1.抱っこの練習をする

最初から抵抗なく抱っこさせてくれる猫でないかぎり、まずは段階的に慣れてもらう必要があります。
いきなり持ち上げると「体を抑えつけられた!」と感じ、抱っこを嫌いになってしまう可能性があります。
まずはハードルの低い「膝の上」で抱っこをする練習から始めましょう。
猫がソファなどでくつろいでいるタイミングを見計らって、優しく声をかけながら腕を添えます。
もし受け入れてくれたなら、両手で包み込むように上半身を支え、そっと膝の上に乗せてみましょう。
慣れてきたら「抱き上げる」ことにもチャレンジを。
猫が不安定にならないよう、体をしっかりと自分に密着させ、お尻や後ろ足を優しく支えるのがポイントです。
2.抱っこを「よい出来事」と結びつける

寒い季節に多くの猫が抱っこを求めてくるのは、飼い主さんの膝の上が暖房代わりになるからです。
筆者の愛猫も、膝の上にブランケットを置いておくだけで、抱っこの成功率がアップします。
「膝の上に乗ると温かい」というように、猫にとってなにかよい出来事を結びつけるのがおすすめです。
抱っこ中に特別なおやつを与えたり、猫が喜ぶ場所を優しくブラッシングしたりといった行動を、さりげなく取り入れましょう。
抱っこの魅力に気づくと、こちらから誘わずとも、猫自ら積極的に近づいてきてくれることもあります。
3.猫とのコミュニケーションを見直す

「他の家族なら抱っこできるのに、自分だけ反応が悪い気がする・・・」と感じる場合は、猫とのコミュニケーションから見直す必要があります。
そもそも抱っこを好む猫は少ないのですから、抱っこを許してもらうには「この人なら安心」と思ってもらうことが大切です。
猫に好かれる人とは「一緒にいて安心できる人」です。
大きな声ではなく「小さな声」で話しかける、急に近づくのではなく「そっと」近づくなど、日常の接し方から振り返ってみましょう。
もし抱っこだけをイヤがるのなら、単に間違った抱き方をしていただけという可能性もあります。
ここからは、抱っこのときにやってはいけないNG行為を解説していきます。
抱っこのときにやってはいけないNG行為

抱っこのタイミングを間違える
猫が別のことに集中しているときに、抱っこしようとしていませんか?
極端な例では、ごはんを食べている最中に抱っこするような行為です。
「猫が今抱っこを受け入れやすい状態かどうか?」を、よく観察する必要があります。
窓辺を見ながらゆっくりリラックスしているように見えて、実は熱心にパトロールしていることも。
一方、じっと見つめてきたり、体をこすりつけたりといった仕草が見られたら、猫のOKサインかもしれません。
イヤがっているのに抱っこをやめない
抱っこ中に尻尾をパタパタさせたり、体をねじったりするのは「もうやめて!」のサインです。
「慣れてもらうため」と思って拘束し続けるのは、逆効果になってしまいます。
イヤがるサインが出たらすぐに降ろし、猫の気持ちを尊重しましょう。
特に慣れないうちは、数秒程度の短い時間にとどめるのがおすすめです。
ただし、単に抱っこの体勢が悪かっただけという場合もあります。
時間を少し置いて再チャレンジし、イヤがらずまったりしているようであれば、様子を見てもよいかもしれません。
まとめ

猫を抱っこの虜にさせるには、猫にイヤな思いをさせないことが何より大切です。
間違った抱き方や、段階を踏まずにいきなり持ち上げることは、猫に怖い印象を与えてしまいます。
最初は膝の上で慣らすところから、少しずつステップアップするのがコツです。
もし他の家族はOKなのにあなただけNGなら、日常のコミュニケーションや抱き方を見直してみてください。
最初から抱っこが得意という猫の方が珍しいので、焦る必要はありません。
猫のペースを尊重しながら、ゆっくりと時間をかけてチャレンジしていきましょう。