猫が便秘で嘔吐する理由
便秘で嘔吐する場合の危険性
便秘とは大腸内の便の通過時間が遅くなることで、便が固くなり、うんちの回数や量が少なくなった状態のことをいいます。
便秘を放置すると、猫は食欲や元気がなくなり、嘔吐の症状が認められるようになります。嘔吐まで病態が進行すると原因によっては命に関わる場合もあります。ネコが便秘で嘔吐する原因には以下のものが挙げられます。
力みすぎているため
危険度 | ★☆☆ |
---|---|
考えられる原因 | 食事、ストレス、水分不足、運動不足など |
この場合、基本的には猫が排便時に吐いている場合のみを差します。元気、食欲はあり、トイレに行く回数も多くありません。
便秘気味の猫のうんちは固くてコロコロしています。固いうんちを力んで出そうとすると、一緒に嘔吐もしてしまう猫もいます。ただし、これが毎回続くようであれば、獣医師の診察を受けましょう。
腸が閉塞しているため
危険度 | ★★★ |
---|---|
考えられる原因 | 腸重責症、巨大結腸症、会陰ヘルニア、異物誤食、毛玉症など |
猫の便秘が長期的に続くと、腸管内が便で塞がり、全くうんちが出せない状態となります。
しかし、猫はうんちを出そうと力むので最悪の場合、腸が破けてしまうこともあり、便が詰まっているところが炎症を起こして壊死してしまう危険があります。
この場合、猫は元気や食欲がなくなり嘔吐を引き起こします。悪化すると最悪、死亡する危険もあります。猫が以下に当てはまる場合は緊急性が高いので、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。
- 何回も吐いている
- 嘔吐物からうんちのニオイがする
- 元気や食欲がない
- しきりにトイレに行き、普段と違う鳴き方をしている
- お腹を触るととても嫌がる
- 固いうんちは出ていないが、汁のような下痢が出ている
これらの症状はあくまで目安です。猫が嘔吐していて便秘が原因なのか分からない場合は、獣医師に診てもらうようにしましょう。
嘔吐する前に猫の便秘を解消させる方法
猫の便秘マッサージ
マッサージはもちろん便秘の症状が軽いとき、猫に必ず行うようにしましょう。便秘気味の猫は毎日マッサージしてあげましょう。
マッサージの方法は猫がリラックスしているときに、猫を仰向けにして猫のお腹を、指を使って優しく円を描くようになでます。もし仰向けを嫌がる場合は、猫が座っている状態で両足の付け根付近から、お腹に向かって優しく撫でてください。ポイントは強くマッサージしないことです。
水分を多くとらせる
猫が犬よりも便秘が多いのは、水分摂取量が少ないのも原因のひとつです。猫にお水を飲ませるために以下の工夫をしてみましょう。冬場は特にお水を飲む量が減るので、注意が必要です。
- 水飲み場を増やす
- 水を与える容器を陶器に変えてみる
- 食事に水分を含ませる
- 常に新鮮な水を与えるようにする
(最近では常に新鮮なお水が飲めるように自動給水機も普及しています。以下参照)
ペット給水器 ウォーターボトル 自動給水器
猫のお水の好みは食事同様、猫で様々です。試行錯誤をして、猫に一番お気に入りのお水の飲み方、飲み場所を探してあげることが大切です。
猫の便秘に効く食事
便秘気味の猫の食事を変えただけで、便秘が改善してしまうケースもあるほど、便秘の猫にとって食事内容は大切です。便秘気味の猫に必要な食事は以下の通りです。
- 食物繊維を含むもの
- 消化吸収がよいもの
- 腸内環境を整えてくれるもの
- 低アレルギーのもの
一般食で食事を選ぶ基準としては、消化に悪い穀物の使用を控えているものや、減量目的でサツマイモなどの食物繊維を含むもの、アレルギーを考慮してタンパク質を低アレルギーのものに差し替えているものなどが挙げられます。
ただし、治療として食事の変更が必要な場合は、獣医師の指示のもとフードを変えるようにしてください。
毛玉対策を行う
毛玉をうまく吐き出せない猫は腸の中で詰まってしまう可能性があります。毛の長い猫や毛玉をうまく吐き出せない猫は対策が必要です。
日頃のブラッシングはもちろんですが、毛玉が胃や腸の中で固くなるのを防止し、一緒にうんちに排出させてくれる毛玉ケアのおやつや、猫草を日頃から食べさせて毛玉を吐かせやすくするなどの方法もあります。
毛玉ケアのおやつは動物病院でも取り扱っているところが多いので、何を与えるか不安な場合は相談してみてもいいと思います。
現代製薬 スッキリン 50g
乳酸菌を取り入れる
恐らく療法食でも乳酸菌まで添加されているものは少なく、一般食ではほとんどないと思います。やはり便秘の予防として腸内環境のバランスを整えることは大切です。簡単に乳酸菌を取り入れる方法はサプリメントです。市販でも販売されていますが、動物病院でも処方してもらえるので、もし便秘や下痢などお腹の調子が不安定な猫は試してみましょう。
猫の便秘から悪化してしまう恐ろしい病気
巨大結腸症
便秘を繰り返すと、腸管の神経に異常が起こり腸の蠕動運動が悪くなることで、便が腸の中に蓄積してしまい大腸が拡張してしまう病気です。
猫が主に様々な原因で便秘を繰り返した結果、最終的に巨大結腸症を引き起こします。ここまで進行すると、食事療法や、浣腸、下剤の服用など治療が必要となります。拡張した部分を切除する手術が必要となる場合もあります。
会陰ヘルニア
肛門周囲の筋肉が緩み、腸の一部や脂肪、膀胱などがその隙間(ヘルニア)より腹腔から出てしまうことで腸の動きが悪くなり、便秘や嘔吐を引き起こします。ヘルニアが大きくなると症状が悪化する危険もあり、その場合はヘルニアを閉じる手術が必要となります。
まとめ
猫の便秘は病気です。便秘というと、あまり重篤な病気のイメージではないかもしれないですが、悪化すると緊急性が高い病気となります。
普段から猫がどれくらいのペースでうんちをしているのか、どんな形状のうんちをしているのか、量はどれくらい出ているのかなど、日頃のうんちチェックをしてみましょう。
もし、うんちがコロコロている様子や嘔吐、猫がふんばる様子が辛そうであれば、便秘対策を始めましょう。
50代以上 女性 匿名
乳酸菌、療法食等試してますがあまり効果はないですね。骨格の問題では仕方ないのかも。通常は鉛筆くらいのうんさんを数個。した後に嘔吐することもあります。
毎晩私が布団に入ると傍らに寝転んでお腹のマッサージをさせてくれます。自ら揉みやすい姿勢になる所を見ると気持ちいいようです。日によって張り具合が違うので、注意しながら経過観察中です。
『便秘に食物繊維』はよく言われますがかえって腸内の便のかさが増し、出せなくなる場合もあるようです。家でも試して、嘔吐が明らかに増えた経験があります。食物繊維は多ければいいというものでもないようです。ご注意ください。
30代 女性 あーこ
便が出始めるとトイレだけでなくベッドなど様々な場所で排泄する様になり、介護用オムツを着用して、毎日排便が出る様になったり、高齢だからなのか上手くいかなかったり…
昔からその状態を放置していたのだけど、あまりにも出なくて吐いていたり、繰り返しトイレへ行くのは見ていて可哀想でならず薬に頼ってもいいのかな?と、考えてます…