猫の感染症は人に移るのか?
- 猫から人にうつる感染症もある!
感染症はインフルエンザや風邪など、人間から人間へと移る病気はさまざまありますが、実は猫から人間へ移る感染症もいくつか存在します。
基本的に猫の感染症は猫同士で感染していく病気がほとんどなのですが、例外的に人間へと移る病気もあるため、猫を飼っている方や猫と触れ合う機会がある方は、猫の感染症について正しい知識を持っている必要があります。
そこで、今回の記事では、人間から猫に移る感染症をテーマに紹介をしていきます。
人にも感染する猫の感染症①猫ひっかき病
猫ひっかき病とは?
猫ひっかき病は名前の通り、猫にひっかかれたり、噛まれたりすることによって起きる感染症です。
人に感染する原因
- ベルトネラヘンセラという菌による感染症
- ノミからうつる感染症
猫の体内にいるベルトネラ・ヘンセラという病原菌によって感染する感染症ですが、猫自身はこの菌に感染しても特に異変を起こしません。
また、ノミを介して人間にうつるケースもあるので、引っかかれたり噛まれたりしていないからといって、絶対に感染していないとは言い切れません。
人が感染した時の症状
感染してから約3~10日目頃に、傷口に近いリンパ節が腫れることが多いです。また、微熱やからだのだるさ、関節痛などの症状が出ることもあります。
自然治癒で治ってしまうことも多いですが、場合によっては、脳炎や心内膜炎などを引き起こす可能性もある病気です。
治療法
感染した場合は、抗生物質を病院で処方してもらうのが有効的です。
対処法
また、猫に引っかかれたり、噛みつかれたりした時は消毒を怠らないようにする、飼い猫の場合はノミの駆除を行う、凶暴な野良猫には近づかないといった行動は猫からの感染症の予防に繋がるので大事です。
人にも感染する猫の感染症②トキソプラズマ症
トキソプラズマ症とは?
トキソプラズマ症はトキソプラズマという寄生虫に感染する感染症です。
人に感染する原因
- 猫や人間、豚に感染する感染症
- 生の豚肉から感染する事がある感染症
- 猫のフンから感染する事がある感染症
トキソプラズマは猫や人間以外に、豚などに感染することもあり、生の豚肉を食べてこの感染症にかかる場合もあります。
猫の糞にトキソプラズマの原虫がまぎれていることがあり、トイレ掃除などの際に感染する可能性があるのです。
人がトキソプラズマ症にかかった時の症状
ほとんどの場合、この感染症は人間に感染しても無症状のことがほとんどですが、人によっては発熱やからだのだるさ、リンパ節の腫れなどの症状が見られる場合もあります。
また、妊婦さんが感染した場合、流産や生まれてきた子供に先天性の病気が見られる場合があるため、注意が必要です。
猫がトキソプラズマ症に感染した時の症状
ちなみに猫がこの感染症に感染した場合、成猫だと無症状のことが多いですが、子猫が感染すると発熱や嘔吐、呼吸困難などの症状があらわれ、死に至る場合もあります。
トキソプラズマ症の治療法
人間が感染した場合は、抗生物質などの投与で治療を行います。また、猫が感染した場合も、抗菌薬を使って治療を行うのが一般的です。
対処法
猫に生肉を与えない、外にいる猫と飼い猫を接触させない、妊婦さんは極力猫のトイレ掃除をしない等の行動が感染を防ぐ対処法になります。
猫からトキソプラズマ感染症をもらう確率
ただ、猫から人間に感染する確率は低いです。猫を飼っている人が妊娠をした際、飼い猫にトキソプラズマがいるかどうか検査の希望をすることがありますが、感染していないことがほとんどです。
それよりも、妊婦さんが生焼けの肉を食べて感染する確率の方が高いため、肉の加熱にも十分注意しましょう。
人にも感染する猫の感染症③Q熱
Q熱という感染症は、コクシエラという病原菌に感染することによって起きる感染症です。人間や猫以外にも、犬、うさぎ、鳥類、牛、豚などあらゆる動物に感染することが分かっています。
最初オーストラリアでこの感染症が流行った際、原因が分からず「不明(Query)の熱」と呼ばれたことから「Q熱」という名前がつきました。
人が感染した時の症状
この感染症は猫が感染した時は無症状のことがほとんどですが、人に感染した場合、発熱や悪寒などインフルエンザのような症状が出ることがあります。
Q熱の治療法
テトラサイクリン系の抗生物質を使って治療をしますが、自然治癒することも多いです。
対処法
予防策としては、猫の糞をきっちり処分することや、猫が流産した際むやみに胎児に触らないことが大事です。
まとめ
今回は、猫から人間にうつる感染症についてまとめましたが、いかがでしたでしょうか。
猫と人間のからだの構造は違っても、病原菌によっては感染症に感染する場合もありますし、重症を引き起こす可能性もゼロではありません。
感染症を防ぐには、飼っている猫を野良猫と接触させないようにしたり、ノミの駆除や糞の処理などを適切に行ったりすることが重要になってきます。
また、猫の様子がおかしい時は早めに動物病院へ連れて行くことも重要です。