猫に牛乳飲ませても大丈夫?
子猫や成猫の栄養補給のため、または単に猫ちゃんが牛乳を好きだからあげたい…色々理由はあるかと思いますが、結論としては、「猫に牛乳は飲ませても大丈夫だけど、注意が必要」です。
猫も人と同じで「乳糖」が苦手な子もいる
牛乳を飲むとお腹を壊してしまう、「乳糖不耐症」の人が居ますよね。牛乳の中には「乳糖」という成分が含まれますが、「乳糖」を分解するラクターゼと呼ばれる酵素が少ないと、乳糖を分解することが出来ず、消化不良や下痢を引き起こしてしまいます。
猫も全く同じで、ラクターゼと呼ばれる酵素が少ないと牛乳を飲んだときに下痢をしてしまうんです。これは個体差があり、少量で下痢をしてしまう猫も居れば、沢山飲んでも全く平気な猫もいます。
「乳糖不耐症」は人間の場合、毎日牛乳少しずつ飲み続けるなどして、腸内のラクターゼ活性が上げていけば改善される場合もあるようですが、猫の場合そこまでして牛乳をあげる必要はないと思います。
猫に牛乳を与えるときの注意点
1.下痢をするようなら与えない
上記で説明したように、「乳糖」が苦手な猫ちゃんは牛乳を飲むと下痢をしてしまいます。下痢をしているのに無理に牛乳を飲ませる必要はありません。下痢が続くと脱水状態になりやすくなり、他の病気を誘発することありますし、繰り返せば腸内環境も崩れてしまうので、デメリットしかありません。
2.シュウ酸カルシウム結石症の原因に
“総合栄養食”の表示があるキャットフードは、基本的には「そのフード1つを食べていれば栄養バランスを保てる」ように作られています。キャットフードも食べ、牛乳も飲めば、過多になってしまうのはカロリーだけではなく、他の栄養成分も同じで、栄養のバランスが崩れてしまうことになります。
また、牛乳やチーズ、低脂肪ヨーグルトなどはシュウ酸カルシウム含量の高い食事ですので、摂り過ぎればそれだけでシュウ酸カルシウム尿結石症のリスクが出てきます。
シュウ酸カルシウム尿結石は、ストルバイト尿結石と違い、一度出来たら溶けることはなく、大きくなり過ぎれば手術をしなければならなくなってしまうので、結石を作ってしまわないよう、しっかり注意しましょう。
3.栄養過多により「肥満」の原因に
今ではペットフードの栄養価も見直され、キャットフードも高カロリーで栄養価の高いものが揃うようになりました。そこに更に、栄養価の高い牛乳を追加してしまうとカロリーが過剰となり、太ってしまうことも。
4.牛乳だけでは発育不良・栄養失調を起こす
また、草食動物である牛のお乳と猫のお乳では栄養成分も異なりますし、猫と牛では必要としている栄養要求量が異なります。
牛乳だけしかあげなければ、ほぼ確実に“発育不良・栄養失調”を起こしてしまうので、牛乳を飲ませていたとしても良質なドライフード、ウェットフードと組み合わせてあげることが必要です。
5.高齢猫の場合、心臓に負担がかかる
高齢の猫の場合、牛乳の中の「ナトリウムイオン」が心臓に負担を与えてしまうと言われています。
6.乳製品アレルギーの猫もいる
猫にもアレルギーがあります。牛乳を与えて下痢をしてしまった場合、もしかしたら「乳糖」が苦手で下痢をしているのではなく、乳製品アレルギーが原因かもしれません。気になる場合は一度病院で検査をオススメします。
猫もOK!猫用ミルクやペット用牛乳
猫用ミルク
粉末タイプの猫用ミルクがあります。子猫の時はこれをお湯で溶かしてぬるくなるまで冷ましたものを、ふやかしたドライフードと一緒にあげることも多いようです。タウリンなど、猫の健康にいい成分も配合されています。ちょっとお値段は高めです。
ワンラック (ONE LAC) キャットミルク 270g
ペット用牛乳
下痢や胃痛の原因となる「乳糖」が入っていないペット用の牛乳。あまり水を飲んでくれない、でも牛乳なら飲んでくれる…という場合にはこのペット用の牛乳をあげてみてもいいかも。その場合には1日に必要なカロリーの中にペット用牛乳のカロリーを含めますので、キャットフードの量を少し減らしましょう。
キャティーマン (CattyMan) ねこちゃんの国産牛乳
ヨーグルト
ヨーグルトも乳製品ですが、発酵段階で乳糖は分解されているため牛乳とは別物です。市販のペットフードでは不足しがちな「酵素」と「乳酸菌」を補ってくれる働きもありますが、ヨーグルトもやはりミネラルやカルシウムなどの栄養成分には注意しましょう。
その他
「アカディ牛乳」と言って、“牛乳でお腹がゴロゴロする人へ”というキャッチフレーズの書かれた下痢を防ぐため「乳糖」を少なく調整した雪印の牛乳もありますが、これは人用なのでやはり猫ちゃんにあげるならペット用がいいとは思います。
雪印メグミルク アカディ
他には乳製品ではチーズ、バターも乳糖が減少しており、下痢は起こしにくいですが人用のものは「塩分」「糖分」が、猫にとって過剰になってしまいます。欲しがっても、猫ちゃんの健康を考えるなら人用のものは与えない、ペット用のものをあげるようにするのが安全です。
猫に牛乳を飲ませることのメリット・デメリット
猫ちゃんにとって牛乳がどんなものかは大体わかりました。そこで気になるのは、牛乳を飲ませることのメリット・デメリットですよね。今まで説明したことも踏まえ「猫に牛乳を飲ませることのメリット・デメリット」を挙げてみます。
メリット
- 安く手軽に栄養補給できる
- 猫が牛乳を好きな場合、喜んでくれる
- 水分を沢山摂ってくれる
デメリット
- 下痢をしてしまう可能性がある
- 肥満の可能性がある
- ミネラルバランスが崩れ、結石の原因となる可能性がある
- 牛乳のみで水分を摂取している場合、今後も牛乳しか飲まなくなる可能性がある
- 高齢猫の場合、心臓に負担がかかる場合がある
まとめ
猫と牛乳についてお話してきました。猫に牛乳を与えることは昔から当たり前のようなイメージがありましたが、実は下痢やアレルギー、栄養過多などの問題があり、無理に牛乳を与えてはいけないということがわかりましたね。
猫によって体質も、育ってきた環境も違いますし、猫の健康に対する飼い主さんの考えも違いがあると思います。まだ猫の体のしくみについて全てが解明されたわけではないのでそれはどうしても仕方のないことですが、「猫が欲しがるままに与えて、猫の健康を壊してしまう」ようなことだけは絶対にないように注意しましょう。
その他、猫が食べていいもの・悪いもの
今回紹介した食材以外にも、人間には安全でも、与え方や量によっては猫にとって有害な食べ物が数多くあります。場合によっては命に関わるような食材もあるため、飼い主さんは正しい知識を身につけておくことが必要です。万が一のことが起こってしまわないよう、「猫が食べていいもの・悪いもの」を事前にチェックしておきましょう。
30代 女性 ジャララ
ウチの子たちは、成猫になるにつれてミルクを飲まなくなっていったような気がします。
乳酸菌が良いと聞いてヨーグルトを舐めさせたこともありますが、やはり反応はイマイチでした。
子猫のころ、美味しそうにミルク(猫用)を飲む姿が、とても可愛らしかったのを覚えています♪猫用粉ミルクを、フードにかけて与えていたこともあります。
産まれて間もない子猫ちゃんには、下痢の原因となることがあるので、なるべく牛乳をそのまま飲ませるのは、避けた方が良いようです。体力のない子猫には、万が一の事も考えて、猫用ミルクを与える方が良いと、個人的には思います。
どうしても手に入らない時は、乳糖をカットしてある牛乳か、牛乳に卵黄と練乳を加えたものだったら与えても大丈夫だそうです。
ですがあくまでも緊急用ですので、やはり猫用ミルクは必要となるようです。
もし愛猫に与えるなら猫用ミルクが無難かな・・・と個人的には思いますが、中には牛乳が全く平気な猫ちゃんもいるようですので、そこは愛猫と相談ですね!
女性 にゃコロ
我が家にも猫が3匹暮らしていますが、みんな14歳を越えたお爺ちゃんお婆ちゃん猫です。
小さい頃以来、牛乳をあげる機会がありませんでしたが、最近歳をとり食が細くなった事を考えて、高齢猫用ミルクをあげてみたところです。
馴染みが無かったせいか、あまり飲み進める事が無かった事と、心臓への負担になると知った為、本当に調子が落ちて栄養面が心配な時に使う事にしました。
人間用の牛乳はやはり良くないのですね。何でも当てはまりますが、人には人用を、猫には猫用を、と言うのが基本なのだなと改めて確信です。また、猫用ミルクやフードに、仔猫用や成猫用、高齢猫用とステージ毎に分けられている事も疑問でしたが、必要な栄養バランスの配合の違いなのだなと知ったばかりです。
お腹を壊しやすい猫ちゃんや、牛乳アレルギーの猫ちゃんには難しいかもしれませんが、それぞれに合った相性の良い商品を見つけてあげられれば良いなと心底感じます。