1.リラックス

香箱座りは、猫が安心しているときに見せる姿勢です。体の下に足を折り畳んだ状態だと、いざというときにすぐに立ち上がることができません。そのため、猫がきれいに前足を隠すようにしている香箱座りは、その場所を安全だと思っている証拠だと考えられています。
さらに、目を半分閉じていたり、耳やひげから緊張が感じられないようなら、完全にリラックスしていると考えて良いでしょう。触ったり追いかけたりせず、そっと見守ってあげてくださいね。
また、リラックスした香箱座りが入眠儀式になっている猫もいるようですよ。
2.やや緊張

香箱座りはリラックス時だけでなく、少し緊張しているときにも見られます。
前足の片方だけ折り畳んだだけで、もう片方は足の裏を床につけているようなときは、攻撃を受けてもすぐに逃げられるように警戒している状態です。また、弱点であるお腹を守ろうとしている状態でもあります。
このようなときは、まわりの状況の変化を察知するために耳を少し後ろに倒していたり、目つきが鋭くなっていたりしていることが多いでしょう。
緊張の理由には、知らない人や他の動物の存在、突然の大きな音など、ちょっと気になる音やニオイを察知したといったことが考えられます。
少しとはいえ、緊張をしている状態ですから、無理に触ったり声をかけたりせず、猫が警戒を解くまでそっとしておくのが良いでしょう。
3.寒い

猫が香箱座りをしているのは寒いと感じているのかもしれません。猫は寒くなると、香箱座りで体を丸め、前足やしっぽで体温を逃がさないようにします。
猫が快適に感じる冬の室温は20〜23度、子猫や高齢猫の場合は22〜26度です。もし、20度を切っているようなら、エアコンやストーブ、ホットカーペットなどを使用して温かくしてあげましょう。体の冷えは免疫力の低下や体調不良などの原因にもなりますので注意が必要です。
また、暖房を使用する際は乾燥対策も忘れずに行いましょう。猫が快適な湿度は40〜60%とされています。加湿器がなくても、洗濯物を干す、お湯を沸かすなど工夫次第で加湿ができます。
4.体調不良

猫は体調が悪いときにも香箱座りをすることがあります。香箱座りは、体調の悪い猫にとって楽な姿勢で、さらに弱点であるお腹を防御できるため、安心できるようです。
もし、香箱座りをしている猫の元気がない、動きが鈍い、食欲が落ちているようなら、体調不良の可能性があるでしょう。特に、いつも活発な猫が急に長時間香箱座りをしているなどの場合は注意が必要です。
体調不良が疑われる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。また、猫が安心して休めるように、温かく静かな環境を用意してあげてくださいね。
まとめ

香箱座りは猫の心理状態や体調を知るうえで重要なサインです。リラックスしている場合もあれば、やや緊張している場合、寒さ対策や体調不良のサインなどさまざまな理由や心理が隠されています。
飼い主さんは姿勢だけでなく、耳や目、呼吸の様子、動きの変化も観察することで、猫の気持ちや健康状態をより正確に理解できるようになるでしょう。
また、必要に応じて環境を整えたり、動物病院を受診したりして、猫が安心かつ健康に暮らせるようサポートしてあげることが大切です。