人間だけじゃなかった!!春先の体調不良
春先に体調を崩しやすいのは人間だけではありません。猫も春先には体調を崩してしまうことがあります。いくつか気をつけたいこと挙げていきます。
1.感染症
寒暖差や乾燥により免疫力が落ちやすいこの時期は感染症に注意が必要です。感染症とは「ウイルスや細菌が体内に侵入することで引き起こされる病気」のことです。
特に猫風邪は重症化し、後遺症が残ったり最悪の場合は死に至ることもあります。症状は人間の風邪のような症状(鼻水・喉の炎症・発熱)が出現します。
原因となるウイルスはカリシウイルスやヘルペスウイルスです。風邪だからと甘く考えずに動物病院を受診するようにしましょう。また、この時期は持病や過去に罹患した病気が再発しやすい時期でもあるため、飼い主さんがよく様子を見てあげましょう。
2.結膜炎
結膜炎は「結膜」と呼ばれる目の粘膜が炎症を起こし、涙や目やにが大量に出る病気です。ウイルスや細菌に感染することが原因で起こります。
放置すると目やにで目が開かなくなってしまうこともあるため、湿らせたコットンで目やにを取り除いてあげましょう。その際に強く擦ってしまうと皮膚や眼球が傷ついてしまう恐れがあるので気をつけてください。
3.鼻炎
鼻炎は鼻の粘膜に炎症が起き、鼻水が出ます。この症状は人間と同じく、病原菌を外へ排出させるために起こるものです。悪化してしまうと膿のような黄色い鼻水が出ることがあります。
もしも黄色い鼻水が出たらすぐに動物病院を受診してください。また、鼻炎は病原菌だけでなく花粉などアレルギーが原因で起こることもあります。
4.毛球症(もうきゅうしょう)
春になり暖かくなってくると、身を包んでいた冬毛が抜け徐々に夏毛へと変化していきます。換毛期とよばれるこの時期は毛球症に注意が必要です。
猫はとても綺麗好きなので、セルフグルーミング(毛繕い)を熱心に行います。この過程で少なからず毛を飲み込むことになります。少量であれば自然と排出されるため心配ありません。
しかし、換毛期は毛が多く抜け飲み込む量も自ずと多くなります。すると胃腸で溜まった毛が球体になりやがては胃壁や腸壁に傷をつけてしまいます。重症になると手術が必要になる場合もあるため、この時期は特に気をつけなければなりません。
セルフグルーミングだけでなく飼い主さんの手でグルーミングやブラッシングを手伝ってあげましょう。
5.皮膚炎
暖かくなるとノミやダニなども活発になり始めます。ブラッシングは毛球症だけでなく皮膚炎の予防にもなるのでこまめにブラッシングをすることをおすすめします。また、予防として駆除剤を用いる方法もあります。
6.フィラリア
フィラリアは「蚊を媒介とする寄生虫の病気で、最終的に心臓内に到達し成虫になって」しまいます。
さらにフィラリアは、成虫になった寄生虫を殺虫したところでその死骸が心臓や血管を詰まらせてしまいます。そしてそれにより、血行障害や異物反応を引き起こす可能性があります。
フィラリアにも予防薬はありますが、この予防薬はフィラリアが体内に入ることを防ぐのではなく、体内に入ったフィラリアを心臓に侵入することを防ぐ役目を持った予防薬です。
フィラリアは犬の病気というイメージが強いですが、猫も発症する病気です。猫がフィラリアに罹ると以下のような症状が現れます。
- 嘔吐
- 咳
- 呼吸困難など
急激に悪化したり、これらの症状が現れずに亡くなることもあるために猫がフィラリアに罹ると知られていなかったようです。気になる症状がある場合や予防薬を投与しようと検討している場合は動物病院に相談しましょう。
まとめ
厳しい寒さが和らぎ、春が訪れることは嬉しいことです。しかし、この時期は環境の変化や花粉症などで体調を崩しやすくなります。そしてそれは人間も猫も同様であることを理解しておくことが大切です。日頃の生活の中で少しずつできそうなことから病気を予防し、素敵な春を猫と一緒に迎えましょう。