1.かつおぶし

猫の大好物といえば、「かつおぶし」が最も代表的なものではないでしょうか。かつおぶしの魅力といえば食欲をそそる香りですが、猫にとってもかつおぶしの香りと旨味はたまらないのかもしれません。
しかし、猫がかつおぶしを好むとされるのは、日本独特のイメージのようです。昔の日本は肉より魚を食べる文化が根強かったため、猫も魚を食べる機会が多かったのでしょう。長期保存のために乾燥させて作ったかつおぶしを、飼い猫に与えていたのでしょう。
かつおぶしには、タンパク質、ビタミン、DHA、EPAといった不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。これらは猫に必要な栄養ですが、ミネラルが多い点は注意が必要です。ミネラルの過剰摂取によって、尿路結石や腎臓病を起こす可能性があります。
与える際には、猫用として販売されているものを選びましょう。週に1回、ひとつまみほどをおやつとして与えることで、食欲増進にも期待できます。
2.鶏肉

肉食動物の猫にとって、鶏肉は欠かせない食材といっても過言ではありません。実際に、多くのキャットフードは鶏肉を使用しているほどです。豚肉や牛肉よりも低カロリーで安価なため、猫のご飯として取り入れやすいというメリットもあります。
かつおぶしと同じように必須アミノ酸を摂取できることも、鶏肉の魅力といっていいでしょう。また、リンが豊富なため、骨や歯、筋肉の機能をサポートしてくれます。
ただし、生肉を与えるのはおすすめできません。色々な病原菌が含まれている可能性があり、食中毒のリスクがあるためです。調味料などで味を付けずに、茹でたり蒸したりしてキャットフードにプラスしてあげましょう。普段の食事に飽きてきた猫も、食欲を取り戻してくれるかもしれません。
3.煮干し

パリッと香ばしい煮干しも、猫が好む食べ物のひとつです。こちらも日本文化の中で猫が食べるようになった食材ですが、今や市販の猫用おやつとして定番となっています。
カルシウムやマグネシウム、鉄分などのミネラルが豊富に含まれており、骨を強くする、貧血を防ぐといった効果を期待できる食べ物です。また、猫が体内で合成できないタウリンという栄養素も豊富に含まれています。
人間用の煮干しは塩分過多となるため、与えないようにしましょう。猫用の煮干しを選び、週に1回、2本ほどを目安に与えることをおすすめします。食事に混ぜたりせず、特別なご褒美や気分転換として食べさせるのがいいでしょう。
ただし煮干しも尿路結石などを引き起こす食べ物の一つです。与えすぎはもちろんよくありません。なので、与える際は十分このことを念頭に置いておきましょう。
4.チーズ

肉や魚が好きな猫が多い一方で、チーズが大好物という猫も少なくありません。独特な香りで嗜好性も高く、母乳の味に似ている点も魅力なのでしょう。
チーズに含まれるカルシウムやタンパク質、ビタミンA、ビタミンB2などの栄養素は、猫にとって非常に有用です。牛乳でお腹を壊す猫は多いですが、下痢の原因となる乳糖はチーズの方が格段に少ないため、安心して与えられるはずです。
チーズを食べられるようになると、チーズの中に薬を埋めて投薬できるというメリットもあります。初めて食べさせるときは警戒されるかもしれませんが、普段食べているものと混ぜて与えると食いつくかもしれません。カロリーの計算は必要ですが、食べることが億劫になった老猫や、体力の落ちた子猫にとっては、食欲を取り戻すきっかけとなる可能性もあります。
ただし、乳製品にアレルギーを持つ猫もいるため、その点は注意が必要です。
また人間用のチーズは塩分が多すぎる場合が多いので、あげる場合はペット用のものを選びましょう。
まとめ

香りが強い肉や魚は、猫が好む可能性が高いといえます。どんな食べ物も過剰摂取は栄養バランスを崩すリスクがありますが、食欲増進やご褒美として取り入れるのもひとつの手です。
総合栄養食を与えることを基本として、猫の大好物も生活に取り入れてみてくださいね。