愛猫が朝に激しく鳴く5つの理由

朝になると突然、大きな声で鳴き出す猫の姿に戸惑った経験はありませんか?猫の「朝鳴き」には、単なる甘えや生活リズムだけでなく、年齢・習性・体調などさまざまな要因が関係しています。
ここでは、朝に鳴く主な理由を5つに分けて解説します。
1.体内時計による「朝の狩りモード」
猫は薄明薄暮性(明け方と夕方に活発になる性質)の動物です。飼い主がまだ寝ている早朝に、活動スイッチが入ってしまい、鳴いたり動き回る行動がよく見られます。
2.朝ごはんの催促
「そろそろごはんの時間じゃない?」とばかりに鳴いてアピールする猫も少なくありません。特に決まった時間に食事を与えている場合、習慣と結びつきやすく、朝になると鳴くクセがつきやすくなります。鳴いたことでご飯をもらえた経験のある猫に多いです。
3.飼い主を起こしたい・構ってほしい
一緒に寝ている飼い主を起こそうとしたり、朝のスキンシップを求めて鳴くケースもあります。
日頃の遊びやふれあいが不足していると、「朝にまとめて甘えよう」と考える猫もいます。
4.夜間の刺激不足による不満
夜〜朝にかけて刺激が足りず、退屈やストレスがたまってしまうと、朝に行動が爆発しやすくなります。特に運動量が多い若い猫や、室内飼いの猫に見られやすい傾向です。
5.加齢や体調の変化
高齢の猫では、昼夜の感覚が乱れやすくなり、明け方に不安や混乱を感じて鳴き出すことがあります。
ほかにも、軽い痛みや違和感が朝に強くなることもあり、体調面にも目を向けておく必要があります。
朝鳴きに病気のリスクはある?注意したいサイン

朝の鳴き声が毎日続く、鳴き方に異常があるといった場合は、体調の異変や病気が関係している可能性もあります。以下のような症状が見られるときは、早めの受診を検討しましょう。
認知機能の低下
高齢猫に多く、夜間や早朝に混乱したように鳴くことがあります。
徘徊、昼夜逆転、トイレの失敗などの行動変化が一緒に見られる場合は、認知機能の衰えが進んでいる可能性があります。
甲状腺機能亢進症
中〜高齢の猫に多いホルモン疾患で、落ち着きのなさや鳴き声の増加、食欲増進と体重減少などが見られます。早朝に活発になることも多く、注意が必要です。
泌尿器系のトラブル
膀胱炎や尿路結石などにより、排尿時の不快感から鳴くケースもあります。朝にトイレに行きたがるのに排尿できない様子があれば、すぐに病院へ。
慢性的な痛み・不快感
関節痛や口内炎などがあると、寝起きや朝方に痛みが強まり、鳴き声となって現れることがあります。
ストレスや精神的な不安
環境の変化、引っ越し、家族の不在などがストレスとなり、早朝の鳴き声に表れることも。
特に神経質な性格の猫や、分離不安傾向のある猫で見られやすいです。
頻繁な朝鳴きを減らすための対処法

朝の鳴き声は習慣化しやすいため、正しい対応を取ることで改善できるケースが多くあります。叱ったり慌てて反応するのではなく、根本の原因を理解したうえで対処することが大切です。
自動給餌器を使ってごはんの催促を回避
人間が起きる前に自動でフードを与える仕組みをつくると、猫が「飼い主=ごはん」だと覚えにくくなります。
夜にしっかり遊んでエネルギー発散
就寝前にしっかり遊ぶことで、夜から朝にかけて落ち着いて過ごしやすくなります。猫じゃらしなどで5〜10分遊ぶだけでも効果的です。
トイレ・水・室温など環境チェック
就寝前にトイレをきれいにする、水を用意しておく、空調を整えるなど、朝に不快を感じないよう配慮しましょう。
鳴いても反応しないルールを徹底
甘えや催促が目的の朝鳴きに反応しすぎると、癖になることがあります。心を鬼にして無視を続け、「鳴いても意味がない」と学習させることも有効です。
異常が続く場合は早めに受診
いつもと違う鳴き方や、併発する異変があるときは、動画を撮って病院で相談しましょう。
まとめ

猫が朝に激しく鳴くのは、習性や要求だけでなく、ストレス・加齢・病気など複数の背景が絡んでいる場合があります。
まずは日常の環境や接し方を見直し、それでも改善しない場合は、病気の可能性を視野に入れた対応が必要です。焦らず、猫のペースに寄り添った方法で、飼い主も猫も快適な朝時間を目指しましょう。