猫の体温が高いときに考えられる原因4つ

猫の体温が高いときに考えられる原因4つ

猫の体温が高くなる原因は、風邪以外にもあります。深刻な病気の場合もあれば、緊急処置を行わないと手遅れになるもの、問題ないが注意だけは必要なものなど様々です。ここではありがちな原因4つをご紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.風邪による発熱

横たわって頭をなでてもらう猫

実は「風邪」という病気はありません。発熱を始め、くしゃみ・鼻水・だるさなどの一連の症状のことを風邪と呼んでいるのです。風邪の主な原因菌は、猫カリシウイルスや猫ヘルペスウイルス。1度かかるとキャリアとなり、季節の変わり目や体力が落ちた時に風邪症状が現われる、なかなか厄介な感染症です。

2.風邪以外の病気・怪我による発熱

エリザベスカラーを付けた猫

怪我をすると、ばい菌に対抗するために怪我をした場所が熱を帯びますが、菌が別の場所に移動すると、体温全体が上がることがあります。また、身体のどこかで炎症が起きていると、やはり熱が出てきます。

怪我で怖いのは敗血症。何らかの原因で体内で炎症を起こした場合は、肺炎や気管支炎、胃腸炎・膀胱炎・関節炎・腎盂腎炎など、あらゆる箇所での炎症が考えられます。

風邪・その他の病気・怪我が原因で発熱したときに、飼い主さんにできることはありません。すぐに病院に連れて行き、判断を仰ぎましょう。

3.熱中症

頭に氷嚢を乗せられた猫

温暖化の影響か、近年熱中症になる人や動物が増えてきました。猫の場合は、留守中に思いがけず室内の温度が上がったり、移動中にキャリーケースの中に熱がこもったりしてなることが多いようです。

しかし、熱中症だと気がつくのは、吐いたりぐったりしたり、痙攣を起こしたりという別の症状が現われた後かもしれません。

耳や肉球を触って暑いと感じたら、まずは身体を冷やすことです。保冷剤などを総動員して、首筋や脇の下、大腿部などを冷やしましょう。水をかけても構いません。そして、病院へ急患の連絡を入れ、できるだけ早く連れて行ってください。

ただし、冷やしすぎはよくありません。ドクターの手にゆだねるまでは、身体が冷えすぎないよう常にチェックしつつ、様子を見守り続けましょう。

体温計があるなら体温計で測ってください。ヒト用の体温計で構いません。熱中症で体温が上がっていても、冷やすのは39度台に入ったらやめましょう。平熱(38.5度前後)まで下げるとそのまま体温が急降下して低体温になることがあります。

4.日向ぼっこのし過ぎ

ラグで日光浴のアメショー

日向ぼっこが好きな猫は、触ると心配になるほど熱くなるまで日向にいることがあります。しかし、この熱さは表面だけのこと。若くて元気な猫なら、多少暑くなっても自分でクールダウンできるので放っておいても大丈夫です。

しかし、問題は高齢猫です。高齢猫は体重が減って若い頃より体温が上がりやすくなっているため、熱中症になりやすいからです。

猫が高齢になってきたら、熱中症には要注意。お昼寝場所にレースのカーテンを引いたり一部日陰を作ったりして、直射日光に当たりすぎないよう工夫できるといいですね。

まとめ

猫の頭を冷やす看護師

発熱は、感染症に対抗する自然な仕組みですが、自らの細胞組織を痛めてしまう諸刃の剣でもあります。近年問題になってきている熱中症も同じこと。体温が高いのはとても危険な状態です。

病気・怪我は予防が難しいですが、熱中症は防げます。猫の体温が高いと感じた時にはできるだけ早く原因の当たりを付け、適切な方法で病院へ連れて行ってあげましょう。

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