猫は大根を食べても大丈夫?大根おろしは?つまは?注意点を解説

猫は大根を食べても大丈夫?大根おろしは?つまは?注意点を解説

概要

  • 猫に大根は少量であれば与えても大丈夫です!
  • 味付けや調理した大根は塩分や糖分が多いため与えてはダメ!
  • 大根を食べ過ぎると高カリウム血症、尿路結石、腎不全の原因になる

猫は大根を食べても大丈夫!ですが、甲状腺疾患がある猫には食べさせてはいけません。また、与えるときは量やアレルギーに注意です。もちろん消化促進、便秘解消などの良い効果もあります。大根の葉、大根おろし、かいわれ大根などについてもまとめました。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫は大根を食べても大丈夫

大根の写真
  • 猫に大根は少量であれば問題ない
  • 生の大根、葉っぱも与えても害はない

猫に大根を与えても大丈夫かどうかの答えは、「たまに、少量であれば問題ない」です。

大根はアブラナ科に属しており、猫にとって特に害がないとされている野菜です。また、大根は生の状態や、葉っぱの部分を与えても特に問題ありません。大根の葉っぱを好んでパリパリ食べる猫ちゃんも多いようです。

ただ、猫は本来完全肉食動物であり、大根などの野菜を食べる必要はありません。主食に影響が出ないよう、ごくたまに少量ずつ与えるようにしましょう。

その他の大根は猫に与えても良いのか?

  • かいわれ大根
  • カブ
  • ブロッコリー
  • ラディッシュ

ちなみに、大根の仲間であるカブや、ブロッコリー、ラディッシュ、大根の新芽であるかいわれ大根等も、猫が食べても問題のない食材に分類されます。

特にかいわれ大根は、自宅で栽培していると盗み食いをする猫も居るようですが、猫草の代わりにはなりませんので、食べすぎないように注意しましょう。

猫に大根を与える時の注意点

ラディッシュと猫の写真

猫に大根を与える時の注意点についてご紹介します。

  • 大根を与えすぎると嘔吐や下痢を引き起こす可能性がある
  • 大根の食べすぎで尿路結石、腎不全になる可能性
  • 甲状腺疾患がある猫には大根を与えてはいけない
  • 大根アレルギーの可能性があるので少量ずつ与える

大根を与える量に注意する

いくら大根が猫にとって害のない野菜であっても、与える量には注意が必要です。バランスが偏らないよう、注意しながら与えましょう。

一度にたくさん大根を食べさせ過ぎると、嘔吐や下痢等の胃腸障害を引き起こす可能性もあります。

大根の食べすぎによる「尿路結石、腎不全」

大根の葉には、カリウムやカルシウム等の成分が多く含まれています。過剰摂取によってそれらのバランスが崩れる事によって、高カリウム血症、尿路結石、腎不全等の原因になる可能性があります。

前述した疾患を患っている猫には、なるべく大根を与えないようにした方が無難です。

甲状腺疾患

大根を含むアブラナ科の野菜には、ゴイトロゲンという成分が含まれており、これらは甲状腺のヨウ素吸収を阻害する為、甲状腺に問題がある猫に大根の大量摂取は控えた方がいいとされています。

猫の大根アレルギー

大根は、比較的アレルギーのイメージが少ない食材ではありますが、口腔アレルギー、接触性アレルギーを引き起こす可能性があります。猫に初めて大根を食べさせる場合は、まず少量ずつ与え、しっかり様子を観察しましょう。

猫に嬉しい大根の効果

畑に座る猫の写真
  • 猫が大根を食べると消化促進の効果がある
  • 猫が大根を食べると便秘解消の効果がある
  • 猫が大根を食べるとガンの抑制につながる可能性

消化促進

大根の根には、ジアスターゼと呼ばれる消化酵素や、グリコシダーゼ酵素が多く含まれています。それらが食べ物の消化を助け、整腸作用が期待できるとされています。

また、大根の辛味成分に含まれるアリルイソチオシアネートも、胃液の分泌を高める事で、消化を促進します。

便秘解消

大根は水分が多く、食物繊維も含まれている事から、便秘解消の効果も期待できます。

ガンの抑制

大根の辛味成分に含まれるアリルイソチオシアネートには、高い殺菌作用や抗がん作用を持つとされています。

大根を加熱すると効果は半減する

ただし、このアリルイソチオシアネートは加熱する事によって、半分以下に減少してしまう事が分かっています。

ガンの抑制や、殺菌作用に期待して大根を与える場合は、できるだけ生の状態で与える方が効果的と言えます。

大根おろしにして、茹でたささみやにんじん、ブロッコリー等と混ぜ合わせて与えるのもいいですね。

猫に与えてはいけない大根

大根おろしの猫

以下のような大根は、猫に与えないよう注意しましょう。

調理された大根

煮つけや、サラダ等、様々な料理に使われる事がある大根ですが、基本的に調味料を使用して味付けされた大根は猫に食べさせてはいけません。塩分や糖分の過剰摂取に繋がります。

大根の漬物

たくさんや、シソ漬け等の大根が原材料となったお漬物も猫に与えてはいけません。お漬物は塩分が非常に多く、尿路結石や腎臓病等の原因になる可能性があります。

大根のつま

お刺身の「つま」を好んで食べる猫ちゃんも非常に多いようです。つま自体を食べる事は問題ありませんが、生ものの魚などに触れている為、長時間放置したもの等は与えないよう注意しましょう。

基本的に、大根そのものは猫に与えても問題ありません。しかし、他の食材と煮込んだものや調味料を使用しているものは、与えないよう注意しましょう。

まとめ

小さい大根と子猫

猫に大根を与えても大丈夫なのかについてご紹介しました。

基本的に、大根は猫にとって害のない食材です。ただ、記事内でご紹介したような泌尿器系疾患や、腎臓病、甲状腺に問題を抱えている猫ちゃんの場合は注意して下さいね。

我が家の猫は、大根には興味を示しませんが、かいわれ大根は葉の部分を執拗に齧ろうするので、自宅栽培を諦めました。少しくらいなら、与えても問題ありませんが、主食に影響が出ないように注意して下さいね。