猫のアレルギーフードおすすめ商品
タンパク質が原因でアレルギー症状が現れた猫におすすめ
ロイヤルカナン「低分子プロテイン」
アレルゲンであるタンパク質を加水分解してつくられている猫のアレルギーフードです。また、消化しやすくアレルゲンになりにくい加水分解大豆タンパクを使っています。
また、食物アレルギーは皮膚の痒みなど皮膚症状が起きやすいため、皮膚バリアを維持させるためにパントテン酸やイノシトール、ナイアシン、コリン、ヒスチジンが含まれています。
EPAとDHAが含まれているオメガ3系脂肪酸が入っており、アレルギー反応による炎症を抑えてくれる効果があります。
ヒルズ「z/d」
この猫のアレルギーフードは消化性が高い加水分解タンパク質(チキン)と米でつくられています。また、オメガ3系・6系脂肪酸を配合しており、皮膚バリアや被毛の維持を保ってくれます。
加水分解タンパク質や穀物不使用のフードでもアレルギー症状が現れた猫におすすめ
ロイヤルカナン「セレクトプロテイン ダック&ライス」
商品情報
タンパク源(ダック)および炭水化物源(ライス)を使用しています
一般的なキャットフードでは使われていないダックと米でつくられたアレルギーフードです。皮膚の健康維持を保つためにビオチン、パントテン酸、イノシトール、ナイアシン、コリン、亜鉛が含まれています。
EPAとDHAが含まれているオメガ3系脂肪酸が入っており、猫のアレルギー反応による炎症を抑えてくれます。
猫の穀物アレルギーにおすすめフード
カナガン キャットフード
小麦やトウモロコシなどの穀物類を使っていない猫のフードです。消化が良いサツマイモと乾燥チキンを使用しており、ビタミン類やリン、皮膚の健康維持にセレンが含まれています。また、このフードは人工添加物を使用していないことも特徴です。
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ニュートロ ナチュラルチョイス「穀物フリー アダルトダック(サーモン)」
商品情報
新鮮なダック生肉を第一主原料に使用しています
穀物を使用せず、その代わりにダック(又はサーモン)を使っている猫のフードです。また、消化吸収がよいポテトも使用しています。
皮膚や被毛の健康維持を保つために、リノール酸を多く含んでいる鶏脂や亜鉛を配合しています。
まとめ
食物アレルギーは人だけではなく猫でもおこります。元気はあるのに軟便や皮膚を頻繁に掻いている様子が続いているようであれば、猫がふだん食べているフードの中にアレルギー症状をおこすアレルゲンが含まれている可能性があります。
またフードではなく、オヤツにアレルギー反応を起こしているケースもあります。
しかしそのまま放っておいてしまうと猫に膿皮症や外耳炎、下痢による体重減少などが起きてしまうため、動物病院に受診することを勧めます。
最近では、穀物不使用なフードや製造過程でタンパク質を分解しているフードなど、色んな猫のアレルギーフードが販売されるようになりました。
猫にそれらのアレルギーフードのみを試しに食べさせてみて、症状の変化があるかどうか調べる除去食試験を行い、安全なアレルギーフードを選択することが大事です。