猫が『緊張しているとき』にみせるサイン

皆様はどんな場面でも気丈に振る舞えるタイプですか?それとも"緊張しい"ですか?筆者はとても緊張しやすく、オドオドしてしまうタイプです。
猫はというと、とても繊細な動物なため、日常のあらゆる場面で緊張感を味わっています。例えば通院や来客の訪問、ちょっとした物音に対してさえも"ドキッ"とするほどです。
とはいえ猫は、元々単独で逞しく生きる存在。人間であれば冷や汗をかくほど緊張する場面でも、それを隠し通そうとします。これはこれでしんどいですよね。
ということで、今回は『緊張している猫』がみせる4つのサインと、少しでも安心できる対処法について詳しく解説いたします。
1.姿勢を低くする

あまりの緊張からその場を立ち去りたい猫は、周囲に気づかれないように身を低くします。いわゆるへっぴり腰です。これは、特に来客時に見られる光景です。
へっぴり腰になりやすい猫は、低いスペースに潜り込もうとします。とりあえず隠れることで安心できるからです。したがって、予めソファーの下やドーム型のベッドなど、隠れやすい場所を作っておくといいですね。
人間側の対応としては、あえて声をかけずそのまま逃げさせるのがベター。身を潜めたところで、『大丈夫だよ』『気が向いたら出ておいで』などと優しく話しかけてあげてください。
2.目を見開いてイカ耳になる

へっぴり腰まではいかずとも、表情から緊張が見て取れる場合があります。それが大きく見開いた"黒目がちな目"と、イカ耳です。
イカ耳とは耳を横に寝かせる仕草で、シルエットがイカに見えることからそう呼ばれています。一般的に恐怖や怒り、緊張などを表すサインです。
犬は嬉しい場面で耳を後ろ側に倒すので誤解が生じやすいのですが、猫の場合は真逆の反応であると理解してあげてください。
まん丸な目もまた可愛らしい印象を与えるのですが、興奮しているので近づくのは危険です。激しく威嚇されたり、攻撃される恐れがあります。
よって、この表情を目の当たりにした際は離れた位置から見守るようにしてください。
特にビックリするような出来事の後に見られる表情でもあるので、『もう大丈夫だよ』『怖くないよ』などと優しく声をかけてあげるのもいいですね。
大好きな飼い主さんの声かけに安心する猫も多いので、音に敏感な猫には日頃から優しい声色で話しかけるように心がけてみてください。
3.しっぽを巻き付けて座る

先ほどまでとは打って変わって、一見すると緊張していることが分かりにくいパターンがあります。その1つが『しっぽマフラー』です。
これはしっぽを巻き付けて座るポーズで、"敵意がないので襲わないで"という意思表示や、過去にしっぽを痛めた経験から防御の姿勢を取っているなどの意味合いがあります。
特に多頭飼育のご家庭では、他の同居動物に対してサインを送っている場合があります。
ちょっぴり苦手な子と接触しているようであれば、『仲良くしてね』や『優しくしてあげてね』と促すと同時に『○○ちゃんは優しい子だから大丈夫』としっぽマフラーの猫に対しても声かけをしてみてください。
あくまでも中立的な立場でいることが重要です。接近することに対して過剰に叱るとかえって関係がこじれてしまいます。
ただし、明らかに攻撃を仕掛ける雰囲気がある場合は『攻撃しないよ』と忠告をします。そのまま喧嘩に発展した際は、布や薄い箱などを衝立にして互いの視界を逸らせるようにしてください。
人間のお客様に対してこのポーズを取っている場合は、『まだ緊張してるわ』とさり気なく状況を伝えておくと良いですね。
ちなみにこの姿勢は、単なる防寒として取ることもあります。特に緊張してる場面でなければ、部屋を暖めたり、こたつをつけて暖を取りやすくしてあげてください。
4."犬の伏せ"のようなポーズを取る

猫も"犬の伏せ"のような座り方をすることがあります。その見た目から『スフィンクス』と呼ばれるポーズです。
実は、このポーズは緊張のサインでもあるのです。なぜかというと、いざという時にさっと立ち上がれるからです。
その気になればいつでも逃げられる安心感を同時に得ている警戒モードだと察してあげてください。敢えて空気のように振る舞っておくことで緊張が解けることも多いので、独り言のように話しかけながら別の作業をするなどの対応をしてみてください。
まとめ

今回は、猫の緊張を表すサインを4つ紹介いたしました。改めて猫がドキッとするシチュエーションを整理しておきましょう。
- 突発的な物音
- 来客(離れて暮らす親族や友人も含まれる)
- 通院を察したとき及び診察台に上げられたとき
- 苦手な同居動物との鉢合わせなど
愛猫が緊張していることに気づいた際は、次のような対処法を積極的に行ってください。
- 安心できる場所に避難してもらう
- 優しく声をかける
- 敢えて声をかけずそっとしておく
- 絶対に追い回さない
- 悪気のない同居動物を叱らないなど
これらの対応を参考に、それぞれのシチュエーションに合わせた対処法を試してみてください。