猫に『カレー』を絶対に与えてはいけない理由5つ 起こりうるトラブルから誤飲時の対処法まで

猫に『カレー』を絶対に与えてはいけない理由5つ 起こりうるトラブルから誤飲時の対処法まで

カレーを作った日の夜、二日目カレーを楽しむために、お鍋を置きっぱなしにはしていませんか?しかし、猫においてお鍋の中身の誤食はとても多く、カレーは特に猫にとっては危険です。この記事ではカレーが猫にとって有害な理由ともしも食べてしまった際の対処法をご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

︎1.玉ねぎ、にんにく

玉ねぎ

玉ねぎやニンニクなどには、「有機チオ硫酸化合物」が含まれていて、猫が摂取すると、溶血性貧血などを起こす事があり、最悪、死に至ることもあります。

初期では、嘔吐、下痢、呼吸困難、食欲不振などの症状が見られます。

猫の場合、体重1kgあたり5gが中毒量とも考えられており、犬以上に有機チオ硫酸化合物の影響を受けやすいとされています。

︎2.らっきょう

らっきょう

カレーの付け合わせに使われるらっきょうですが、実は分類上は玉ねぎと同じ「ネギ属」なため、同様のリスクがあります。

ネギ属は加熱しても毒性は無くなりません。また、これらを取り除いてカレーのスープだけ与えたとしても、エキスが溶け出していれば中毒になります。

ネギ属の中毒は、すぐに出る場合ももちろんありますが、通常2~4日、大量に食べた場合は1日と症状が現れるまでに時間がかかります。症状が出ないこともありますが、食べたと分かったらすぐに動物病院を受診して、解毒の処置を受けるようにしましょう。

︎3.シナモン

シナモン

料理の香りをよくしたり、辛味や風味を加えるために使う香辛料。植物の種子や実、葉などを乾燥させたり、香味野菜をすり下ろしたものなど、様々なものがありますが、猫が口にすると中毒を引き起こすものがあります。

例えば、カレーに使われることも多いシナモンには、高い抗酸化作用があるクマリンという成分が多く含まれています。クマリンは、猫の体では分解されにくく、肝臓に負担をかけることがあり、少量でも嘔吐、下痢、口腔や胃腸の刺激、呼吸困難などを引き起こす可能性があります。

重症になると、呼吸困難、震え、虚脱、肝障害・肝不全や最悪の場合は生命に関わる事もあるため、注意が必要です。

︎4.チリパウダー

唐辛子

チリパウダーには、唐辛子の辛味成分であるカプサイシンが含まれており、猫の口腔、喉、胃腸に強い刺激を与えます。人でも辛いものを食べすぎるとお腹を壊すことがありますが、猫も同様で少量でも嘔吐、よだれ、下痢などを引き起こすことがあります。

また、チリパウダーにはオニオンパウダーなどが混ざっているものも多く、玉ねぎやニンニクが混ざっている場合、赤血球破壊による貧血の危険があります。

︎5.ココナッツミルク

ココナッツ

猫は本来 高タンパク低炭水化物の食事に適応しており、脂肪の多量摂取には弱い動物です。

カレーに使われることも多いココナッツミルクですが、油脂がかなり多く含まれているため、大量に与えると胃腸に負担がかかるおそれがあります。

大量に摂取してしまった場合、症状として下痢、嘔吐、食欲不振などが引き起こされ、症状が悪化すると肝臓などに負担がかかります。

すぐに命にかかわることは少ないですが、猫は甘いものが好きな動物なため、注意が必要な食品です。

︎6.もしも猫が誤食してしまったら

獣医師と猫

猫が誤食した事に気がついた際には、食べてすぐであればまだ胃の中に食べ物があることが多く、動物病院で吐かせる処置をすることができます。

しかし時間がたってしまうと、胃から腸に流れて、成分が吸収されてしまいます。

そのような場合には、なるべく早く点滴などで体の中の毒素を薄める必要があります。

つまり、誤食に気がついた場合には、なるべく早く動物病院を受診することが大切です。

動物病院を受診する際には、食べてしまった物と同じものを持参するか、成分などが書かれたパッケージも持参すると治療の助けになります。

︎まとめ

カレー

カレーのようにお鍋の中身を取っておきたい場合には、密閉容器に移し替え、絶対に猫の手が届かない場所で保存するようにしましょう。

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