猫が餌を吐く原因
猫は本来、複数回に分けて少しずつ餌をとる習性があります。ただ、元野良猫の場合や、多頭飼いの場合、お腹がいっぱいになっても無理して食べてしまう事があり、その結果吐き出してしまう事も少なくありません。その他に考えられる原因としては、以下の通りです。
毛球症
飲み込んだ被毛が猫の胃腸に詰まってしまい、便秘や食欲減退、嘔吐につながります。症状が悪化した場合、開腹手術で毛玉を取り出す必要がある事も。
吐出
被毛や異物が食道に詰まり、餌が胃に届かず食道にさらに詰まり、猫が餌を吐き戻してしまう事を「吐出」と呼びます。
食べ物アレルギー
猫が口にした物を身体が拒絶する事で起こる、アレルギー性嘔吐の可能性もあります。いつもと違う餌やおやつを食べた後に激しく吐いてしまった場合は、原材料等をしっかり確認し、アレルギーの元を探しましょう。
便秘
便秘が悪化するとお腹が苦しくなり、猫は餌を食べた後や、ウンチをした後に吐いてしまう事があります。嘔吐物から便臭がする場合は要注意です。
もちろんこの他にも、何らかの重篤な病気が隠れている可能性もあります。猫は餌を吐いてしまう症状が続く場合は、なるべく早く受診してくださいね。
猫が餌を吐く時の対策法
猫が餌を吐いてしまう場合の対策法をご紹介します。
猫餌を小分けにする
まず猫が餌を勢いよく食べた、食べ過ぎたなどが、吐く原因と考えられる場合は、一日の食事の回数を増やし、一回量を減らして与えてみましょう。猫の適切な食事回数については、一日2~5回と個体差が大きく、明確な答えがありません。ただ、一気食いしてしまう場合は置き餌をやめ、一日最低3回以上にしてみると吐き戻しが減るかもしれません。
一気食い防止フードボウル
猫の食事用の容器を一気食い防止の物に変えてみるのも、吐いた対策のひとつの手です。一気食い防止フードボウルは、ボウルに凹凸があるものや、高さのあるものなど様々な種類があるので猫にあった物を見つけてくださいね。
運動不足を解消する
猫が餌を吐く原因としてあげられる便秘などには、運動不足が関係している事もあります。完全室内飼いの猫の場合は、運動不足になりがちなので上下運動ができるように遊んであげるといいですね。
猫の水分補給
猫は本来あまり水を飲まない習性があるため、水分不足が原因で体調不良を引き起こし、吐く事も少なくありません。水飲み場を増やす、自動給水器を利用するなどして、水分摂取量にも気をつけてくださいね。
猫草
猫草は猫にとって、飲み込んだ被毛を外へ出す為のとても心強い味方でもあります。ただし、猫草を食べる度に吐いてしまう場合は、量を調節するか、猫草と同じ効果がある猫草スナック、ヘアボール対応フード等に変更しましょう。
猫が餌を吐く時にチェックすべきポイント
猫が餌を吐いてしまう原因は様々です。すぐに動物病院を受診するべき症状と、落ち着いて様子見するべき症状の見分け方について、以下の4つを参考にしてください。
猫が吐いた嘔吐物の状態
まず嘔吐物の状態をしっかり確認しましょう。餌の消化状態はどうか、異物や血は混じっていないかを確認し、異物や血が混じっている場合は、可能であれば嘔吐物をラップ等にくるみ、かかりつけ獣医に持参しましょう。無理な場合は、スマホで吐いたものを撮影だけでもしておくと、診断材料の一つになるかもしれません。
猫が吐いたタイミング
在宅中に猫が吐いてしまった場合は、まず状況確認を行いましょう。猫は勢いよく餌を食べた後や、猫草を食べた後に吐いてしまう事がよくあります。その場合は、落ち着いてしばらく様子をみましょう。
猫が吐いた後の様子
猫が餌を食べた後、またすぐに餌を食べ始めたり、遊び始めたりするなどの元気な場合はしばらく様子をみましょう。ぐったりして、物陰に隠れたまま出てこない、触られるのを嫌がる、瞬膜(目の内側にある白目のような膜)が出たままになっている場合などはかかりつけ獣医を受診してください。
猫が吐いた回数
食後に一度だけ吐いてしまった場合と、食事をとる度に吐く、一日に何度も吐く、連日吐く等の場合では、猫の身体に掛かる負担も大きく変わります。たとえその他の症状がなく、元気であったとしても早めの受診をおすすめします。定期的に吐いてしまう場合は、吐いた日、回数等をチェックしておくと獣医さんに相談する際に参考になりますね。
上記の4つを踏まえ、すぐに受診すべき猫の吐いた時の症状は
- 猫の嘔吐物に異物や血が混じっている
- 猫の瞬膜が出たままになりぐったりしている
- 猫が一日に何度も吐く
この他にも、長期的にみて猫の体重が減っている、食欲がない、ウンチが出ない場合等はかかりつけ獣医を受診しましょう。
まとめ
猫も人間同様「よく吐く猫」と「全く吐かない猫」がおり、吐く事にも様々な原因があります。よく吐く猫の場合、つい「またか」と油断してしまいがちですが、思わぬところに原因があるかもしれません。猫の様子をしっかり観察し、冷静に判断して、何か不安があれば、早めの動物病院への受診が大切です。