猫が手をクロスさせるときの心理5つ

猫が前足を交差させる姿には、そのときの気分や体調が反映されていることがあります。ここでは、よく見られる5つの心理を紹介します。
1.リラックスして安心している
もっとも多いのがこのケース。前足をクロスさせているとき、猫は落ち着いた気持ちでくつろいでいることが多いです。
体の力も抜けており、警戒心も薄い状態。飼い主との信頼関係ができているサインとも言えます。
2.体をコンパクトにして保温したい
寒さを感じるとき、体の熱を逃がさないように前足を重ねて丸くなることがあります。この姿勢では、お腹やしっぽも体の下に巻き込み、できるだけ小さくまとまろうとするのが特徴です。
3.軽く警戒している・様子をうかがっている
一見リラックスしているようでも、耳がピンと立っていたり、目線が鋭い場合は周囲に気を配っている証拠。
周囲の音や気配を探っているときなど、「半分だけ警戒モード」に入っていることがあります。
4.安定感があり落ち着くから
前足を交差させることで、姿勢が安定しやすくなります。猫によっては「なんとなく落ち着くから」「この形が好き」という理由で習慣的に取ることもあるようです。
5.眠気がある・まどろんでいる
眠る直前やウトウトしているときに、前足を投げ出しクロスさせることがあります。完全には寝たくないけれど、体を少し休めたいときなどに見られる、まどろみのサインです。
手の組み方によって意味は変わる?

猫の「手のクロス」とひとことで言っても、その位置や姿勢によって心理状態は少しずつ異なります。
前足をどこで、どのようにクロスしているかを見ることで、猫の気分や体の状態をより深く読み取ることができます。
前足を体の前でクロスしている場合
最もよく見られるスタイルで、「安心」「満足」「リラックス」を表す姿勢です。敵に備える必要がない完全な安心状態のときに見られます。
特に、香箱座りの状態で軽く前足をクロスしているときは、通常よりもさらに深くくつろいでいる証拠です。
顔の前で手をクロスしている場合
手を顔の前に置くようにしてクロスしているのは、「まぶしさを防ぎたい」「眠いけど安心している」といった気持ちの表れです。
明るい光を遮りながらウトウトしていることが多く、穏やかな安心感と眠気が入り混じったリラックスモードといえます。
体の横や胸元でクロスしている場合
体の側面や胸元で前足を組むようにクロスしている場合は、「体を温めたい」「落ち着いて休みたい」といったサイン。
やや室温が低いときなどに体温を逃さないよう、保温目的でこの体勢を取ることがあります。穏やかにくつろいでいる証ともいえるでしょう。
見かけたときの接し方や注意点

猫が手をクロスしているときは、そっと見守ってあげるのが基本です。その体勢をとっているということは、「今の姿勢が快適」と感じている証。無理に触ったり、構おうとせず、猫のペースを尊重しましょう。
ただし、長時間同じ姿勢を続けていたり、動きが鈍い・元気がないなどの様子が見られる場合は注意が必要です。関節の違和感や体調不良が原因で、動くことを避けている可能性もあります。いつもと違うと感じたら、体調の変化に目を配りましょう。
まとめ

猫の「手をクロスする仕草」は、癖だけではなく、リラックス・警戒・眠気・保温など、猫の気持ちが現れる大切なサインであることがあります。耳の向きや表情、姿勢の変化などとあわせて観察することで、今の気分をより正確に読み取ることができます。
何気ない仕草の中にこそ、猫の本音が隠れているもの。小さなサインを見逃さずに、猫の気持ちに寄り添う暮らしを心がけていきたいですね。