1.唸り声などの威嚇行為が見られるか

スロバキアのある大学で行われた研究では、ケンカの場合は低い唸り声をあげる姿が多く見られ、じゃれあいの場合はほとんど見られなかったと報告しています。
つまり「唸り声を出しているかどうか」が、見極めのポイントになるということ。
「シャー」や「ウゥー」といった声が聞こえてきたら、要注意です。
さらに、顔つきや姿勢にも注目しましょう。
瞳孔が大きく開いている、背中や尻尾の毛を逆立てている、耳を伏せているときは、攻撃的な感情が高まっているサインです。
どれか1つだけで判断するのが難しい場合は、全体の様子から読み取ってみてください。
2.力を加減しているか

遊びの最中でも、猫はパンチや軽い噛みつきを見せることがあります。
ただし、その際は相手を傷つけないように力をコントロールしているのが特徴です。
爪を出さずにパンチしたり、「甘噛み」と呼ばれる軽い噛み方をしていたりするならば、遊びの可能性が高いでしょう。
反対に、爪や牙を出して相手に本気で攻撃をしている場合は、ケンカに発展しています。
急所である首根っこや、顔まわりが狙われやすく、攻撃された側が悲鳴のような声を挙げることも。
ケガにつながる前に、飼い主さんは速やかに仲裁に入りましょう。
3.一方的に攻撃を続けているか

猫は本来、無用な争いを避ける生き物と言われています。
野生の猫でも、縄張り内ですれ違った場合はお互い目を合わせないといった、暗黙のルールがあるほどです。
しかし、ヒートアップしてしまうと、相手が引いているのに一方的に攻撃を続けることがあります。
お腹を見せて降参のサインを出しているのに攻撃をやめない、逃げているのにしつこく追い回し続けるといった場合は、ケンカの可能性が高いでしょう。
ただし、子猫が成猫を追いかけているときは、遊びたくて近づいているだけということもあります。
ケンカを安全に仲裁する方法

ケンカ中の猫は興奮状態にあるため、素手で引き離そうとすると飼い主さんまでケガをしてしまうおそれがあります。
猫同士を安全に引き離すためには、2匹の間にクッションや段ボールを入れて、お互いの存在を見えなくするのが効果的です。
少し落ち着いてきたら、それぞれ別の部屋でクールダウンさせましょう。
もしくは、別のことに意識を向けさせる方法も効果的です。
具体的には「水をかける」「おもちゃを転がす」「鈴などで大きな音を鳴らす」などで気をそらすことができます。
仲裁の際に、猫を叱るのは逆効果。
強く叱ると飼い主さんとの信頼関係にヒビが入る可能性もあります。
相性の問題もありますので、無理に仲良くさせようとせず、お互いが安心して過ごせる環境を整えてあげましょう。
まとめ

猫は遊びのときもケンカのときも、取っ組み合いやパンチ、噛むといった行動を見せます。
見極めるには、発声や表情などを注意深く観察することが大切です。
手加減なしに攻撃を続けているようなら、飼い主さんが安全にストップをかけましょう。
仲裁するときは、直接手を出すのではなく、間に物を挟むのがポイントです。
もちろん、ただのじゃれあいであれば止める必要はありません。
過度に干渉せず、猫たちなりのコミュニケーションを見守っていきましょう。