猫は熱中症になりやすい!!
「梅雨寒」という言葉を忘れそうになるほど、ここ最近の梅雨は暑さが目立つようになりました。そして、この時期心配になるのが熱中症です。
猫は人間以上に熱中症のリスクが高く、注意が必要です。猫が熱中症になりやすい背景には、次の2つの要因が関係しています。
水分の摂取量が少ない
猫は砂漠で暮らしていた名残りから、水分を積極的に摂取する習慣がありません。さらに、水に対するこだわりも強く、お気に召さない水は飲んでくれません。
それでも、夏場は脱水を防ぐために何とか水を飲んでもらいたいところです。そこで、新鮮な水を用意する・微量のマタタビを混ぜる・ウエットフードや水分補給系のおやつを活用するなどの工夫をしてみてください。
猫には汗腺がほとんど存在しない
汗は煩わしいものの、体温調節をするうえで重要な役割を担っています。猫はひなたで過ごすことを好む動物ですが、汗をかいている姿を見たことがないでしょう。
実は、猫の体にはヒトのようにさらさらした汗を分泌する汗腺が存在せず、肉球以外の部位から汗をかくことができません。その代わり、毛繕いによって体を湿らせ、気化熱を利用して体温を調節しています。
しかし、気化熱だけでは調節が追いつかず、熱中症を発症してしまうことがあります。先ほどの水分補給とともに、室温を26~28℃程度に維持してあげることが大切です。
見逃さないで!!熱中症の初期症状
飼い主さんが一生懸命気を配っていても、暑さに勝てず熱中症を発症してしまうことがあります。次に紹介する3つの症状は熱中症の初期症状になります。まずはこれらの症状を見逃さないことが重要です。
1. パンティング・呼吸困難
パンティングとは、口を開けてハァハァと呼吸することです。犬によく見られる呼吸法で、いわゆる口呼吸のようなものです。犬の場合は特に問題のある現象ではありません。
一方、猫にパンティングが見られる場合は要注意です。熱中症の初期症状として、急激な体温の上昇ともに口を開けて呼吸をしてしまいます。これに伴い呼吸困難になる恐れもあります。
2. ヨダレを垂らす
猫は時々舌をしまい忘れることがあります。でも、ヨダレを垂らすことはありません。パンティングのように、犬は開口呼吸もヨダレを垂らすこともお馴染みの光景ですが、猫にとっては通常見られない光景です。
猫は効率よく汗をかくことができないので、体温が上昇しやすい傾向にあります。ヨダレを垂らすことも、パンティングと同様に熱中症の初期症状として表れやすい症状になります。
3. ぐったりして動かない
猫はよく眠るため、通常の眠りとぐったりの境界線が分かりにくいかもしれません。見極めるポイントは、愛猫が好きなものに対する反応の有無です。
たとえ眠っていても、ご飯やおやつ、大好きなおもちゃには反応します。それが全く見られない、若しくは反応してもふらついて思うように動けないなどの様子があれば通常とは異なる反応です。
熱中症の初期では、何となくぐったりしていると感じる他に脱水によるふらつきが見られることもよくあります。
慌てずに応急処置を最優先に
愛猫に熱中症の症状が見られたら、慌てずに応急処置をすることが重要です。症状が進行すると嘔吐や意識障害、さらに最悪の場合は命を落としてしまいます。次に紹介する応急処置をした後に動物病院に相談するようにしましょう。
- 涼しい場所へ移動させる
- 水を体全体にかけ、うちわで扇ぐ(扇風機も可)
- 首、脇の下、鼠径部などを氷嚢で冷やす
とにかく「体温を下げる」ということを念頭に置いておきましょう。短毛種の猫に氷嚢を当てる際は、タオルで氷嚢を包んでアイシングします。
まとめ
梅雨時期でも暑さが続く現代、熱中症の危険は常に隣り合わせといっても過言ではないでしょう。細心の注意を払っていても、完全にリスクを回避できるわけではありません。
予防とともに、猫が熱中症を発症した際の初期症状を見逃さず、万が一のときは慌てずに適切な応急処置を心がけましょう。大切な愛猫と適度に涼しい場所で、水分をこまめに摂取しながら夏を満喫しましょう。