危険!猫のしっぽを踏んだときに起こること3選

猫のしっぽを踏んでしまったときに心配なのは、ケガにつながること。猫のしっぽは大切な神経や血管が通っていて、大きく傷付いてしまうと一生治らないような障害を負ってしまうこともあるのです。
ここでは猫のしっぽを踏んだときに起こることを、3つに分けて見てみましょう。
1.びっくりして怒る
全体重をかけるほどでない、ほんの軽く踏んでしまうことはあるかもしれません。それでも猫にとってしっぽは感覚が敏感な部分なので、一瞬、痛みを感じますし、びっくりして攻撃的な反応をすることがあります。
多くの場合は、急いで安全な場所へ逃げるなどの行動が見られますが、猫の性格によってはパニックになり、周囲に注意しないとどこかへぶつかってしまう危険があります。また、シャーッと威嚇して「踏まないで」と牽制したり、踏んだ足に反射的に噛みつく場合もあります。
これらの多くは一時的なものなので時間が経てば落ち着きます。しかし、猫が近寄らなくなった場合は、「攻撃された!」と勘違いして飼い主不信になってしまったかもしれません。
2.しっぽのケガ
猫のしっぽは、細い骨がたくさんつながった状態で、薄い筋肉で守られています。先の方にいくほど小さな骨になるので、衝撃を受けると骨折や脱臼をしやすい構造です。そのため、そこそこ体重をかけて踏んでしまった場合、しっぽを傷付けてしまうことがあります。
たとえ骨折までいかない「打撲」や「捻挫」、「軽い神経の圧迫」であっても、猫は痛みや違和感から触られるのを嫌がったり、やたらと気にして舐め続けるようなことがあります。
基本的に猫は痛みを隠す習性があるため、外見上は大きな変化がなくても、ふとしたときに、しっぽをかばうような行動を見せることがあります。異変に気づいたら無理に触って確認しようとせず、すぐに動物病院で検査してもらう方が安全です。
3.永続的に続く後遺症
人間の体重は猫の十倍以上もあります。もし、思いきり強く踏んでしまった場合には、交通事故に遭ったのと同じくらい重傷を負うおそれがあります。
特にしっぽの根元の方を骨折したり神経を損傷したりしてしまうと、しっぽを動かせなくなるだけでなく、強い痛みや神経の麻痺で、排尿・排便ができなくなることも考えられます。
さらに、段差の昇り降りがスムーズにできなくなったり、ふらつくなどの歩行障害が出る危険性もあるでしょう。これらは治療しても完全に回復しないことがあり、一生にわたって介護が必要になるケースも少なくありません。
それだけでなく、しっぽのケガの状態が悪く、先端の血流が悪くなって壊死してしまうようなときは、しっぽを切る断尾処置が必要になる場合もあります。
愛猫のしっぽを踏んでしまったら

意図せず愛猫のしっぽを踏んでしまった飼い主がパニックになってしまうと、猫の様子を注意深く観察できません。猫が興奮した様子のときには、少し距離をあけつつも落ち着いてしっかりと様子を見守りましょう。どこかに隠れてしまうかもしれませんが、そのまま放っておくとしっぽの状態がわかりません。
猫はどうしても痛みを隠そうとするので、外見上問題がなくても油断は禁物です。無理に触らなくてもいいので、次の観察ポイントを見るようにしてください。
- しっぽはいつも通り正しく動くか
- しっぽをしつこく舐めていないか
- 足を引きずらないか
- ジャンプはできるか
- ずっと同じ姿勢で過ごしていないか
- 排泄はできるか
- 食欲はあるか
神経損傷は遅れて症状が出ることもあるため、最低でも2日くらいは観察してください。もしそこで、異常があればすぐに動物病院を受診するようにしましょう。
大きなケガがなかったとしても、猫が飼い主を警戒するようになった場合には、猫が自分から近寄るまで待ってあげます。そして、おやつやおもちゃ遊びで良い印象を作りましょう。通常なら数日から1週間程度で関係も回復することでしょう。
まとめ

足元にすり寄ってくる愛猫のしっぽを踏みそうになってしまうことはよくあります。万が一、踏んでしまったときは、2日くらい猫の様子を観察して、異常がないことを確認しましょう。
猫は人の視界に入りにくい低いところで過ごしているので、急いでいると見失いがちです。しっぽを踏む以外にも、蹴ってしまう、ドアではさんでしまう事故には十分注意が必要です。
日頃から足元を確認して歩く、猫の動線を意識するなど、ちょっとした注意で事故は防げます。特に冬場は暖かい布類に潜り込んでいて、猫の存在に気づきにくいこともあるので日頃から意識しておくことが大切です。