猫の近くのノミに対する3つの対処法

黒くて小さなノミは、家の中でも見つけてもピョンピョン飛び跳ねて逃げてしまい、驚異的な繁殖力であっという間に増殖します。
猫も人間も、刺されると強いかゆみを伴う上、寄生虫を媒介する危険もあるため、適切な対処が欠かせません。ノミを発見したら次の対処法を試してみてください。
1.猫へのノミ駆除薬の投与
家に持ち込まれたノミの侵入ルートに関わらず、多くの場合でノミは猫に寄生しますが、ついたノミが少ない場合、アチコチ逃げ回るので発見するのは大変です。
そのまま猫の身体で増殖しないように、まずは動物病院で処方される滴下タイプの薬を使用しましょう。現在のノミ駆除薬は効果が高く、成虫は24~48時間程度で落ち、お腹の虫にも駆虫効果があります。
ホームセンターやドラッグストアにも市販品がありますが、作用機序の違いなどもあるため、獣医師に相談して猫の体重や健康状態に合わせて処方してもらうのが最も安全です。
あくまでも動物病院で処方されるお薬は駆除薬であり、吸血をして初めて効果が見られるものです。予防用のスプレーやノミとり首輪との併用をおすすめします。
2.生活環境の徹底的な清掃
猫に駆虫薬を投与するだけでは、室内のノミは駆除できません。ノミの成虫は、1日20〜50個の卵を産みますが、それらは畳の目やカーペットの隙間などに入り込んで孵化します。20℃以上の適温環境では2〜3日で孵化するため、早急な駆除が必要です。
ノミ駆除の手順は次の通りです。
まず、猫を部屋から出し、駆除作業中は立ち入らせないようにします。念入りに掃除機で吸引し、ノミの卵や幼虫を除去しましょう。ここで重要なのは、掃除機内のゴミはすぐにビニール袋などに密閉して捨て、掃除機内でノミが繁殖するのを防ぐことです。
次に部屋用のノミ駆除剤やくん煙剤を使用して、部屋の隅々まで駆虫しましょう。猫を部屋に入れるときは、薬剤終了後に十分に換気してからにしてください。
2週間程度は掃除機がけを続けることで、卵から孵化した幼虫の段階で除去できます。面倒ですが、その都度、掃除機内のゴミを捨てるようにしましょう。
3.洗えるものは洗う
部屋の掃除を徹底しても、卵が隠れているとそこから繁殖がはじまります。カバー類やクッションなど布製品で洗えるものは、60℃以上の高温に漬けてから洗濯しましょう。冷水や常温ではノミや卵が生き残ることがあります。
アウトドアの帰りには、地面に直置きしたバックパックや靴、座ったときの衣服の折り目などに、卵や幼虫がついていることがあります。
猫の近くにいたノミが、猫が持って帰ったものでない場合、このように飼い主が持ち込んで家の中で孵化してしまったケースも考えられます。外で使った道具があれば、外で広げてよく叩き落としてから天日干しをするか、洗えるものは60℃のお湯で熱処理しましょう。
家の中のノミの潜伏場所と繁殖の予防法

家の中にノミがいる場合、猫に寄生する割合はほんのわずかで、多くは卵や幼虫の状態で環境中に潜んでいます。暗くて湿気のある隙間がノミの潜伏場所です。ホコリの溜まりやすい場所はリスクが高いと考えてよいでしょう。
- カーペットの奥
- 畳の目の間
- 日向の猫ベッド
- 収納スペース
- 玄関マットなど
これらの場所からノミを孵化・増殖させないためには、こまめに掃除機をかけ清潔にすること、猫の寝床は定期洗濯すること、湿気がこもらないようにこまめに換気することが重要です。必要に応じて、室内用ノミ駆除剤を使用するとよいでしょう。ただし、成虫を見ていない場合は、無理にする必要はありません。
また、猫には完全室内飼いでも、ノミ駆虫薬の定期的な投与が推奨されています。ノミは外から簡単に持ち込まれ、急激に増えるため、屋外に出ていない猫でも、知らないうちに環境中のノミが猫に寄生するケースがあるからです。
滴下タイプの投与は簡単ですが薬効上副作用のある可能性のある薬なので、かかりつけの獣医師とよく相談して投与するとよいでしょう。
同時に新たな持ち込みを防ぐために、外猫との接触を避けることも大切です。
まとめ

猫についていたノミの成虫は足が速く、猫の体から離れると一気にジャンプして見失います。一方、卵や幼虫は小さすぎて目で見えにくく、油断すると家の中でドンドン増殖していく厄介者です。
外に出る猫はもちろんのこと、室内飼いでも、飼い主が外から卵を持ち込むことはありますので、ノミを見つけたら焦らず、猫への駆除薬と部屋中の清掃を徹底的に行いましょう。
もちろん、繁殖させないためにも、掃除機をかけた後のゴミ処理や布製品の熱処理なども重要です。
ノミは夏のものと思われますが、暖房で部屋があたたかくなる冬場も注意が必要です。近年では温暖化により冬の平均気温が上昇傾向があることからも、地域によってはノミの活発化が見られると言われています。日頃からノミを落とさない・増やさない環境にしておくことが大切です。