猫の蓄膿症の原因と副鼻腔炎の症状
くしゃみ、鼻水
さらさらの鼻水から、膿の混じった粘り気のある鼻水まであります。また、ひどいくしゃみで鼻の粘膜が傷つき、鼻水に血が混じることもあります。
鼻づまり
鼻がつまってうまく呼吸できないため、呼吸が荒くなったり口呼吸をしたりするようになります。
食欲がない
猫は匂いで食べ物かどうかの判断をするので、鼻づまりで匂いがわからなくなると、その判断ができないために食欲がなくなって、元気もなくなります。
鼻筋が腫れて熱を持つ
炎症がひどくなると、鼻筋から額にかけて腫れて熱を持ち、蓄膿症を発症してしまいます。こうなると痛いので、触られるのを嫌がるようになります。
猫の蓄膿症の前段階 副鼻腔炎の原因
鼻炎
細菌やウイルスの感染により、鼻炎を起こしていると、その炎症が副鼻腔にまで広がることがあります。副鼻腔炎のほとんどは、これが原因となっています。
歯周病
副鼻腔にある蝶形骨洞という空洞は、奥歯のすぐ近くにあります。そのため歯周病で炎症を起こしていると、それが蝶形骨洞にまで広がって、副鼻腔炎を併発することがあります。
その他
薬品やタバコの煙などの刺激物を吸い込んで、鼻の中の粘膜に炎症が起こることで、副鼻腔炎を発症することもあります。また、アレルギーや鼻の中の腫瘍が原因になることもあります。
猫が蓄膿症になる前に 副鼻腔炎の治療
薬による治療
鼻炎や歯周病などからきている場合は、まずその基礎疾患の治療を行います。
原因となる細菌が特定できれば、抗生物質での治療が可能です。ウイルスが原因の場合は、抗生物質では効果がないので、免疫を高める薬などを用います。
症状が重くて呼吸が苦しそうな場合は、ネブライザーという吸入器で鼻や喉に直接薬剤を噴霧することもあります。
しっかり治療すれば、7~10日ほどで症状がおさまってきますが、慢性化を防ぐために、そのあとも薬を続けなければならないことが多いようです。
外科的治療
炎症が進んで重症化すると、蓄膿症を起こして副鼻腔内に膿がたまってしまいます。この場合は、副鼻腔にチューブを入れて、膿を洗い流すという方法をとることもあります。
猫の蓄膿症を防ぐ 副鼻腔炎の予防法
ワクチン接種
鼻炎から副鼻腔炎になることが多いので、鼻炎の原因となるウイルス感染を防ぐために、ワクチン接種を定期的に行いましょう。
外に出さない
鼻炎を引き起こす猫風邪などの病気を野良猫からうつされるのを防ぐために、猫を外に出さないというのも副鼻腔炎、ひいては蓄膿症の予防になります。
まとめ
副鼻腔炎は慢性化しやすく、放っておくと重症化して蓄膿症になるので、できるだけ早く治療することが大切です。日頃から猫の様子をよく観察し、くしゃみや鼻水などの症状が見られたら、すぐに動物病院で診てもらいましょう。