『捨て猫・野良猫』がなかなか減らない理由3つ  現状の課題と私たちにできること

『捨て猫・野良猫』がなかなか減らない理由3つ  現状の課題と私たちにできること

保護猫活動の様子や猫を拾ったというSNSの投稿を目にして、切ない気持ちになったという方もいるのではないでしょうか。猫を保護しても、捨て猫や野良猫が減らないのはどのような理由があるのか、その背景にある課題と私たちができることをご紹介します。

捨て猫や野良猫が減らない理由

猫の親子

1.繁殖力の高さ

メス猫が一度に出産する子猫の数は3~8匹です。メスは猫は一年間で2~4回出産することができ、1匹のメス猫は一生のうち、数十匹から100匹以上の子猫を産む可能性があります。さらに、メスの子猫は生後半年ほどで出産することができるため、驚異的な速さで数が増えてしまいます。

2.無責任な飼育

可愛いからと飼い始めたものの、さまざまな理由で無責任に捨ててしまうケースがあとを絶ちません。また、避妊・去勢手術を受けていない猫を外で自由に飼うことが、望まない妊娠をし、野良猫を増やすことにつながります。

3.不適切なえさやり

お腹を空かせた野良猫にえさをあげるのは、やさしさではありますが、それが野良猫を増やしてしまう原因になります。栄養状態が良くなったことで、子猫を多く出産できるようになることもあるのです。

現状の課題

捕獲器の中にいる猫

野良猫を安全に捕獲して、避妊・去勢手術を受けさせ、元の場所に戻すTNR活動というものがあります。繁殖を止め、新たな不幸な命が産まれることを防ぎ、元の場所に戻された猫は一代限りの命をまっとうします。この活動を知らない人から「猫がかわいそう」と誤解や反発をされたりすることもあるのです。また、野良猫に餌を与え続けた結果、管理しきれないほど猫が増えてしまう多頭飼育崩壊も問題です。これは飼い主の孤独や病気が原因となっている場合もあり、善意から始まったことが結果的に野良猫を増やすことにつながってしまうのです。

私たちにできること

ケージの中にいる猫

TNR活動への理解と支援

TNR活動は、野良猫がこれ以上増えないようにし徐々に減らすことを目指した活動です。直接参加することが難しくても、ボランティア団体への寄付、情報の発信などで支援できます。また、TNR活動で避妊・去勢手術を受けた猫の食事やトイレの管理を行う「地域猫活動」に参加することでも支援になります。

猫を飼う前に心構えを知る

猫を飼うことは、命に責任を持つということです。猫の飼育には、初期費用、食費、医療費などさまざまな費用がかかります。猫中心の生活になり、今まで自分のために使っていた時間が減ることも覚悟しなければなりません。

譲渡会の活用

猫を飼うことを決めたら、保護猫を迎えることも候補に入れてみましょう。保護猫を迎えることで保護猫施設に空きができ、新たに猫を保護して救うことにつながります。譲渡会の運営ボランティアや、SNSでの情報発信も、捨て猫や野良猫を減らすためにできることです。

まとめ

地面に横になる猫の親子

捨て猫や野良猫が減らないのは、猫の繁殖スピードが早いこと、命に責任を持たない人がいること、適切ではないえさやりなどが理由として挙げられます。TNR活動や地域猫活動の理解が広まったり、譲渡会を活用したりすることが捨て猫や野良猫を減らすことにつながります。猫と人間の共生を幸せで楽しいものにしていきたいですね。

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