猫と一緒に旅行に行くのは難しい?

猫と一緒に旅行に行くことは、基本的には難しいと思っていた方がよいでしょう。
猫は環境の変化が苦手で、縄張りから離れることが大きなストレスになるからです。
実際、あるペット保険会社の調査では、猫の飼い主さんの7割以上が「ペットとの旅行は考えていない」と回答しています。
また、旅行中は目を離せず、猫を連れて入れない施設も多いなど、飼い主さんの行動も制限されがちです。
最も主流なのは「留守番」や「預ける」方法です。
とはいえ、さまざまな事情があって、猫を旅行に連れて行くことが必要になるかもしれません。
猫の安全と快適さを守るために、いったいどのようなポイントを押さえておくとよいのでしょうか。
猫と一緒に旅行に行くときに検討すべき4つのこと

1.無理なく移動できるか
普段ほとんど家から出ることのない猫に、いきなり遠出させるのは無理があります。
まずは短時間のドライブなど、近場で慣らす練習から始めましょう。
嘔吐やよだれなどの車酔いの症状が出た場合は、酔い止めを事前に処方しておくと安心です。
移動の際は、運転手以外に猫のお世話ができる人が同乗していると、ケアが行き届きやすいでしょう。
また、シニア猫や子猫の場合は体力的な負担が大きく、旅行自体を控えた方が安全です。
病気やケガをしている場合も無理は禁物ですので、健康なタイミングで改めて計画を立てましょう。
2.キャリーに慣れているか
キャリーに苦手意識を持つ猫は多く、移動以前の問題になることも。
キャリーに悪い印象を持たれないよう、時間をかけて練習していくことが大切です。
旅行の1週間ほど前から、部屋にキャリーを設置しておき、キャリーに入ったらおやつをあげるなど「ポジティブ」な印象を与えましょう。
キャリーに慣れることは、旅行以外の目的でもメリットが大きいです。
動物病院への通院はもちろん、災害などで避難が必要になった際に、猫をスムーズに連れ出すための訓練にもなります。
3.宿泊先のペット受け入れ条件は確認できているか
「犬限定」「1室につき1匹まで」など、宿泊施設によって条件はそれぞれです。
感染症対策としてワクチン接種を求められるケースもあるため、予約の際によく確認する必要があります。
条件を満たせば、猫との楽しいお泊まりが叶います。
その際に気をつけたいのが、粗相の予防とマナーです。
普段使っているトイレやベッドを持ち込み、猫が落ち着ける環境を整えましょう。
もし万が一、部屋を汚してしまった場合は、速やかにフロントに報告してください。
4.猫が安心して過ごせる持ち物を準備できるか
宿泊先でレンタルできるものもありますが、できるだけ猫の愛用品を持参するのがおすすめです。
使い慣れたものがあるだけで、猫のストレスはぐっと軽減されます。
キャリーバッグ、ケージ、ポータブルトイレ、普段食べているフードや水など、意外と荷物はかさばります。
熱中症対策として、水を飲ませるためのシリンジなど細かな道具もあると安心です。
持ち歩く負担を考えると、道中で使わない荷物は、宿泊先に事前に送っておいた方が楽でしょう。
また、ケージは折り畳み式のタイプを選ぶなど、できるだけコンパクトにまとめる工夫をしてみましょう。
まとめ

猫は大切な家族の一員。
一緒に旅行を楽しみたい気持ちは自然ですが、猫にとって環境の変化は大きなストレスになることもあります。
お家でお留守番をしている方が、穏やかに過ごしやすいです。
とはいえ、事情によって同行が必要になることもあるかもしれません。
そんなときは、無理のない移動と、猫が安心できる環境づくりを心がけましょう。
キャリーに慣れておくことは、旅行だけではなく、通院や災害時にも役立ちます。
猫の性格や体調にも配慮しながら、お互いが安心できる方法で計画してください。