猫が緑内障になった時の症状とは?原因、治療の方法も解説

猫が緑内障になった時の症状とは?原因、治療の方法も解説

概要

  • 猫が緑内障になると瞳孔が開き、目の色が緑や黄色になる
  • 緑内障は眼圧が高くなるので目が飛び出す
  • 猫が緑内障になるのは先天性と後天性がある
  • 猫が緑内障になったら眼圧を下げる治療か外科手術を行う

緑内障とは、眼圧が高まり視野が狭くなるなど、視覚障害を起こす目の病気です。最悪失明の恐れもあるため、早期治療が必須です。猫がかかりやすい種類の緑内障もあります。少しでも早く気づいてあげられるよう、緑内障について知っておきましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫が緑内障になった場合の症状

顔を拭いている猫

猫が緑内障になると次のような症状が見られます。

  • 瞳孔が開いたままの状態になる
  • 眼圧が高くなり眼球が飛び出す
  • 目の色が緑色や黄色になる
  • 目を頻繁にこする
  • 物につまずいたりぶつかったりする
  • 元気がない

緑内障になった猫の写真

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緑内障の猫の目
片目が緑内障になった猫
両目に緑内障がある猫
片目が濁っている猫

猫の緑内障は目が飛び出す

猫の緑内障を発症すると眼圧が上がってしまうため眼球自体が大きくなり、瞼で目を閉じることができなくなります。そのため角膜浮腫をおこし目の色がグレーや青色のようにみえることがあります。

また目を閉じれない程眼圧が上昇することにより「牛眼」という眼球が大きくなり飛び出してしまう症状がみられます。眼球が飛び出すと目が乾いてしまい、目は乾燥にとても弱いため角膜炎などをおこす場合もあります。

猫が緑内障になると瞳孔が開く

猫は激しい目の痛みを伴うため顔を触られるのを極端に嫌がるようになり元気がなくなり食欲低下などをおこすことがあります。他にも結膜の充血や眼圧上昇により瞳孔が開いたままになります。目から入る光の量によって瞳孔が小さくなったり、大きくなったりします。

しかし瞳孔が開いた状態だと光の量を調節することができず、また眼圧によって網膜などが圧迫されることにより視覚障害をおこし壁や物に対してよくぶつかったり、失明する恐れもあります。

猫が緑内障になる原因

  • 眼圧が高くなるのが緑内障の原因
  • 猫の緑内障は早めの治療が必要

猫が緑内障になるのは眼圧が上がるから

眼球内には房水と呼ばれている体液が循環し、房水は毛様体でつくられています。通常は房水の産出および排出が一定を保っていることで眼球内の圧力(眼圧)も一定の圧力を維持しています。しかし何らかの障害によって房水が排出することができなくなってしまうことで眼圧が上がり緑内障を発症してしまいます。進行が速いので早急な治療が必要です。

猫の緑内障の原因は生まれつきである先天性緑内障や原因が分からない原発性緑内障、そして他の病気が原因で発症する続発性緑内障の3つがあげられますが、ほとんどは続発性緑内障が主な原因だといわれています。主な疾患としてはブドウ膜炎や眼内腫瘍、外傷、また猫白血病やトキソプラズマ症などがあげられます。

猫の緑内障を治療する方法

目薬をしている猫

猫が緑内障と診断されたら、急性である場合も考慮し、一刻も早い診察と治療が必要です。治療は内科療法と外科療法があります。

猫の緑内障の内科療法

眼圧を低下させ、視覚障害の進行を抑える目的の治療です。内服薬や、点眼投与などが行われます。

猫の緑内障の外科療法

房水を別の部位に排出させたりするための手術を行います。また、すでに失明している場合は、痛みをおさえるため、眼球摘出し、義眼を入れる手術を施す場合があります。

症状の進行状況により適切な治療が行われますが、手術が必要になる場合もあります。

猫の緑内障の種類

緑内障にかかっている猫

緑内障は、細かく分類されていますが、原因によって大きく以下の3タイプがあります。

  • 先天性緑内障(先天的に隅角に異常がある)
  • 原発性緑内障(原因不明、特定の猫種に多い)
  • 続発性緑内障(ほかの病気が原因で二次的に発症)

猫がかかるのは、ほとんどが「続発性緑内障」と呼ばれるものですが、続発性緑内障を発症しやすい病気には次のようなものがあげられます。

  • 猫伝染性腹膜炎(FIP)
  • 猫白血病ウイルス(FeLV)感染症
  • トキソプラズマ症など
  • ぶどう膜炎

これらの病状と診断されたら、あわせて緑内障を疑う必要があります。

猫と緑内障についてのまとめ

目の検査をしている猫
  • 猫が緑内障になると瞳孔が開く
  • 猫が緑内障になると目の色が緑色や黄色になる
  • 猫が緑内障になると目を頻繁にこする
  • 猫が緑内障になると物につまずいたりぶつかったりする
  • 猫が緑内障になると元気がなくなる
  • 眼圧が高くなる事が緑内障の原因
  • 内服薬や、点眼で猫の緑内障を治療する
  • 手術で猫の緑内障を治療する

緑内障は残念ながら予防することは困難です。また、症状が進行するまで、発見されにくいのも特徴です。定期的に眼科検診をうけさせ、猫の眼圧に異常がないかチェックしましょう。

また意外に思われるかもしれませんが、緑内障だけに限らず、猫の目の病気は早急な治療が必要なものが多いのです。

飼い主さんが発見することがほとんどのため、日頃から愛猫の目の状態を確認し、緑内障の上述以外の症状でも、少しでもいつもと違う場合は獣医さんに診てもらうようにしましょう。

投稿者

女性 ケロキ

大きな目がかわいい猫が目の病気になるととても痛々しいと思いました。猫の様子がいつもと違うと感じても、まさか緑内障とは思えないだろうと感じました。犬よりは緑内障になることは少ないようですが、目の様子がおかしいと思ったらすぐに病院に連れて行くことが大切なんですね。他の病気にかかっていないかチェックをしたり、かからないようにすることが緑内障の一番の予防につながりそうですね。また、動物病院はすべての動物の治療をできるわけではないように、獣医師にも専門分野があります。腫瘍の専門や皮膚病の専門、眼科の専門などがあるので、自宅から行かれる範囲に眼科を専門分野にしている病院があるのかチェックしておくと良さそうですね。
投稿者

女性 キジトラ子

緑内障になると現れる症状で、「目の色が緑色や黄色になる」とありますが、うちの愛猫は元々が黄色い目をしているので、目の色で判断するのは難しいな、と思いました。

物につまずいたりぶつかったりするようになれば、さすがの私も気付くと思いますが、そいなった時には、そうとう症状が進行しているのでしょうね。
見えなくなるだけでも相当辛いのに、それに痛みが伴うのは知りませんでした。

緑内障には残念ながら予防法はない、とのことですが、ある程度の年齢を重ねたら(シニアと呼ばれるようになったら)、目の健康診断もすべきですね。
今年は健康診断の項目から、目の検査を外しましたが、半年後の検査は受けさせようと思いました。
投稿者

30代 男性 masa

猫の緑内障というとなかなかイメージが湧きにくかったのですが、片方の瞳だけ瞳孔が開きっぱなしになっている画像を見てみると、通常時との差は一目瞭然ですね。猫の緑内障は初期段階での発見、治療を行えば失明を防ぐ事もできるようです。角膜炎や結膜炎、目をショボショボさせる等の症状が見られるようなので、少しでも異変を感じた場合は念の為、動物病院を受診しましょう。

ゴミが目に入ってしまった場合等にも、同様の症状が表れる事も多く、ついつい受診を先延ばしにしてしまいがちですが、猫の緑内障はとにかく早期治療が重要です。特に高齢猫の場合は、例えゴミが入っただけかもしれないと思っても、ためらわずに受診するべきですね!もし、ただゴミが入っていただけだとしたらそれでよし、物にぶつかったりする等の症状が出始めてからでは、症状はかなり進行していると思っても良さそうなので、何でも気軽に相談できるような獣医さんを見つけておきましょう!
投稿者

40代 女性 あけみ

緑内障はうちの猫ちゃんがなりました。
眼球のかんじがなんだか変だったので、診察を受けました。すると、緑内障にかかっていました。点眼薬で治そうということになり、毎日2回点眼して祈るように毎日を過ごしていました。2ヶ月ほどで、完治しましてものすごく、嬉しかったです。それからは、2匹の猫ちゃんの目をよく見るようにして気をつけています。

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