1.大きな声や急な動きで驚かせる

猫は聴覚が非常に発達しており、人の4〜5倍もの音を感じ取るといわれています。
飼い主が大声で話したり、怒鳴ったり、急に動き出したりすると、猫にとっては「危険な音」や「捕食者の動き」として認識されてしまうのです。
特に、掃除機やテレビの音量、子どものはしゃぎ声なども不安を感じさせストレスの要因になりがち。普段から猫が安心できる静かな空間を確保し、動作はなるべく穏やかにゆったりと行いましょう。
音を立てる作業をする場合はあらかじめ一言声をかけたり、猫を別室に移動させるなどの配慮を忘れないようにすると安心感を与えられるでしょう。
特に猫は警戒心の強い個体が多い生き物です。どんなことに嫌悪感を感じているのかということにも個体差はあるため、愛猫がどんなことを苦手としているのかを把握することもとても大切です。
2.スキンシップを無理強いする

突然、家族や友人に撫でられたり抱きしめられたりしたら…「何かあったの?」と少なからず驚くかと思います。
距離感を大切にする猫にとっては、人間以上に強い不安を感じさせてしまったり不信感を募らせてしまったりする可能性があるので注意が必要です。撫でたい、抱っこしたいという飼い主の愛情も、猫からすると『逃げ場を奪われる行為』になり得ます。
無理に触れようとすると、猫は尻尾をパタパタさせたり、耳を伏せたりして不快のサインを出します。ちょっとした仕草ではありますが、見逃すと『飼い主=怖い存在』として認識され、信頼関係が壊れてしまうことも。
猫が自ら近づいてきた時に優しく撫でる程度にとどめ、構わない優しさも愛情の一つとして大切にしましょう。徐々にステップアップすることを目指しましょう。
最初は、触れられなくても同じ空間に一緒にいられるだけでも充分な愛猫とのコミュニケーションと言えます。
3.環境の変化を頻繁に起こす

猫は縄張りやルーティンを大事にしていて「変化」が苦手な動物です。家具の配置換え、模様替え、引っ越し、家族構成の変化などは、猫にとって大きなストレスになるのです。トイレや食器の位置を少し変えるだけでも、食欲が落ちたり落ち着かなくなる場合があります。
日々の生活リズムや環境はできるだけ一定に保ち、どうしても変化が必要なときは、猫が慣れるまで時間をかけて段階的に行いましょう。
また、引っ越しシーズンや近くで工事をしている時など、新しい匂いや音が多い時期には、猫が安心できる「隠れ場所」やお気に入りの毛布などを用意してあげると安心感を与えられます。
4.叱る・無視するなどのネガティブ対応

「イタズラをした」「トイレを失敗した」などの場面で、怒鳴ったり無視したりするのは逆効果です。猫は叱られても何が悪かったのかは理解できず、ただ嫌な気持ちだけ学習してしまって飼い主との関係に不信感を抱きます。
猫は言葉ではなく「空気」を感じ取る動物なので、声のトーンや態度の変化に強く反応するのです。どうしても叱る必要がある場合は、現行犯(その場)で、「コラ」「ダメ」など短い言葉で鋭く言うようにしましょう。
問題行動があった場合には原因を探ることが大切です。例えば、トイレの失敗なら清潔さや設置場所を見直すなど、猫が安心できる環境づくりで根本的な解決を図りましょう。
猫がストレスを感じている時のサイン

猫はストレスを感じていても、すぐに大きな行動変化を見せないことが多いです。
初期サインとして、以下が挙げられます。
- 毛づくろいの回数が増える
- 食欲が落ちる
- 隠れてずっと出てこない
- トイレ以外で排泄する
- 飼い主に対して攻撃的になる
これらは全て猫なりのSOSであり、放置すると心身に不調が出ることも。まずは猫の生活リズムを観察し、普段と違う様子に気づいたら、無理に構わず静かに見守り、必要に応じて動物病院に相談しましょう。
まとめ

猫は非常に繊細な動物で、飼い主の何気ない行動にも敏感に反応します。「大声を出さない」「無理に触らない」「環境を安定させる」「叱らずに寄り添う」この4つを意識するだけで、猫の安心度は大きく変わります。
また、飼い主の気持ちが不安定になっている時、猫にも少なからず伝わっているものです。
猫がリラックスしてゴロゴロと喉を鳴らす時間を増やすためにも、ぜひ日々の接し方を見直してみてください。あなたの穏やかな態度が、猫にとって何よりの幸せになりますよ。