︎1.玉ねぎ、にんにく

玉ねぎやニンニクなどには、「有機チオ硫酸化合物」が含まれていて、猫が摂取すると、溶血性貧血などを起こす事があり、最悪、死に至ることもあります。
初期では、嘔吐、下痢、呼吸困難、食欲不振などの症状が見られます。
猫の場合、体重1kgあたり5gが中毒量とも考えられており、犬以上に有機チオ硫酸化合物の影響を受けやすいとされています。
︎2.らっきょう

カレーの付け合わせに使われるらっきょうですが、実は分類上は玉ねぎと同じ「ネギ属」なため、同様のリスクがあります。
ネギ属は加熱しても毒性は無くなりません。また、これらを取り除いてカレーのスープだけ与えたとしても、エキスが溶け出していれば中毒になります。
ネギ属の中毒は、すぐに出る場合ももちろんありますが、通常2~4日、大量に食べた場合は1日と症状が現れるまでに時間がかかります。症状が出ないこともありますが、食べたと分かったらすぐに動物病院を受診して、解毒の処置を受けるようにしましょう。
︎3.シナモン

料理の香りをよくしたり、辛味や風味を加えるために使う香辛料。植物の種子や実、葉などを乾燥させたり、香味野菜をすり下ろしたものなど、様々なものがありますが、猫が口にすると中毒を引き起こすものがあります。
例えば、カレーに使われることも多いシナモンには、高い抗酸化作用があるクマリンという成分が多く含まれています。クマリンは、猫の体では分解されにくく、肝臓に負担をかけることがあり、少量でも嘔吐、下痢、口腔や胃腸の刺激、呼吸困難などを引き起こす可能性があります。
重症になると、呼吸困難、震え、虚脱、肝障害・肝不全や最悪の場合は生命に関わる事もあるため、注意が必要です。
︎4.チリパウダー

チリパウダーには、唐辛子の辛味成分であるカプサイシンが含まれており、猫の口腔、喉、胃腸に強い刺激を与えます。人でも辛いものを食べすぎるとお腹を壊すことがありますが、猫も同様で少量でも嘔吐、よだれ、下痢などを引き起こすことがあります。
また、チリパウダーにはオニオンパウダーなどが混ざっているものも多く、玉ねぎやニンニクが混ざっている場合、赤血球破壊による貧血の危険があります。
︎5.ココナッツミルク

猫は本来 高タンパク低炭水化物の食事に適応しており、脂肪の多量摂取には弱い動物です。
カレーに使われることも多いココナッツミルクですが、油脂がかなり多く含まれているため、大量に与えると胃腸に負担がかかるおそれがあります。
大量に摂取してしまった場合、症状として下痢、嘔吐、食欲不振などが引き起こされ、症状が悪化すると肝臓などに負担がかかります。
すぐに命にかかわることは少ないですが、猫は甘いものが好きな動物なため、注意が必要な食品です。
︎6.もしも猫が誤食してしまったら

猫が誤食した事に気がついた際には、食べてすぐであればまだ胃の中に食べ物があることが多く、動物病院で吐かせる処置をすることができます。
しかし時間がたってしまうと、胃から腸に流れて、成分が吸収されてしまいます。
そのような場合には、なるべく早く点滴などで体の中の毒素を薄める必要があります。
つまり、誤食に気がついた場合には、なるべく早く動物病院を受診することが大切です。
動物病院を受診する際には、食べてしまった物と同じものを持参するか、成分などが書かれたパッケージも持参すると治療の助けになります。
︎まとめ

カレーのようにお鍋の中身を取っておきたい場合には、密閉容器に移し替え、絶対に猫の手が届かない場所で保存するようにしましょう。