猫が吐く危険な頻度と考えられる病気

猫が吐く危険な頻度と考えられる病気

猫が毛玉などを吐くことはよくありますよね。吐く頻度が少なければ心配することはないのですが、猫が頻度が多く吐いているようであれば何らかの原因が考えられます。そのようなことがあれば心配ですし、もちろん原因も気になると思います。そこで今回は「猫が吐く危険な頻度と考えられる病気」についてご紹介させていただきます。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫が吐く危険な頻度とは

横になっている青い瞳の猫

猫が吐くのに危険な頻度とはどのくらいなのでしょうか。「うちの子、他の猫よりも吐いているかも」「吐く頻度が多いかも」と思ったときには病院を受診することも大切です。ここでは、猫が吐くのに危険な頻度についてご紹介させていただきます。

1ヶ月に3回までの嘔吐頻度の場合

猫が1ヶ月に3回までの嘔吐頻度の場合、こちらは「平均的」な回数ですので特に問題がないでしょう。しかし、吐き方や吐いたものによっては問題になる場合もあるので猫の嘔吐したものをきちんと見ることが大切です。

1日に1回で収まる場合とそうでない嘔吐頻度の場合

1日に続けて何度も吐く場合には危険信号です。他に猫の様子を観察していつもと違うところがないかチェックしましょう。また吐くときもきちんと遠目で様子をみてあげてください。

週に1~2回の嘔吐頻度の場合

週に1~2回の嘔吐頻度の場合にも、平均的な回数よりも多くなっていますのでストレスやキャットフードが合わない、IBD(慢性胃腸炎)などが原因と考えられます。頻度が多いと感じたときには要注意です。

こんなときには気を付けて

猫が「1日に嘔吐を2回して、それが2日以上つづく頻度の場合」は危険なサインです。吐く頻度が多い時には何らかの病気ではないかを疑って、早急に病院に連れて行ってあげるようにしましょう。

また、毛玉ではなく茶色い胃液のようなものを吐き続ける場合などにも注意が必要です。吐く頻度が多くてもきちんと吐いたものをチェックして病院に伝えることが大切です。

猫が吐く頻度が多い時考えられる病気

首を傾げて見つめる猫

猫が頻繁に吐く時考えられる病気はどのようなものがあるのでしょうか。猫が頻繁に吐いてしまうと飼い主も心配になりますよね。そんなときに考えられる代表的な病気についてご紹介させていただきます。

機能性胃炎

猫はストレスを感じやすいので、人間と同じようにストレスを感じることによって胃炎などを引き起こしてしまいます。吐く頻度が多いときには機能性胃炎の可能性があります。このようなときには、病院で薬の投与による治療が施されます。

腎臓病

猫の死因第一位でもある腎臓病、または腎炎などによって吐いてしまいます。この病気になってしまうと老廃物が体内に蓄積されてしまうので胃液のようなものを繰り返し吐いて、吐く頻度が多くなってしまいます。また他にも

  • 下痢
  • 食欲不振

などのような症状が表れます。

急性胃炎

猫は寒がりな動物なのでお腹が冷えてしまったりすると胃炎になってしまいます。また、刺激物を誤飲してしまったときなどにも引き起こされます。

炎症性腸炎

嘔吐を頻繁に繰り返してしまう病気です。食欲がなくなるわけではなく、いつも通り元気なのでなかなか気づきにくく放置をしてしまいがちになってしまいます。こちらは、消化管の炎症が強くリンパ球などの炎症性細胞が消化管に多く存在する状態です。発熱や嘔吐、下痢などの症状があります。

胃潰瘍

猫も人間と同じように胃潰瘍になります。胃潰瘍は、嘔吐を繰り返しぐったりと元気がなくなってしまうといった症状があります。吐く頻度が多いのに放っておくと命に関わるので早急に病院へ連れて行くことが重要です。

慢性胃炎

寄生虫が腸へ侵入してしまうことによって引き起こされたり、キャットフードや食べ物などにアレルギーがある場合に引き起こされる病気です。吐く頻度が多いだけでなく

  • 下痢
  • 体重が減る
  • 食欲不振

などの症状があります。添加物、アレルゲンとなる食材が使用されているなど個体差はありますが、吐き気止めなどを投与しても一向に症状が軽くならない傾向があります。

以上のようなものが代表的な猫が頻繁に吐く時考えられる病気なのですが、至って元気で心配のない嘔吐のものは以下のようなものがあげられます。

 

毛玉を吐く

猫の異常のない嘔吐として「毛玉を吐くとき」です。猫はグルーミングで飲み込んでしまった毛玉を1ヶ月に1~3回ほど吐きます。このような頻度の嘔吐は、病気ではありませんので心配はいらないでしょう。また、毛玉を吐くことがつらそうで可哀相ならば

  • こまめにブラッシングをする
  • 毛玉ケアのキャットフードに変える

などといった対策をすると良いでしょう。

食べ過ぎからくる嘔吐

キャットフードを吐く猫

猫は他の猫や敵に餌を横取りされては困るので本能的に早食いをしてしまったり蓄えておくためにたくさん食べてしまいます。

そのようなときにしっかりと噛むことなく飲み込んでしまうと食後にすぐキャットフードを固形のまま吐いてしまう傾向にあります。元気があれば、問題はないのですが食べ過ぎや早食いは体に負担をかけてしまうので

  • キャットフードを小分けにする
  • 底が凹凸の食べるのに時間のかかるお皿にする

などといった対策をすると良いでしょう。

キャットフードが年齢に合っていない嘔吐

猫はキャットフードが年齢に合っていないと吐いてしまうことがあります。例えば高齢の猫の場合には、運動量も少ないので油の少ない「高齢猫用」のキャットフードを与えなくてはいけません。

年齢に合っていないキャットフードをあげてしまうと消化できなかったり、胃腸に負担をかけてしまいます。そして、体内で処理ができなければ結果的に嘔吐をしてしまうのです。

そうならないようにするためにも、キャットフードは年齢に合ったものを選ぶようにしてあげましょう。

まとめ

上を見上げる子猫

猫は平均的に1ヶ月に1~3回の嘔吐をします。

しかし、それ以上であったり1日に何度も嘔吐をしたり吐く頻度が多いようなことがあればなんらかの病気である可能性もあります。猫の頻繁な嘔吐は病気のサインですので早めの受診を心がけましょう。

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