「猫転送装置」とは?

床にテープなどで円や四角の枠を作ると、猫がその枠の中に入ってしまうという不思議な現象のことです。枠の中に入ってしまう様子が、SF映画の転送装置のように見えることから名付けられました。「猫ホイホイ」とも呼ばれています。SNSなどで猫転送装置を試す様子が投稿されるなど話題になりました。
猫転送装置の作り方

マスキングテープや紐、タオル、ベルトなどを枠になるように置いたり、段ボール箱の底をくり抜いて枠にしたりします。形は丸でも四角でも囲うようになっていれば大丈夫です。枠の大きさは猫が座れるくらいで十分です。
猫がよくいる場所や通り道に設置してみましょう。最初は警戒したり、あまり興味がなさそうにしたりしている猫もいますが、気づいたら入っていたということも多いです。
筆者の猫も家電製品のコードが偶然円形になったときに、中に入っておすわりしていることがよくあります。
猫が猫転送装置に吸い込まれる理由や心理

狭い場所が好きだから
猫は狭い場所に入ることで敵から身を守ります。全身がフィットするような狭い場所を好みます。また、狭い場所は敵から身を守れるだけでなく、獲物が潜んでいる可能性もあるため、猫にとって安心感やワクワク感を得られる魅力的な空間です。猫転送装置は、平面であり、全身が囲われているわけではありませんが、狭くて収まるような感覚になっているようです。
目の錯覚
カニッツァ錯視という現象を起こしている可能性があります。カニッツァ錯視とは、線が一部欠けた図形を見たとき、脳が勝手に情報を補完し輪郭を作り出して認識してしまう錯覚です。テープなどで作った円形や四角の枠を、猫の脳が勝手に「境界線」「立体的な壁」があると補完して認識している可能性があります。平面の枠を「箱」「壁がある安全な場所」だと思って中に入っているのです。
枠を『他より少し高い場所』と錯覚している可能性もあります。猫は高い場所を安全な場所と感じやすいため、この錯覚が行動を促しているのかもしれません。錯覚によって少しでも高いところに行きたいという気持ちが起こっている可能性があります。
猫は動くものを見るのは得意ですが、静止したものを見るのは得意とは言えません。なので、平面の枠を見たときに、立体物と勘違いしやすいという特性もあります。
まとめ

猫が「猫転送装置」に吸い込まれる行動は、狭い場所が好き、狭い場所に安心するという心理や、錯覚によって狭い場所や高い場所に見えるという理由が絡み合った結果といえます。愛猫にも猫転送装置を作って、どのような行動になるのか観察してみてはいかがでしょう。