猫に焼き芋を食べさせても大丈夫か
猫が食卓に置いていた焼き芋を食べようとしています。大丈夫なのでしょうか?
結論から言うと、猫が焼き芋を食べても大丈夫です。
その他、サツマイモを蒸した「ふかし芋」や言葉の通り干した「干し芋」も食べて問題はありません。ただし栄養価が高く、中でも炭水化物の多いサツマイモですから積極的に与える事は控えなくてはなりません。
猫に焼き芋を与える時の注意点
猫に必要なのは炭水化物よりタンパク質
猫は基本的なエネルギーをタンパク質から摂取します。サツマイモ自体は炭水化物を主とした食品であり、食物繊維を抜けば糖質のため摂取過剰になると肥満の元になります。
猫は「甘み」を感じるセンサーが低いため、サツマイモの甘さを猫に食べさせてあげたいという飼い主さんの気持ちは通じないかもしれません。苦みは感じるので薬を飲ませるのは大変なんです。
さつまいもの調理法による「カリウム」「リン」の増加
生のサツマイモの栄養成分は調理法により多少変化し、カリウムやリンが増加します。
- 焼く場合:水分が減少、その代わりに炭水化物が増加。カリウムやリンも多少増加。
- 干す場合:水分は生の3分の1にまで減少、炭水化物、カリウム、リンの値は倍。
- 蒸す場合:ふかし芋は生と比較してほとんど無変化。
猫のかかりやすい腎臓病など持病がある場合は、獣医さんにご相談していただくのが良いでしょう。
もちろん、アルコールなどのように舐めるだけで危険と言う事ではありませんので、定期的ではなく少量食べる事には問題はありません。干し芋は積極的には与えない方がよいでしょう。
さつまいもアレルギーや消化不良
少ないとはいえ、猫のアレルギーには十分注意してください。サツマイモを多量に食べると、その分栄養素も過剰摂取となりますから消化不良にも気をつけなければなりません。
猫に焼き芋を与える効果や栄養素
注意点ばかりを大きく取り上げてしまい、食べさせてはいけないのかとお思いになりますよね。もちろん、分量や猫の個体の個性に合わせていただければ焼き芋は効果を発揮します。
猫に必要な栄養素は、炭水化物(糖質)・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル、そして水です。サツマイモを焼いた「焼き芋」はこれらをバランスよく含んでいます。特に期待する効果としましては食物繊維の持つ整腸作用でしょう。
焼き芋の整腸作用
食物繊維の量は焼くと多くなります。調理法での比較は以下になります。
生<焼<蒸<干
猫が便秘になりがちな時、舐めた毛からおこる毛球症を予防する時、食物繊維の整腸作用を利用する事が出来ます。
しかし、過剰摂取は下痢やガス溜まりの元になりますので、毎日ではなく猫の便の様子を見てスプーン一杯くらいを与えてください。
さつまいもの皮
焼き芋の皮と黄色い実の間には栄養が一番詰まっています。のどに詰まるような大きさでないこと、焦げていない事を確認し実と一緒に混ぜてから猫に与えても大丈夫です。
まとめ
サツマイモを調理した焼き芋。低温でじっくり焼く事により糖度が増し、人間にとってはうまみの増す調理方法となります。
しかし栄養がいっぱい詰まっている分、適度な量にしないと猫にとって栄養素の過剰摂取という事態になります。
「猫が焼き芋を大好物としている」「お医者様にすすめられた」「猫が人間の焼き芋を食べてしまった」という場合に焼き芋を食事に取り入れるのは良いですが、無理に焼き芋を猫にすすめる事は必要ないでしょう。
キャットフードの中には、猫が必要とする栄養素が含まれていますので、新たにさつまいもを取り入れる事により栄養素が重なり過剰になる場合もあります。
元々野生である猫は、必要な物と不必要な物を自分の中で分けているといいます。危険の無い焼き芋ですから、飼い猫が欲しがる場合はきっと猫の身体が必要としているのでしょう。その時は適量を与えてくださいね。