1.ジャンプ力

猫は高いところが好きで、スッと軽々と飛び乗ってしまいます。猫は助走なしでも1.5~2mほどの高さまで一気に跳ぶ力を持っています。これは一般的な猫の体高(猫が4本足で立っているとき床から肩甲骨の高さ)の約5倍の高さです。人間に例えると猫のジャンプがいかにすごいかわかります。
猫が助走なしで素晴らしい跳躍力を生み出せるのは、体がバネのように動くからです。猫の後ろ足は瞬発的な力を生み出す筋肉が多く、背骨は弓のようにしなります。この2つのパーツによってバネのように体を使い、高く跳ぶことができるのです。
2.瞬発力

猫はもともと狩りをする動物です。獲物を追いかけて捕まえるため、素早く動き出すことができ、短距離を走ることが得意です。猫が本気で走ると、時速約48kmの速さを出せると言われています。
猫の素早さの秘密は、筋肉と肉球にあります。猫の筋肉は、一瞬で最大の力を出せる筋肉の割合がとても多いのが特徴です。この筋肉のおかげで、獲物に向かって瞬時に飛び出すことができます。また、素早く動いたときに骨や関節にかかる衝撃を肉球が吸収し、汗でわずかに湿った肉球の滑り止め機能で急な加速や方向転換を可能にしているのです。さらに、肉球が足音を吸収するため、獲物に気づかれずに近づくことができるので、瞬発的な力を発揮できます。
3.柔軟性

猫は狭い箱にすっぽり収まったり、体を長く伸ばしたり、とても柔らかいのが特徴的です。その柔らかさから「猫は液体」と表現されることもあります。
猫の体の柔らかさは、骨の数に秘密があります。人間の骨の数は約206個ですが、猫の骨はそれを大きく上回る約240個もあります。特に背骨の数が多く、しなやかに体を曲げたりひねったりすることができるのです。しなやかな体は、狭い隙間を通るのにも役立っています。
ちなみに、猫はセンサーの役割のあると言われているヒゲなどのさまざまな感覚を使って頭が通れる隙間かどうか、瞬時に判断しています。
4.バランス感覚

猫は高いところから落ちたとしても、4本の足で地面に着地することができます。また、細い手すりの上などをスイスイと歩くこともできるなど、バランスを保つことが得意です。
猫が体勢を保つことができるのは、耳の奥にある、体の釣り合いをとる三半規管が非常に優れているからです。三半規管は体の傾きを瞬時に察知して、反射的に体勢を直すように指示を出します。それによって、高いところから落ちたとしても、頭、上半身、下半身を別々に素早く回転させ、どんな体勢で落ちても、必ず足から着地できるのです。
まとめ

私たちが普段見ている愛らしい猫は、その小さな体の中に、高い跳躍力、俊敏な動き、驚異の体の柔らかさ、そして抜群の体勢を保つ能力という、まるでアスリートのような体の才能を秘めています。この秘密を知ると、猫が遊んでいる姿や、高いところに飛び乗る姿を見るのが、もっと楽しくなりますね。