1.触ってほしい

猫は、飼い主さんに触ってほしいときにお尻を上げることがあります。これは、母猫にお尻を舐めてもらっていた子猫時代の名残です。飼い主さんに対して、「ナデナデしてね」「お世話をしてね」と甘えているのでしょう。
また、猫の尻尾の付け根には、フェロモンを出す分泌腺があります。多数の神経が詰まっている場所でもあり、触られると気持ちいいのかもしれません。お尻を上げて擦り寄ってくるときは、飼い主さんへの愛情や信頼を伝えているというわけです。
甘えの気持ちでお尻を上げるタイミングは、飼い主さんが猫をなでている最中というのが一番多いと思います。なでられているうちに気分がよくなり、ゴロゴロ甘えているという状態です。中には、飼い主さんが帰宅すると嬉しくてお尻を上げてしまう猫もいるようです。
2.獲物を捕まえたい

猫がお尻を上げる行動は、遊びの最中にも見られます。これは、姿勢を低くして獲物を狙っているときの動きです。獲物に気付かれないように重心を下げているわけですが、お尻を上げてフリフリする猫もいます。
獲物を捕まえようと追いかけているときにも、お尻を上げる場合があります。猫自身にお尻を上げている自覚はないかもしれませんが、狩りを行うときには下半身が軸となるため、結果としてお尻が上がることがあるようです。
このような行動は、レーザーポインターや紐付きおもちゃで遊んでいるときに見られることが多いです。猫が本来持つ狩猟本能から来る行動であり、集中している証拠でもあります。甘えていると誤解してなでようとすると、「邪魔された」と怒ってしまう可能性があるでしょう。
3.発情している

外で暮らしている猫は春と晩夏に発情することが多いといわれています。しかし、避妊手術を受けずに1日中室内で過ごす飼い猫の場合は、交尾をしない限り1年を通して発情期が訪れる可能性があります。
発情期になると、オスはメスを探し、メスはオスを誘うような行動を示します。中でも「マーキング」は代表的な発情行為で、お尻を上げておしっこをすることも少なくありません。
また、メスがオスを受け入れる準備が整うと、「ロードシス」という行動を示すことがあります。これは、「フセ」の姿勢からお尻だけを上げるというもの。つまり、お尻を上げているときは発情期を迎えている可能性もあるということです。
マーキングだけでなく、大声で鳴いたり、急に神経質になったり、体を地面に擦り付けたりといった行動が見られることもあります。
上手に応えるコツ

猫がお尻を上げたときは、その前後の様子や現在の状況をチェックしましょう。お尻を上げる行動には様々な意味があるため、行動そのものだけでは気持ちを推し量ることができません。
例えば、スリスリ近寄りながらお尻を上げたときは、甘えていると考えるのが一番自然です。こんなときには、お尻を上げなくなるまで撫でてあげるといいでしょう。尻尾の根元あたりを撫でてあげるのがおすすめです。
おもちゃで遊びながらお尻を上げたときは、狩りの真似事をしている可能性が高いです。獲物を狙っている真っ最中なので、温かく見守ってあげてください。爪とぎ中や寝起きにお尻を上げるのは「ストレッチ」の場合が多いため、これもそっとしてあげるのが無難です。
マーキングでお尻を上げたときは、周囲の環境に敏感になっている可能性が大きいです。安心できる場所を確保して、余計なストレスがかからないようにしてあげましょう。
まとめ

猫は、「甘えたい」「狩りをしたい」など、様々な理由でお尻を上げます。愛猫の気持ちを読み解くには、どんな状況でお尻を上げたのか確認することが必要です。そのために、普段から行動パターンを観察する習慣をつけるといいでしょう。