駅に3匹の子猫がやってきた

画像はイメージです
英国のNorth Yorkshire Moors鉄道の Grosmont駅に、このほどかわいらしい「従業員」がやってきました。夜間パトロール担当官のTitchとClinker、そしてAshです。いずれもまだ生後17週間の若い黒猫なのです。
蒸気機関車を運行するこの保存鉄道では、代々猫の従業員がネズミ退治に当たるとともに、乗客のマスコットとしても人気を博してきました。でも2025年5月にLocoという猫が亡くなったため、そのポストが空席になっていました。そんなとき、Farndale地区で母猫のいない状態だった子猫たちが保護され、駅に雇われることになったのです。
3匹の子猫たちは駅構内を走り回り、取っ組み合いをしたり新しい匂いを興味深そうに嗅ぎまわったりして、毎日元気に過ごしています。
ヒーター付きの専用部屋も確保

画像はイメージです
鉄道売店の責任者であるSimon Wallさんは、Ashに爪でシャツの袖を引っ張られながらもこう話してくれました。
「この鉄道には長い間ずっと猫の従業員がいて、代々の猫たちはすばらしい働きをしてくれました。ネズミ退治やお客様の心を和ませる役割を果たしてきたのです」
「そんなある日、突如として3匹が現れそのまま駅に迎えられました。それ以来、猫たちはここですばらしい時間を過ごしていますよ。彼らは本当にお客様に人気があります。奥に連れ出して餌をあげようとしても、多くのお客様と楽しく遊んでいるので引き離すのが難しいほどなのです」
勤務が終わると、3匹は小さな建物で眠ります。そこには猫用ドアや毛布、暖房器具もあり、壁には歴代の猫の名や写真が飾られ、その活躍が称えられています。
「ここは本当に5つ星ホテルのようですよ。猫たちは朝になると、わたしが朝食を持ってくるのをこの部屋で待っているのです」とSimonさん。
保存鉄道の貴重な財産に

画像はイメージです
GrosmontはNorth York Moors国立公園の中心部に位置し、周囲には丘とヒースの野原があって、ネズミ駆除のために雇われた猫にとっては完璧な地形です。
「田舎で川も近いため、多くの齧歯類が出現します。子猫たちはだんだん仕事の腕前を上げてきてはいますが、今のところは木から落ちてくるドングリや、きょうだい猫たちを相手に狩りの練習をしている段階です」
「わたしは本来猫好きではないのですが、次第にこの子たちが好きになってきました。猫と遊んでいるお客様の表情を見るのも、大きな喜びです。とくにお子さんたちは猫のことが大好きですね。いまや3匹は、この鉄道にとってすばらしい財産になっているのです」とSimonさんはいいます。
この地域一帯にはほかにも鉄道と縁の深い猫がいます。Huddersfield駅にはFelixとBoltという名の鉄道猫がいるし、East Yorkshire地域には電車やバスを利用して放浪するMewPaulという名の旅好き猫もいるのです。
3匹の子猫たちは40年続く「鉄道猫の伝統」を継承しましたが、まだ仕事の責任の重さを十分には認識してはいないようです。だって無邪気にあちこちを探索し、通行人に甘え、おやつをもらって撫でてもらうのを楽しみにしているようなのですから。一人前の職員になるには、もう少し修行が必要みたいですね。