猫の社会化期とは?

社会化期は、生後2週間〜9週前後くらいまでの短い期間です。この時期の子猫の脳は、新しいことをグングン吸収できる状態です。ここで経験したことや音、人への感触を「大丈夫なもの」「安全なもの」として記憶します。
猫は警戒心が強い動物です。社会化期にさまざまな経験がないと、大人になってからちょっとした音や来客にビクビクしたり、強いストレスを感じて問題行動につながったりしやすくなります。社会化をしっかり行うことで安心感を猫に与え、お留守番中もリラックスして過ごせる基礎を作ることにつながるのです。
子猫を迎える時期は社会化期が終わっていることも多いですが、遅れても大丈夫です。大切なのは「嫌な思い出」にせず「楽しい経験」にすることです。なので、無理強いは絶対にしないようにしましょう。無理に慣れさせようとすると「怖い」という記憶だけが残ってしまい、かえって嫌いになる原因になります。猫が少しでも良い行動をしたら、たくさんほめてあげましょう。
猫の社会化期に身に付けたいこと

1.人間に慣れる
猫にとって、人が「安全で優しい存在」だと認識することが大切です。飼い主さんが短い時間なでたり抱っこをしたりしたら、すぐにほめたりおやつをあげたりします。
拘束されるストレスを感じる前に解放するので、人間を嫌な存在と思わせず、ごほうびで「人間はいい存在」と思わせることができるのです。
また、来客があるときは、子猫がケージやキャリーの中で安心している状態で、お客さんにおやつをあげてもらいましょう。「人が来ると良いことがある」と学習します。
2.生活音や環境に慣れる
飼い主さんの日々の生活や環境に慣れることでお留守番の不安を減らすことにつながります。テレビやラジオを小さめの音量でつけておくことで、日中の生活音の練習になります。掃除機やドライヤー、インターホンは、怖がる猫が多いです。
まず、子猫をケージやキャリーなど安心できる場所に入れ、子猫から離れた場所で掃除機やドライヤーを使います。インターホンはスマホなどで録音した音を流します。音を出している間に子猫におやつやフードを与えて、ごほうびとセットにすることで慣らしていきます。
徐々に音と子猫の距離を縮め、子猫の前で使用し「怖くないもの」と覚えてもらいます。
キャリーバッグも、猫がいる場所に普段から置いて、おもちゃやおやつを入れて「怖くないお気に入りの場所」と覚えてもらうと、動物病院の通院もストレスを感じにくくなります。
3.体を触られることに慣れる
動物病院での治療や災害のときなど、飼い主さん以外の人に触られることがあります。パニックを防ぐには、体を触られる練習が社会化期でとても重要になります。子猫が寝る前やリラックスしている時を選んで、一瞬だけ優しく触ります。特に嫌がりやすい手足は、指先に触るだけから始め、触ったらほめることをセットで行います。
まとめ

子猫の社会化期のトレーニングについてご紹介しました。「猫だからトレーニングできない」と感じるかもしれませんが、愛猫の幸せな未来のために大切なことです。社会化期の子猫も、社会化期を過ぎている猫でも、無理はせずに少しずつ毎日愛情を持ってトレーニングを続けてみましょう。